生命のゆくえ
たったひとつの細胞が
分裂を繰り返して
60兆を超える複雑な肉体となった
これだけでも
奇跡でしかない
私たちは
どんなに科学が発展しても
なぜ
生きているのかというメカニズムを
解明できないという
これは小さな頃から
不思議だった
生命はなぜ
生きているんだろうか
植物も
小さな蚊も虫も
猫も犬も
人間も
なぜ
生きているんだろうか
そして何がどうしたら
死んでいくんだろうか
一番最初の肉親の死は
おばあちゃんだった
人は死ぬ
これがまた不思議でたまらなかった
おばあちゃん
いつも
私をお寺に連れていってくれて
般若心経を教えてくれて
たくさんの霊能者に私を出合わせてくれた
いま思えば
お寺まで歩いて40分くらいかかる
当時まだ幼稚園だった私ならば
1時間はかかったはず
なのに
そんなに歩いた記憶がないのだ
5分くらいのお散歩だった
記憶が塗り替えられたのか
はたまたワープしたのか
でも
そんな遠いところに
子供を連れて
ほぼ毎日行くのだろうか
そして
お寺にいく道には
大きな谷があって
竹藪で覆われていた
そこには
大きな大きな牛が
何頭かいて
牛といってもバッファローである
私は怖くて怖くて
でもバッファローが珍しくて
その谷を見下ろしていた
もちろん
バッファローなどいないのだし
バッファローなんて言葉🦬🦬
あとから知った
でも私の世界には
それらがいた
お寺の境内には
これまた大きな龍がいて
羽根を広げて向かってくるが
こちらは怖くなくて
とても可愛かった
でも
龍などどこにもいなかったと
後から聞いた
バッファローはなぜ
バッファローなのか
龍はなぜ龍なのか
いつだって不思議でたまらなかった
バッファローがなぜここにいるの?
龍はどうしてここにいるの?
蝶々はどこからきて
どこへいくの?
おばあちゃんは
赤ちゃんだったの?
和尚さまは
どうして和尚さまなの?
そんな疑問に
能力者たちは
答えてくれたのだろうが
私の問いはどんどん大きくなるばかりだった
私はたったひとつの
細胞がわかれてできたもの
その細胞は
この世界では
ある日大人という生き物になって
おばあちゃんと呼ばれる生き物になるのだ
不思議
不思議
不思議
きっと大人と私は
関係ない生き物であり
おばあちゃんと私は
関係ない生き物である
いつしか私は
今の私とは関係ない私になる
それが怖かった
子供ながらに思った
今を覚えておこう
今をしっかり覚えておこう
バッファローも
大きな龍も
霊たちも
きっと
消えていくのだ
ちなみに
霊と遊ぶと
自分の魂を吸い取られる、なんてことは
私にはなかった
(人にもよるだろうが)
成仏していない霊は
オーラも弱いので
憑依するなんてできない
ただそこにいるだけなので
何の心配もない
子供の私は
子供の私が思ったように
もうどこにもいない
細胞は常に生まれ変わっているから
でも
こうした
脳の記憶というのは
いつまでも残る
バッファローも
龍も細胞の中に残ってるのだが
お寺に集まった
能力者たちの顔だけは
一切覚えていない
先日
何十年ぶりにそこに行ってみた
不思議なお寺は
今もまだ存在するが
和尚の代が変わったようで
もうそのような
霊能者が集まるような
場所ではなくなった
見えない世界のものたちの
賑やかさがまるでないのだ
そして
とても駅から遠いので
40分歩く気にはなれず
タクシーを使った
あの頃おばあちゃん
絶対にワープしたな(笑)
単に脚力が強かっただけかもしれないが
そういうことにしておこう
生命はどこへ
運ばれていくんだろう
煌めくように
短い生命ならば
輝くように生きていきたい
いつ死んでもよい人生を
生きることが
最高の生命につながっていくのだろう
私はそう思うのです
いつもありがとう
あなたを愛しています
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