「私の力が至らなかった・・・

私のせいで奥様が病気になられてしまったのでは・・・

そう考え、申し訳なく思っています。」


彼女は目頭を熱くしながら

ワタシにそう話した。


「そんなことは決してありません。

今までずっと、色々な申請がある度に、書類の書き方をアドバイスして頂いたり、書き上がった書類の確認作業までして頂いてどれだけ助けられてきたことか・・・。」


言葉が続かなかった・・・。


ダンナ様がリハビリセンターでのグループリハビリ以来、今までずっとお世話になってきたケースワーカーさんとのお別れ。


ワタシはずっと・・・

彼女が何度も目頭を熱くして、もう次の瞬間には涙が零れ出してしまう・・・
そんな表情をずっと眺めながら、彼女の話を聞いていた。


ワタシは元々、人を笑わせることが大好きだ。

みんなが笑ってくれると、自分も自然と笑えるから。


彼女が涙を零さないように・・・。

ワタシも一緒に涙を零してしまわないように・・・。


普段の自宅でのワタシ達夫婦の大助・花子状態の様子を話し、グループリハビリでみんなと一緒に、働いている方全員が障害を持っているカレーレストランで食事をして、働いている方達の活き活きした姿に驚かされたり、いただいたカレーがとても美味しかったことなど・・・、ずっとずっと楽しく笑いながら話し続けた。


「ここでの患者さんとのお付き合いは、みなさまお一人お一人と関わる期間が長いので、私自身がみなさまと会えなくなることがショックであり、寂しいのです・・・。」


ワタシの言動と、ワタシの気持ちはどこかズレていたような・・・、私の気持ちは別のトコロに浮かんでいたように感じていた。


「次の病院に移られても、今後もご活躍されることを祈っています。」


ワタシは、たしか・・・

そんな言葉を最後に伝えたように思う。


今まで親身になってワタシ達夫婦の相談に乗って下さっていた彼女は、今後は救急病院での勤務になるという。

つまり、今までの様に、『高次脳機能障害者』の一人一人と長く関わることがなくなるということだ。

今後は急性期が過ぎた患者さんの転院手続きなどの仕事がメインになるそうだ。


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最後の最後まで、ケースワーカーさんとしてだけではなく、彼女個人としても相談に乗って下さった。


そして、この2日間・・・

ある事に結論を出せずにいたワタシ。

彼女のお陰でついに決断をした。


もちろん、ダンナ様の気持ちを最優先に考えて、相談した上で決断した。


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『切り捨てるべき部分は切り捨てて、今一番大事にしなければならないことに集中する』


グジグジしているワタシとはお別れだ。

時には自分の気持ちを捨て、人の話す言葉の意味を心から理解するべき必要がある。


悩み続けて一歩も前に進めないのでは、少しずつ前に向かって進んでいることにはならない。


明日からのワタシ。

これで何度目になるのかは分からないが・・・

また次のステップへと進むことになる。


明日がケースワーカーさんがリハビリセンターを退職する日。


彼女のお陰でワタシは確実に新たな一歩を踏み出し、

彼女自身も新たな一歩を踏み出すことになる。


「今まで本当にありがとうございました。

ワタシ自身が勝手に心を閉ざしてしまった時もあったけれど・・・。

アナタがいてくれたから、ここまでやってこれたんです。

そして、アナタが最後の最後まで親身になって話を聞いて下さったから、ワタシは迷路から出ることが出来たのです。

アナタはワタシ達夫婦にとって、最高のケースワーカーでした。」