以前、アメリカ人(白人)の友人がディナーの席で
こう憤慨していました。

「アメリカ人だからと言って差別されるからとても嫌。プンプン
本当に不公平よね。
別にさぁ、ベトナム戦争の惨劇とか、
アメリカがイラクでアグレッシブな攻撃をしているのとか、
アメリカ人が9-11の後、アラブ人やある特定のグループに対して
ハラスメントをするとかいうことに対して、
私は責任ないのにさ。
どうしてアメリカ人っていうだけで
差別されなきゃならないのよ。
本当、不公平、不平等、許せない、そういうのって。」

私も、彼女が国籍によって
彼女の直接の責任でないことや、
彼女が生まれる前に起こったことや、
彼女には変えられないことのために
不当に彼女に対する評価が与えられてしまうのは
不公平だ、というところまでは大賛成なんですけど、でも、
だんだん何となく腑に落ちないような、
何かちょっと変な気がしてきました。目

というのは、
彼女が「アメリカ人」として生まれたために享受していることは
たくさんあるわけですよね。
例えば、アメリカのパスポートがあると大体どこの国にも行ける。
アメリカのパスポートと、白人の姿、
これだけで、たくさんの途上国では大変な優遇を受ける。
たまたまダルフールに生まれた人と比べると
とても充実した教育の機会がそこら辺に転がっていて、
誰も「女だから学校なんて行かずに家を手伝え!」とも言わないので、
教育も大学院まで受けられた。
教育も受けられたから、自分の選んだ職にも就けた。
お金だってある(大金持ちではないにしても、相対的には)から、
旅をしようと思えばどこにだって行ける。
「アメリカ人」というだけで、
イラクに行ってもアメリカ軍がしっかり守ってくれて、
軍の基地に泊めてくれる(彼女の場合はそうだったそうです)。
もっと言えば、彼女が参戦したわけではないけれど、
アメリカは第二次世界大戦にも勝ったし、
その後の世界の仕組みには一番のスーパーパワーとして
発言権をもっていて、
彼女も「アメリカ人」として、アメリカの政治に参加でき、また、
そのアメリカのパワーをフル活用しているわけです。

だから、
「アメリカ人」だから自動的についてくる利点は全部享受するけれど、
「アメリカ人」だからついてきたマイナスの点は絶対許せない、
っていうのは
どうなのかしら、と、ふと思ったのでした。
ある程度国と一緒についてくるものってあるんじゃないか、と
思うんですよね。

もちろん、だからと言って
「アメリカ人だから」自動的に「あいつは悪い」とか、
だから「付き合わない」とか、
だから絶対「主張が激しくて、個人主義で、利己的だ」というステレオタイピングとかはどう考えてもよくないと思うんですけど、
例えば彼女が教育を受けられる環境にあった、ということだって、
彼女個人のおかげではないし、
彼女が家事、育児をする以外の人生の選択肢があった、ということだって、彼女の個人が獲得したものではないし、
だから、「アメリカ人」だからついてきた利点にもちゃんと気がついて、
ありがたや~、と思ってくれたらいいな、という
ことなんでしょうかね、この違和感は。