生と死を学べる麻雀マンガ | ソングレターアーティスト安達充 公式ブログ(2004-2016)

生と死を学べる麻雀マンガ

僕が名作だと思うマンガの一つ、福本伸行さんの『天 ~天和通りの快男児~』
 
全体的に面白いのですが、特に最終章が秀逸です。
 
何がすごいかって、麻雀マンガなのに一切麻雀が出てこない!(笑)
 
麻雀が出てこないなら、何を描いているのかというと、“アカギ”というキャラクターの葬儀の模様がひたすら描かれます。
 
 
この“アカギ”こと赤木しげるがとにかくスゴイんです。
 
彼は並外れた度胸と強運の持ち主で、麻雀・ギャンブルの天才として描かれています。
 
口数が少なく常に冷静で、自らの信念には命をも賭け、狂気じみた熱さを持ち、数々の修羅場をくぐりぬけた伝説の雀鬼。
 
 
最終章は、そんなアカギの葬式が催されると言うことで、以前彼と麻雀で戦った仲間や対戦相手たちが全員集まります。
 
しかし、一通り葬式が終わった後、驚くべきことに彼は平然と姿を現します。
 
そう、アカギは死んでなかったのです。
 
 
ところが、アカギは同時に「数時間後に死ぬ予定である」ことを明かします。
 
体は五十代で健康そのものでも、アルツハイマーにかかってしまい記憶がどんどん失われていっているとのこと。
 
何もわからない状況で生きながらえるよりも、最後の一瞬までアカギとして死ぬために彼は『安楽死』を選びます。
 
 
小さな部屋で、スイッチ一つで点滴から安楽死する薬剤が流れ込んで死ぬ仕掛けを整えたアカギ。
 
彼は、そこで集まった一人一人と順番に最後の会話を交わし、その後に死ぬと淡々と宣言します。
 
集まったメンバーとしては、言葉を尽くして止めようとするものの、逆にそれぞれが「お前はなぜ生きる?」「お前にとって生とは何だ?」ということを突きつけられ、一人ずつ説得に失敗していきます。 
 
 
・・・こう書いていくと、とっても暗い話のようですが、ラストはすごく希望のある結びになっています。
 
最終的にアカギは死んでしまいますが、読み終えた後、不思議と悲しい印象は残りません。
 
それは「死の悲しみに対して、遺された人達が出来ること」の一つのカタチが描かれているからかな、と思います。
 
 
本当は詳しく書きたいのですが、ネタバレになってしまうのでここまでで…。
 
麻雀に興味がない人も、ピンと来たらこの最終章『アカギの通夜編』は一読をオススメします。
 
▼『天~天和通りの快男児~』(福本伸行)
 
http://www.amazon.co.jp/dp/4812454565/(16巻)
http://www.amazon.co.jp/dp/4812455316/(17巻)
http://www.amazon.co.jp/dp/4812456487/(18巻)

 


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