最近

周りで ウイルス性胃腸炎になった話を

複数 耳にして

 

ああ 今 流行っているのね

 

と感じていた 矢先

 

 

なんと!

 

私も 気づいたら

流行りに 乗ってしまっていた

 

洋服の流行とかには

とんと 無頓着で

10年前くらいの服を

着回しているってのに

 

 

 

 

私の体調に 異変が起きたのは

ある日の 午後

 

 

午前中は いつものように

洗濯したり(家事)

掃除したり(家事)

YOUTUBEを観たり(遊び) 

LINEしたりしてたんだけど(遊び)

 

急に 気分が悪くなり

立っていられなくなり

 

這うようにして ベッドへ

 

 

しばらく 横になってたけど

吐き気に耐えられず

トイレに駆け込むこと

数回

 

その度に 体内のエネルギーが

失われていく感じがして

 

その時の 私の顔は

おそらく

ムンクの「叫び」もどき

 

最後は

トイレに行く力さえ なくなって

ベッドで

ひたすら 吐き気と闘っていた

 

 

いや~ 久しぶりだった

 

自分の体の エネルギーゲージが

ゼロになる感覚は

 

 

 

そんな ゼロゲージの状態でも

毎日 夕方

私には

避けられないミッションが ある

 

母が デイホームから戻り

インターホンが鳴った時

即刻 お迎えに出ること

 

なぜなら

我が家の 前は

普通車だと すれ違うのが厳しい

3メートル道路

 

にもかかわらず

朝と夕方の時間帯は

1分でも 停車していると

2台 3台と

後続車が待つ状態になるから

 

 

だけど どうしよう

 

今の 私は

玄関まで

すぐに辿り着ける 自信が

ない

 

 

 

私は

予め 玄関で

待機することにした

 

もちろん

マットや 毛布を

出してくる元気は ないので

 

固くて冷たい 玄関の床に

直に ゴロンと転がった

 

まるで 買ってきたばかりで

片付けられるのを 待つ

お芋のよう

 

 

その時の 私は

寒いし 痛いし

吐き気だって あるんだけど

 

ただ

お芋になりきって

普段はありえない 目線から

景色を観ていると

 

見慣れた玄関も

なんだか 新鮮に感じる

 

壁の傷や 天井の汚れや

ほのかに漂う 靴の匂いにさえ

ちょっとした気づきがあって

 

楽しかった

 

 

そんなことが 楽しい自分

変わってるよねえ

 

そう思う 一方

 

変わってる自分で 良かった

 

とも 思った

 

だって

じゃないと

こんな 片付ける前のお芋時間

普通は

耐え難いはずだもの

 

 

…な~んてことを考えてると

デイホームの車が 停まる音がした

 

私は よろよろと立ち上がり

玄関ドアを 開けた

 

その瞬間

 

何故だろう 突然

私の元気スイッチが 入った

 

 

車から降りる母を

受け取って 支え

 

送ってきてくれた

デイホームのスタッフに

にこやかに お礼を言い

 

いつものように

満面の笑顔で 手を振り

車を見送った

 

 

そして

車が見えなくなった 途端

 

スイッチは 切れた

 

 

お母さん ゴメン

私 気分が悪いから

お部屋で ちょっと寝てるね

 

そう言って

私は 速攻 部屋に戻った

 

 

その後の 展開は

マンガに描いた通り

 

 

私の部屋に上がってきた 母は

 

お腹が空いたわ!

 

と叫びながら ドアを開けた

 

…けど 寝ている私に

気がつくと

 

どうしたの? 気分悪いの?

かわいそうに

 

心配そうに 声をかけてきたのだった

 

 

その言葉の響きは

遠い 昔

親に守られて 安心していた感覚を

蘇らせて

 

私を 幸せな気分にさせた

 

…のは 一瞬

 

その後に続く

 

私が 夕飯をつくるわよ

 

という言葉で

現実に引き戻された

 

だって

今の母は

 

昔取った 貝塚

 

などという

笑える間違いとは 別次元の

 

例えば

食事中

入れ歯を トッピングと勘違いして

ブロッコリーの上に 飾ってしまう

 

といったことをやってしまう

要介護3の 認知症

 

夕飯を任せる なんて

コワすぎる

 

 

大丈夫

私が 後でつくるから

 

だから あと15分だけ

待ってくれる?

 

布団から顔を出して

そう言う 私に

 

母は

 

そう?

じゃあ

自分の部屋で待ってるわね

 

夕飯は 別に

急がなくてもいいわよ

 

またも やさしい言葉を残して

部屋から 出ていった

 

やっと 出ていってくれた

 

…と思いきや

ドアのところで 止まり

振り返って 言った

 

病院 行かなくて大丈夫?

 

 

…あのさあ

 

さすがに うんざりした声が

出てしまった

 

病院行くって

どうやって 行くの?

歩いて?

 

そんな元気 どこにもないよ

 


私の不機嫌そうな声にも

臆せず

母は 

やさしい言葉を 重ねた

 

私が 車で運転して

連れて行ってあげるわよ

 

…………

 

母に ツッコミたいことは

山ほどあったけど

取り敢えず 私は

ファクトだけを 伝えた

 

おかあさん 10年以上前に

免許返納 しているんだけど

 

えっ

 

母は しばし絶句の後

またも めげずに

今度は 明後日の方向から

攻めてきた

 

うちに 車椅子があるでしょ

それを 私が

押して行ってあげる

 

…………

 

それ

足の悪い お母さんのために

レンタルしてるんだけど

 

そう言おう と思ったけど

 

やめた

 

その代わり

 

大丈夫だよ お母さん

病院には 行かなくても

 

だけど あと15分寝て

それから 御飯つくるから

 

私は 早口で そう言って

母に背を向け

頭から 布団をかぶった

 

 

母は しばらくして

部屋から

出ていったようだった

 

私は

この しばしのひとり時間を

少しでも 体力回復に

努めようとした

 

 

 

その わずか3分後だった

 

階段を上る音がして

 

バタン

 

ドアが開いて 母が叫んだ

 

ご飯まだ? お腹すいたわ

 

 

…以下 リピート

 

 

 

 

 

 

結局 その日

 

私は

寝ることなく キッチンに行き

 

冷凍庫と電子レンジの前を

這って 往復しながら

 

時に 床に座り込みながら

 

夕食をつくった

 

ワンオペ介護の危うさを

全身で感じた

 

 

 

胃腸炎は

3日ほどで 回復したけど

 

あれから

ずっと 考えている

 

 

私 ぱいなっぷりん

名前だけは かわいいけど

年齢は かわいくない60代

 

しかも

気づけば もうその後半で

言い方を変えれば(変えたくないけど)

アラ古希(!)

 

 

そんな私がする 介護は

世間で言うところの

老老介護(!!)

 

 

この先 もし

今回のように

私が倒れるようなことが あった時

 

果たして

次も 無事に 乗り切れるのか

自信がない

 

 

そんな 不安になる

ってことは

 

そろそろ

変化を 決断する時か