金(きん)の相場が
めちゃくちゃ 上がっているらしい
その昔 推しにかけたお金を
もし すべて
金(きん)に 注ぎ込んでたら
そうしたら 今頃…
な~んてことを 考えないのが
推し活の 流儀
そもそも 推す方は
お金には代え難い
たくさんの喜びや 幸せを
彼らから もらっているんだからね
とはいえ
推し活に つきものなのが
累々と積もっていく
推し活コレクション
どこかで見切りをつけないと
大変なことになる
先日
我が家の魔界部屋で
50年くらい前の
私の 推し活コレクションが
お茶箱 2箱(!)
発掘された
お茶箱を開いた 途端
アニメ風に 描写すると
キラキラキラ…と 金属音をたてながら
白く輝く光が
箱から ふわふわと湧いてくる
丁度 そんな感じに
すっかり忘れていた
あの頃の感情が 蘇ってきた
あの頃の 私は
少ないお小遣いは ほとんど全部
推しのために遣うような 子どもで
いつも 彼の歌を聴いていたかったし
彼のすべてを 知りたかった
ホント
大好きだったんだよなあ
大人になって
その中身を
何度か 処分しようとしたことも
あったんだけど
多感な頃の
思い出があリ過ぎて
再び 蓋をして
魔界の奥に 押し込んでいたのだった
でも
今回
私も 年齢的に
そろそろ
人生の終活に 思いを致すようになリ
思い切って
そのコレクションに
手を付ける気に なった
大好きだったバンドや 歌手の
レコードや グッズ
雑誌の切り抜き パンフレット
写真集…etc.
それらは 何十年の時を 経て
カビも シミもなく
まだ きれいな状態を保っていた
さすが お茶箱
もちろん
かつて
大事なお宝グッズを 触る前には
必ず 手を洗ったり
ページのめくり方にも 神経をつかって
(日頃のズボラさからは 考えられない!)
大切に 大切に 扱っていた
私の努力もあった とは思うけど
それらを 処分する
ただのゴミに する
それは 私にとって
あまりに忍びなかった
昔々の 推しに
今の私は
かつてのようなトキメキが あるか
と問われたら
それは ない
それは ないけど
今でも
名前を聞くだけで 胸アツになるし
何より
自分の子ども時代に
トキメいた事実を
ゴミにするのは イヤだ
では どうする?
もしかしたら
オタク大国 ニッポンには
これらが欲しい人が
どこかに いるかも知れない
という
思いっきり 自分寄りの発想をした
直後
いや それは いないだろう
という
常識的な考えも 浮かんで
心が 揺れる
実は
数年前
私は 買い取りショップに
貸し本屋時代の漫画を
大量に 売りに行ったことがある
それらは
日本漫画の黎明期の
後に 大御所になる先生方も
描いていた
今となっては 貴重な作品たち
かなり 良い値段で
売れると思っていた
それだけの価値が ある
と信じていた
でも 現実は
買取ショップの 隣のレジでは
最近のマンガ単行本を持ち込んだ人が
結構 高額で
買い取ってもらっていた
それに比して
私の持ち込んだ本は
本当に安い値段しか つかなかった
もちろん
元が 貸し本なので
シミや 日焼けがあったりして
状態も 良くはなかったんだけど
それでも
自分が大切にしている
マンガへの思いが
ぞんざいに扱われたような気が して
ショックだった
まあ 別に
そんな風に受け止めなくても とも
思うんだけど
そんな
ややこしい こだわりのある
私は
先日
取り敢えず 紙袋に入る量だけの
コレクションを
その 例の買い取り店に 持ち込んだ
袋の中には
マンガ家時代に 譲り受けた
某アニメ映画の セル画も 一枚
忍ばせていた
だって それは
一点ものなので
タダのような値段は つかないはず
もし 他のものが 安い査定をされた時
ショックを 和らげるために
カウンターで 荷物を預けて
査定の結果が 出るまで
私は 店内を
ぐるぐる回っていた
せっかく
時間と 電車代をかけて
重たい紙袋を提げて 来たんだから
3000円は 超えてほしい
いや できれば 5000円
そんな事を考えながら
ガラスケースの中を 見てみると
私には よくわからない商品が
よくわからない値段で 売られていた
まるで 異世界に
迷い込んでしまったような
お呼びでない by植木等 感が
ハンパなかった
名前を呼ばれて
カウンターに行くと
もし よろしければ
この金額で お買取りを…
と 店員さんが 値段の書かれた紙を
ツツツ…と
私の方に押し出した
目を凝らして 見ようとするけど
老眼で よく見えない
それでも
4で始まる数字が
いくつか並んでいるのが わかった
ああ こんなもんか…
やっぱりね
と軽く失望ながら よくよく確認したら
一桁 違っていた
げっ
内訳を 説明してもらうと
高額だったのは
予想通り セル画だった
2万円近かった
一番 意外だったのが
中学生の時 大好きだった歌手の
ツアーパンフ
2500円✕2冊
当時買った値段より
遥かに 高い
このパンフは 同じものが2冊あって
店員さんは そこに食いついてきた
熱心なファンの中には
同じパンフレットや 写真集を
観賞用と 保存用で
2冊買いする人が いるからだろう
(それは 私)
まだ たくさん
お持ちなんじゃないですか~?
店員さんは
私の顔を覗き込むように そう言って
彼 最近
すごく人気 あるんですよ
と付け加えた
そう 言われて
悪い気はしない 私
ホントに?
ええ 特に この時代のものは
こんな風に いい状態だったら
かなりいい値段 つけられますから
是非 また 持ってきてください
他にも
70~80年代に ブームだった
海外バンドのものも
最近 人気が高いとかで
思ったより高額な 査定だった
そんな 高揚した気分の中
持ち込み品の中に紛れ込んでいた
比較的新しい 外タレのグッズを見て
店員さんが
ちょっと気になる 一言を
言った
…あれ?
このコレクション
お客さんの年齢から 考えると…
お客さん
感性 めちゃくちゃ若くないすか~
これって
褒めてるのか
呆れてるのか
バカにしてるのか
よく わからなかったな…
その日は
帰りに デパ地下で
ちょっと 贅沢して
美味しそうな海鮮弁当と
果物と ワインを 買った
これは
あの頃の自分からの
そして 遡れば
かつての推しからの
ささやかな プレゼント
今回
何より うれしかったことは
セル画以外のものも
いい値段で 買い取ってもらえた
ということ
それは つまり
私が推していたひとの 魅力に
現在進行形で
ハマっている人が いる
ということ
時を超えて
色褪せない魅力を 放っている
ということ
私
いい趣味 してるじゃん
と
自画自賛しながら食べた 海鮮丼は
値千金の味がした
そうそう
今回の4コママンガの 最後で
昭和のマンガへの
ささやかな オマージュとして
主人公の驚きを
目ん玉が飛び出る
ギャグ漫画の神様 赤塚不二夫風に
表現してみました
今見ると
けっこう 新鮮じゃない?
