娘 ドラ子が

今いる職場から 派遣されて

半年間

別の職場に 行くことになった

 

 

マンガに描いたように

窓につける カーテンだけは

自分で用意する必要が あるらしく

 

ドラ子の

 

カーテン 買わなくちゃ

 

の言葉に

私は 速攻 反応した

 

 

と いうのも

 

3年ほど 前

偶然 通りがかった

クリスマスセールで

落ち着いた色の

ステキなカーテンを 見つけて

 

近々 母の部屋を

リフォームしよう

 

と 思っていたので

その 新しいお部屋の為に

買っていたのだった

 

 

でも

実際は

 

リフォームは

3年も 先延ばしになり

カーテンは 塩漬け状態

 

やっと始まったリフォームでは

窓を インプラスにしたので

カーテンを下げる 奥行きを

確保することができなくなり

 

ブラインドを付けることに

なったのだった

 

 

まるで

塩漬けのまま 古漬けになり

処分に困る お漬物状態

 

 

 

 

 

考えたら

あたり前のことだけど

 

カーテンなどのインテリアは

 

部屋が出来上がってから 選ぶ

 

っていうのが

鉄則なんだよね

 

 

でも

私は

 

安い とか

セール という言葉を見ると

反射的に オキシトシンが

大量放出され

 

即 思考停止

 

 

もう ホント 自分の愚かさに

呆れるよ…

 

 

 

我が家は 今 断捨離中だし

 

私にとって

その 使い道のなくなった

カーテンの存在は

普段以上に

頭痛の種になっていて

 

でも

好みがあるものだし

 

丈が ちょっとイレギュラーに長いので

そうそう もらってくれる人は

見つからないだろうし

 

どうしたらいいんだろう

 

と思っている時に

 

 

ドラ子の

 

まさかの

 

カーテン 買わなきゃ

 

の言葉

 

 

 

ドラ子の 新しい部屋は

ラッキーなことに

普通の窓だけで

掃き出し窓はないので

 

この場合

少々 丈が長めでも 大丈夫

 

 

神様 ありがとう

 

ドラ子の職場 ありがとう

 

と 思わず 心のなかで 感謝した

 

 

んだけど…

 

 

まさか 断られる とは

夢にも思わなかった

 

 

だって

 

そのカーテンは

 

どんな部屋にも 合いそうな

オーソドックスな

落ち着いた 無地のピンクで

 

遮光だし

 

それに合わせて 買った

レースカーテンも ある

 

多少 気に入らないとしても

わずか半年

 

カーテン代が 節約できるわけだし

 

 

どこに

拒絶する理由が あるか

 

 

しかも ドラ子は

 

自分にとって 不要なものは

新品であろうと 捨てればいい

 

微塵の躊躇もなく そう言い放ち

 

 

この時ほど 私は

娘との 心の距離を感じたことは

なかった

 

 

この娘は

私が歳をとって

ドラ子にとって

役に立たない人間に なった時

 

こんな風に

躊躇なく 親を捨てるんじゃないか

 

な~んて考えが

一瞬 頭を過ったりして

 

 

 

 

私にだって

自分の趣味や 嗜好は

ある

 

 

いつだって

自分の お気に入りのものだけに

囲まれて 暮らせたら

どんなに 毎日 楽しいだろう

 

そして

気持ちが冷めたものは

さっさと 目の前から消えてもらって

 

また 新たなお気に入りに

囲まれて

 

 

 

でも 現実は

 

お金のことを 考えたり

 

収納のキャパを 考えたり

 

共に生活する人の気持ちを 考えたり

 

将来の状況の変化を 考えたり

 

もっと言えば

人類のこと 地球のことまでも 考えて

 

妥協する

 

 

 

 

へ~

だったら 何故

セールだからって 不確定な段階で

買い物するの?

 

とツッコまれたら

こうべを垂れて

貝になるしかないけれど

 

 

 

 

 

 

ピンクのカーテンを 拒絶した後

 

ドラ子は

私に スマホを差し向けた

 

こんな部屋に したいの

 

 

そこには

タワマンと思しき部屋の 窓辺に

大きな観葉植物が オシャレに置かれた

モデルルームの 写真があった

 

ドラ子の新居は

あくまで 鉄骨アパートだけどね

 

窓から見えるのは

別の棟のアパートの壁だけどね

 

 

 

ドラ子は 私に

 

ママ 引越し祝いに

大きな観葉植物 買ってくれる?

 

と言った

 

 

だけど 彼女は

昔 付き合ってた

彼氏と一緒に買った サボテンも

私に押し付けた オンナだ

 

キチンと世話ができる

キャラじゃない

 

 

しかも

写真のように 大きな植物だったら

半年後

そのための 引っ越しトラックを

頼まなくてはいけなくなるかも

 

 

それとも

不要になったら

それも 躊躇なく 捨てていくのか

 

 

 

 

 

私は

ドラ子の説得を 試みた

 

 

半年間

応援要員として 行くってことは

どうせ 若手として

ボロ雑巾のように

こき使われるんでしょ

 

 

えっ そ…そういうこと?

 

意外そうな声を上げる ドラ子に対して

私は 言葉を被せるように

 

 

そうに 決まってるじゃない

 

だからこそ 職場のすぐ隣に

アパート 用意してくれてるのよ

 

植物の世話する 暇なんて

絶対 ないって

 

枯らしたりしたら 木がかわいそうよ

 

畳み込むように 言って

そして 最後に

さり気なく 付け加えた

 

 

ママは

カーテンの色を 気にする余裕も

ないと思うな

 

 

 

 

 

 

結局 ドラ子は

 

ママの部屋に付いている

ベージュのカーテンだったら

持っていっても いいよ

 

と 言った

 

 

持っていっても いいよ

 

という 上から発言は

大いに 引っかかったけど

 

 

ドラ子が カーテンを買うことに

どうしても抵抗があった 私は

 

彼女に ベージュのカーテンを渡し

私の部屋の窓には

新品の ピンクのカーテンを

付けることにした

 

 

 

ちなみに

私の部屋には

 

普通の窓と

横が長い掃き出し窓が ある

 

 

彼女が持っていくのは

普通の窓用だけだけど

 

掃き出し窓用のカーテンも

この際 ピンクに付け替えることにする

 

…よね 普通は

 

 

でも 残念なことに

私の部屋の掃き出し窓は 横幅が広くて

 

母の部屋用に買った カーテンは

幅が足りないのだった

 

 

つまり

 

私の部屋は 半年間

ピンクと ベージュの

2色のカーテンが 下がることになる

 

 

 

 

自分の趣味 とか

センス とか

心地いい とか

お気に入り とか

 

そういう 感性は

今回 完全封印

 

 

でも いい

 

違う意味で 自分の感性は

貫けた