先日上野にいった時のことだ。

せっかく出たのに目的は果たされず少し疲れたのでカフェで休んでいた。

すると70代位の女性が私の顔を見ながら近づいて来た。

「武藤さんですよね❓」と聞かれて、「はい」と答えたが相手の方のことがわからない。

「ちょっとだけご一緒してもいいですか❓」と言いながら誰かを手招きで呼んでいる。

するとその方と同い年位の男性がニコニコしながらやって来る。

「やっぱり武藤さんだった。」と男性に言いながら2人は並んで席に着いた。

それでも何も思い出せない私だ😅


話を聞いてもう30年近く前の依頼人だとわかった。

すごく若く見えるがもう85歳だという。

聞いて思い出したが、あの頃とは別人のようだ。

わからないはずだと自分でも安心した😜

忘れてはいたが私にとっても1回きりの不思議な依頼であった。

時々ブログを書いていることを話してお願いしたら了解を頂けた。


その方をAさんとする。

若い頃は芸者さんをやっていた方でその頃は飲食店で働いていた。

体調不良が続くことと家の中のものがなくなったり、場所が移動することなどがあるから見て欲しいと依頼を受けた。

小さい古いアパートに男性と同居していると言っていたのだが、男性はいない。

部屋は1部屋だけなのだが、同席するはずの男性がいないのだ。

鑑定を始めるとハッキリとAさんの背後と部屋の隅に暗い影があるのがわかる。

体調不良は背後の影が原因だと感じた。

柏手を打って細かいものを祓うと2つの影以外にもいくつかエネルギーがあるのがわかり、その部屋は早く出るべきだと言ったのを覚えている。

光で祓うがすぐに元通りになってしまうと感じたのだと思う。

その時はAさんは引っ越しはしたくなさそうだったことも思い出した。

でも一番驚いたのが、同席するはずの男性について聞いた時だ。

Aさんはキョトンとした感じで、

「あら❓今までいたのにおトイレかしら❓」

と言ったのだ。

今まで同席していたはずだと言いながら、男性についての記憶が何か質問するたびに曖昧になっていく感じなのだ。

Aさん自身にも憑依があり、同居の男性などはいないのだ。

生きていない男性と1年近く暮らしていたことになる。

それらのことをAさんに伝え、お祓いをして終わりにはしたがその後の確認はしなかった。


カフェでAさんと会うまで忘れていた。

あの頃を振り返ると、自分にとってもその依頼は信じ難い現象だったし、Aさん自身の決断にかかっていると思い、できるだけ忘れようとしたことも思い出した。

Aさんによれば、あのアパートは芸者仲間の紹介で借りて自分も若い頃によく遊びに行った部屋で思い入れがあったらしい。

でもあの後すぐに部屋は引き払い、何となく故郷に帰りたくなりそれからは故郷で暮らしていると言っていた。

横の男性は故郷で知り合って結婚した方だという。

今回は東京に2人で遊びに来たらしい。

「もう年も年だから最後の東京かもしれない。武藤さんに会えて嬉しかったわ。」

なんて言いながら楽しそうに2人で笑っていた。

幸せそうだった😊

思わぬ再会で私もなんだか嬉しかった。


帰りの電車の中で、別れ際の2人の笑顔を思い出しながら

「今日はAさんに会うための上野だったんだ。」

と思った。