先日、映画を観に行きました。
実は二回目の観賞です。

映画『みんなの学校』

ご存じの方も大勢いらっしゃるかと思います。


大阪市立大空小学校の2013年の一年を追ったドキュメンタリー映画です。

大空小学校とは、不登校0モンスターペアレンツ0の学校と言われています。
そして特別支援学級がありません。

ここへ通うみんなが学習権を保障される、公立の学校です。


いつからか、風の便りでそういう学校があると聞き、そしてそのドキュメンタリー映画があることは知っていました。

でも普通の映画とは違いますから、映画館に行って見れるわけではありませんし、レンタルに出ているというわけでもなさそうでした。


そしてある日、私たちの市で上映会があるということを知りました。
すぐに飛び付き、観に行きました。



いわゆるインクルーシブ教育を実践されている学校、という印象でした。

支援学級がないわけですから、みんな通常学級に在籍しています。
自閉スペクトラム症も、ADHDも、知的障がいも、同じ一つの教室の中にいます。


校長の木村先生がまた、魅力的でした。
大空小学校が開校してから九年間校長をして、昨年の春に退職されています。


フットワークが軽く、ただ校長室で座ってるなんてことなさそうです。
現場に赴き、話を聞いたり、通称やり直しの部屋である校長室で子どもたちと向き合っています。


この映画では何人かの困っている=支援が必要という子どもが出てきます。
この場合の支援とは、一概に特別支援を要する子どもというわけではないようです。

発達障がい等に関わらず、困っている子どもを周りの大人みんなで支援していく、そういう理念で動いています。

木村先生自身があまり、発達障がいというくくりづけ?みたいなものに納得いってない印象を受けます。
なので、見る人が見たら、あっさりと障がいだとわかったりもするとは思います。

そういう意味では見る人を選ぶ内容かもしれません。
支援級はいらないというようなことを言っているわけですからね。


でも私的にはかなり心にヒットしましたし、いい学校だなと思いました。
木村先生の人柄、職員の方々の熱意、地域の人たちの優しさ…
こんな学校あったらいいなと思いましたよ。


そんなことを感じた一回目の上映会からしばらくして、少し遠くなるけど県内でまた上映会があることを知りました。
しかも今回は木村先生の講演会付き!!

行こう!
と決めて、つい先日行ってきました。


うちから片道約二時間。。。
運転疲れました(´д`|||)


映画は二回目でしたが、やっぱり良かったです。
出てくる人たちがみんな魅力的。

大空小学校はみんなでつくる学校
なんだけど、
本当にみんなでつくっているというのがよくわかる。
誰一人他人事という気持ちで関わってないというのを感じる。


その後、講演会。

「みなさんこんにちは~!!」
という声がして、さっき映画で見たばかりの人が現れました。

わー本物だ!!( ゚д゚)ポカーン
と少しドキドキしました。


木村先生は映画の中と変わらない人柄で、関西人らしいノリで二時間半近く話されました。

出てきた子どもたちの近況やエピソードを話してくださいましたが、ご自身で
「一人につき、一時間はかかるわ~」と楽しそうでした。



大空小学校のやり方は賛否両論かもしれません。
支援級がないわけですから、いわゆる支援を要する子どもたちから奇声が上がったり、立ち歩きがあったり。
教室内はいつも賑やかで定型と呼ばれる子どもたちにとって静かな環境とはとてもいえないです。

こういうのってよく定型のお子さんの保護者からクレームでありそうですよね。
勉強の妨げになる!!ってね。


でもね、木村先生曰く
静かでないわけだから、自ずと自分で集中して学ぼうという姿勢、集中力が育つ
とのこと。


障がいをもつ子が大きく何か変わるわけではない。
変わるのは周りの子どもたちだ。
周りの子どもを変えていく。


この考え方、すごく印象的でした。

周りの子を育てる
周りの子たちは支援を要する子どもたちから多くのことを学ばせてもらっている

まさに、学び合い、なのかなと思いました。






支援級の先生の出している冊子で、




困り感の図式というのを見たことがあります。


困り感というものを

周囲の人の意識
生活環境
障がいの程度

この三つで形成し、直方体の体積で表しています。
そしてそれぞれを0に近づけることで困り感は少しずつ減ると考えます。

障がいの程度は、機能面の不自由さによるので、療育等である程度まで減らせても0に近づけることはやっぱり難しそうです。

一番取り組みやすいのはやっぱり生活環境かなと思います。
環境調整で生きやすくなることって多いですよね。
視覚支援はその最たる例な気がします。
最近はユニバーサルデザインもかなり浸透
してきてますよね。

そして周囲の人の意識、です。
支援者の親や子ども自身のことではなく、周囲の人の意識だから、自分の力でどうにかするのはやはり限度があるし、難しいですよね。
よく聞くことですが、人の気持ちは変えられない、自分が変わるしかない。
そういう言葉もあるくらいですから、容易なことではないし、そもそも理解を求めていいのかすら不安な時もあります。


でも大空小学校の子どもたちは学び合って変わっていくんです。
そして困っている子どもたちとの関係だけにとどまらず、本人自身の学びとなり、成長していく。

どこにでも、偏見、というものはあるのだと思いますが、大空学校にはないのではないでしょうか。
仮にあっても、それがそれ以上育つ土壌がないように思います。

これだけ聞くと、まさに理想的だなと思いませんか。
私は思いました。

そして願わくば、そんなふうに長男の周りの人たちの意識も変わっていくといいなと思います。
大空小学校ほどまではいかずとも、道徳の時間を通じたりして、周囲の子どもたちの理解が進むといいなと思います。




ただ、そうやって困っている子どもと共に過ごすことを定型の子達に強要する、そういうふうに考えるとかなり厳しい面もあるかなとも思います。
難しいニュアンスだと思うんですけど、そういうことと紙一重の世界ではないかと。

木村先生曰く、
静かな環境=立ち歩きを認めない、奇声等がある子は別室、で学んでいた子どもたちは、何も学べることがなく不幸だと言っていました。
そういう環境こそベスト、そう教えられたことが不幸という意味です。

でもそれってどうだろう。
そこまで言うのは、ちょっと過激すぎるなとも思います。

だから、支援級がないのがいいのかというと…それも難しい問題ですよね。
支援級があることで救われている子どもも絶対いると思いますし、現にうちの長男は支援級予定です。

講演会では、支援学校の先生が質問で、支援級や支援学校の存在意義は?と木村先生に詰め寄り笑、先生も困っていました。
でもそれぞれにニーズがあるわけなので、そこは一概には言えませんね。

いろいろな選択肢があることは単純にいいことだと思います。
ただ、大空小学校のような学校が他にあるか知りませんが圧倒的に少数だということですね。


ちなみに…
毎年全国学力調査というテストがあります。
秋田県が一番ということで有名なテストですが、大空小学校の子どもたちも当然ですが、受けています。

支援の要する子どもたちと一緒に日々学んでいる大空小学校の子どもたちのその学力は、主として活用を問い思考力を要するB問題で、秋田を越える結果を出したりしていて、大阪の中で例年かなり高い結果を出しているそうです。

木村先生曰く、
そういう環境だから勉強が出来ない、なんてことないと結果が証明している
とのことでした。





映画の中で、かなり過酷な環境で生きている子どもが出てきます。

彼は、苦しい環境の中で、支援の手を差し伸べられても、決してこの地域から出ていこうとはしなかったそうです。
家を出るということは、大空小学校に行けなくなるということだから。
だから苦しい現状を受け入れていたそうです。

見た感じ本当に苦しそうで、家庭環境のしんどさをありありと感じます。
講演会でもその後のことが気になる子どもNo.1のようでしたし。
でもね、そんな子どもが何よりも望んだのは大空小学校に通い続けること。

そんなふうに思ってもらえるって、どんだけ幸せなのか、はかりしれませんよ。

先生たちや彼を理解している仲間たち、地域の人たち、みんなが彼にとって何よりの支えだったんでしょうね。

地域の小学校ですから、やっぱり
貧困や虐待、発達障がいetc考えられるどんな困り感がある子どもでも入学してきます。
本当は公立の学校こそ、最後の砦であり、その役割は大きいと感じました。


木村先生は退職し、講演活動を始めるようになり、そこで大空小学校のようなやり方は珍しく異端な存在であり、支援の要する子どもたちへの差別等があることを知ったそうです。
本当か??って話ですけども。

それくらい大空小学校でやっていたことは、当たり前のことであって、意識してやっていたわけではないそうです。

そんなことってあるのかなぁ
と疑ってばかりの私は思いますけども( ´~`)


でもそういう人がもっとたくさんいたら、学校って変わるのになと思います。

学校を変えたければ、まず自分が地域の住人として動く!
と木村先生は力説していましたが、受け入れる学校の側の態度によっては、やっぱり難しいよね。
もっとオープンで開かれた場になるといいなと思います。



木村先生のような考え方をもっている人は、どちらかというとマイノリティ、少数派だと思います。
万人受けするのかな~どうかな~
人を選ぶ気もします。
でもとっても魅力的で、個人的には二時間かけて行った甲斐がありました。


もし機会があればぜひ見ていただきたい、ステキな学校のお話でした。