そして翌週の日曜日。クマオとセールに行く。

 

以前の記事にも書いたことがあるが、クマオの買い物は長い。

 

その日もセールとあって、次々と試着してはサイズ合わせを繰り返す。

 

優に2時間以上はかかる。もともと家を出るのが午後1時とか2時。

 

あっという間に夕方になってしまう。

 

その日は、レストランを予約してくれていた(別に私の誕生日だからではない)。

*もともとクマオと私はお互いの誕生日を祝いあうことはなかった。クマオは誕生日を祝う習慣がないと

よく言っていた。そのことについては後日書くつもりです。

 

その予約時刻が迫るが、まだ私の買い物へは移行できていない。

 

やっとクマオの買い物が終わると、もう私には30分弱しか時間が残されていなかった。

 

レディースの売り場に移動すると、クマオはトイレと言ってさっと場を離れた。

 

「え?」 今までそんなことはなかった。いつもこれが可愛い、あれはどうとクマオは甲斐甲斐

 

しくハンガーにかかった洋服を持ってきてくれる。それが私の幸せな時間でもあった。

 

トイレから戻ってくると、「りこちゃん、あんまり時間ないけど決まった?」と聞いてくる。

 

「うん。これにする」。私は試着もそこそこにワンピースを決めた。決めざるを得なかった。

 

買ってもらえるだけありがたいではないか。それにクマオの女はおしゃれには無頓着で、

 

洋服なんて買ってあげないと言っていた(これが後ではまた嘘だとわかる)。

 

そのことを考えると今の自分の立場でそれ以上望むことはできなかった。

 

しかし、やはり何かが変わってしまったこと、その時のその些細な違和感が、

 

一人で過ごす夜にはマンモスのように成長して私を苦しめる。