「ハーッ…」

(あ、また)


この頃の癖。




娘は夕食後の散歩が欠かせません。

それは私の実家に行った時でも。

そんな時、母は、
夜の散歩に行く娘を案じて、
玄関の前に立って娘の帰りを
待ってたそうです。

なぜなら、母自身人一倍
暗い夜道が怖かったから。


その母が、いったい
どんな思いで病院の夜を
過ごしていたんだろう。

父といつも一緒で、
一人の夜が苦手だった母が、
一人で過ごした病室で
どんな思いだったんだろう。



時間が経てば経つほど、
そんなことが浮かんできます。



母の時間の延長はできなかった
かもしれないけれど、

暗闇の不安を
一人の孤独を、

もう少し減らすことができたんじゃ
ないの?

その声が心の中でこだましています。



穏やかな顔だったし、

恨まれてはないと思うし、

勝手な妄想だともわかっているのに、

この問いが頭に浮かんで消えない。


怖かったよね
寂しかったよね、
と尋ねたところで、


母の答えは聞こえない。



私がいつか母に会った時、
聞くしかないこと…。






そしたら、
今日こんな雲!


彩雲というらしい。



幸せの前兆を意味するとか。


「頑張ったね。それで大丈夫。」
そんな風に、
天と宇宙に肯定されている
という意味らしい。




母の答えなんだろうか。



だとしたら、うれしい。