役所から一通の書類が届いた。私宛だ!息子でなくて、私に何のお知らせだろうか?息子が成人してからは役所関係は私宛のものは数少ない。
ふと見ると、差出人の端っこに『高齢福祉課』のハンコが押されているではないか!
(こ、こ、高齢?!)
そうかぁ…もう少しで還暦を迎えるから、それでお知らせが来たのかしらと暫し固まる。還暦と言う言葉は友人とも会話の中で使うため慣れていたが、実際に高齢福祉課から書類が届くとうろたえるものだ。
中を確認したらセカンドライフとしての過ごし方で、いろいろな方面のボランティアへの参加などが載っていた。ボランティアの内容を見ると介護生活でやっている事ばかりなの、違いは相手が身内でなく他人と言う部分かな。
息子に聞いてもらう。「ママさ、もう高齢者になるんだよ。まだ気持ちは四十代なんだけどね!」
そこで一年程前の出来事を思い出した。
昨年、実家に電話した時の事だ。
「老人性ウツになりかけたんだ」と電話口で父が呟いた時、「えっ!?」と思わぬ話に驚き、心配で一気に不安が込み上がった。
「いやぁ…僕がまさかと自分でも驚いたんだけどね、きっかけは米寿の御祝いが役所と仕事先から届いてね、そしたら僕もそんな年になったんだぁと思って…何だか虚しくなっちゃったんだよ」
こう言う時、すぐにでも駆け付けられない状況なのが辛い所…。ただ父がウツから抜け出せたと言うので、どうやったのか聞くとそれはとても父らしい方法で讃美歌を歌ったり聖書を読んだりしたそうだ。
もう今は大丈夫と言っていたが、母の体調が優れないため家事全般もこなしていて、忙しくて好きな読書の時間をなかなかとれないと言っていたのを思い出し、自分の時間がないのじゃないかと気になっていた。
そんなある日、父が牧師さまに読んで頂くために書き溜めた手記を仕上げている話をしたため、私も是非読みたいと伝え、読んだ後にブログにしたらどうかと提案した。しかし電話でブログアップのやり方を伝えるのは難しく、なんやかんやで私のブログに載せる事になった。
父のためと思ってアップしたものの、私の知らなかった事、忘れていた事、そして懐かしい話を読むうちに私自身の心の軌道修正ができた。
多くの方に読んで頂けると言うのが父にとって励みにもなり、あれから中断していたいくつかの手記を再開する事にもなった。あの時は皆さんにイイね!を付けて頂いてありがとうございました。とても有り難く皆さんの優しいお心遣いに感謝しています。
父が年を実感し虚しくなった気持ちは、もうすぐ還暦を迎える今の私は少なからず推し量る事ができるが、やはりその年齢になってみないと分からない心の変化もあるだろう。
昨年は私のブログに父の手記を載せたのだが、今回新たに父のブログを作ってみた。アメブロではなく、フォロワーさんに教えて頂いた違う場で。父が書いて私がアップしての二人三脚、普段何も親孝行できない私のせめてもの償い。
一方、母への親孝行は電話で話をしっかり聞く事かな。母の親しい友人が認知症を患い全く連絡が取れなくなってしまったり、コロナ禍でご近所付き合いもままならない世の中になり、誰かと何気ない話をする機会が減っているようだ。
親孝行と思いながら、実は私の気持ちが楽になっているだけかもしれない、結局は自己満足かしらね。でも離れている今、できる事を地道にやっていこうと思うのである。