私「あっ!ユアンさんっ!」


私は、全身黒色の衣装を身にまとった西洋人の青年を見つけると、彼の胸に飛び込みます。


私「ユアンさんっ!大好きっ!ラブラブ


彼は、私を受け止めて、体を支えてくれます。


お互いの顔を見て、にこーっと笑顔を交わします。


私はいつの間にか、子供がえりしている模様です。



私「ユアンさん、今日はハロウィンでね、共同探索に行くの。」


ユ「うん。知ってる。」


私「それじゃ、連れてって!一緒に楽しもうっ!!」


ユ「しっかりつかまって!」



私はユアンさんに抱きついて、彼の背中に両腕を回してしっかりつかまります。
そのまま、二人して、螺旋を描く様に、くるくると回転しながら上昇し続けます。


そうして、ふゆさんのスペシャルプレイスへの入り口へとたどり着き、二人でツタの絡んだゲートをくぐります。


ふわっと白いもやのかかった空間に飛び出します。


一瞬、全体像が、上空から俯瞰して見て取ることができ、そのまま地上へと着地します。



(事前に見たイラストの時も思ったけど。
 やっぱり、不思議とシンコポに似ているな。)


そうして、地上に降り立つと、振り返ってユアンさんに話しかけます。


背後には、教会みたいな建物が微かに見えています。


私「ねぇ。ユアンさん。今日はハロウィンイベントなんだから。


  仮装とかしないの?ハロウィン


ユ「しんじゅ☆♪こそ、その格好でいいの?」


私「え?いーじゃん、コレ。他の人とかぶらなそうで。

  トリック・オア・トリートって感じでしょ?」



と、言って、両手を広げてちょっと持ち上げます。


私は首だけを出して、体全体の上に大きな白い布をすっぽりと被っていて。


そこに、シンプルな目と口を書き込んだ、お化けの格好をしています。オバケ


ユ「僕は、ホラ。」


と言って、彼はマントを翻してくれました。


いつも、全身黒づくめの格好をしていますが、この日はマントの内側が鮮やかなオレンジ色になっています。


私「お、ハロウィン・カラーね!なるほど。」


あたりは、白い霧に覆われています。


ここが、ふゆさんのスペシャルプレイス「ミステック・ガーデン」


ここで、いろんなイベントが設定されているハズなのですが。



とりあえず二人で手をつないで霧の濃い方向へと歩き出します。


すると、すぐに、水色のドレスを着た、若くて美しい女性の天使にバッタリ出会います。


天使「これをどうぞ。」


と言って、握りこぶし大の水晶の玉をプレゼントされます。


私「あ、ありがとう。」


水晶の玉の中央には、黄色と水色の光が揺らめいていて、まるで水中花の様です。


そうして、再び二人で歩き出します。


私「う~ん、このイベント。こういう順番でよかったっけ?何か、忘れている様な…。
  あ、そうだ、ランタン。」


そう、口に出した途端、私の左手にオレンジ色のかぼちゃ型のランタンが出現し、手元を明るく照らします。
右手はユアンさんと手をつないだまま。


私は黒い杖の様なランタンを片手にご機嫌で白い霧の中を歩き続けます。


すると、またまたバッタリと長い黒髪の天使と出くわします。


瞳は真紅で白い肌に端正な顔立ちの背の高い絶世の美青年。


彼は私を見つけると、笑顔のまま親しみのこもった瞳を輝かして、こちらへ歩み寄ってきます。


ル「やぁ、来てくれたんだね。しんじゅ☆♪さ…」


バシッ!!


ユ「え。」Σ(゚д゚;)


ル「な?」(゚Ω゚;)


私「あ?」(`×´)


気付くと、私の左手は、黒髪の美男子の頭を叩いていました。


右手はユアンさんと手をつないだままで、彼は私の後ろで絶句しています。


ユ「えぇ?」( ̄□ ̄;)


ル「なぜ??」( ̄□ ̄;)!!


私「同族嫌悪?的な?」(  ̄っ ̄)


長い黒髪の絶世の美男子は、ふゆさんのところのルシフェルさんです。


私に頭を突然叩かれた事が心外だとばかりに片手で頭を押さえて驚いています。


ル「そんな…。
  私はここに訪れた者を全て愛したいだけなのに…。」(ノ◇≦。)


私「うっとぉしぃわ!
  いらん。」


ル「ヒド…。」


ユ「すみません、いつもはこんな子じゃないんです。」


ル「じゃ、このガーデンを楽しんでいってね。」


そう言って、ルシフェルさんはそそくさとその場を後にしたのでした。


私は足元に落ちていた、ランタンを再び拾って、ユアンさんと一緒に白い濃霧の中を歩き出します。


ユ「しんじゅ☆♪、どうしたの。」


私「あぁ?つい、な。
  ん?」


前方から、何者かの気配がします。


パタパタと足音が聞こえたかと思ったら、またしても、黄色のドレス姿の若くて美しい女性の天使が飛び出してきました。


天使「お父様ぁ~!ドキドキ


と、言いながら、満面の笑みでこちらへ飛びつこうとしてきます。


私「お父様じゃねぇ~!むかっ


私は、左手で相手のおでこの上に手の平を当てて、行動を阻止します。


女性天使はジタバタしています。


気付けば、私の身長はかなり高くなっており、相手を見下ろしています。


私の意識体は成人男性の姿になっていました。


天使「えぇ~!?お父様、手を離して~!あせる



女性の天使の目を塞いでいたため、私は手を離します。


私は黒髪に黒い瞳の西洋人の男性の姿をしており、ピタッとした黒い革ジャンの様な物を着ています。


かなり背が高く、すらりとした印象ですが、体は鍛えられているようで、胸板も厚く。


髪の毛も短めで男らしい感じなのですが、顔だちは優しげで、水も滴るような美青年という言葉がふさわしい容姿をしています。


自分で言うのもなんですが、すごい色気のある男性です。


(ん?この姿、もしかして、『エル』か?


 成人男性の姿になったのは、初めてかも…。)


普段フォーカス130にいるという、ガイドに会う時、私はこの様な姿になることがあります。


相手は、私に知覚しやすいように、ミカエルさんの姿で接触してくることがあり、私は光り輝く人、と呼んでいます。


この『エル』とは、私のインナーセルフかもしれないなと感じていたのです。
しかし、たいていは子供の姿をしており、最後に知覚した時は、中学生ぐらいの姿で、性別も曖昧だったのですが…。
  


天使「アレ?お父様じゃない…。でも、ちょっと似てる。…素敵ラブラブ!


私「人違いだから。


  ほら、アッチ行った!むっ


天使「えぇ~!?それじゃ、失礼しま~す。汗


なんだか、怪しい雰囲気になりそうだったので、私は彼女を邪険に扱いました。


どこかあどけなさを残した、色気のある美女天使は残念そうに、その場を後にしたのですが。


(なんか、ちょっとヤバい雰囲気だったぞ?


 今日はそういう趣旨じゃないんだから!


 メンドウはごめんだ。


 それに、この調子じゃ、私はともかく、ユアンさんが彼女達に気にいられたりしたら、嫌じゃん。)



いつの間にか、私の姿はローカル1のままの姿に戻っています。


私はその場に立ち止まって、辺りの気配を探りました。


先ほどの天使程の大きな気をいくつか感じます。


私「…つまらん。
  存在感ありすぎ。
  これじゃ、ダンジョン攻略の楽しみが無いじゃん。」


すると、一斉にあたりの気配が消えます。


私「消しすぎもダメだ。違和感があって、ここに居るって言ってるようなもんジャン。


  あ~、飽きた。もう帰ろ?」



ユ「えぇ?今日はふゆさんのイベントに来たんでしょ?


  せめて、もうちょっと、いてあげたら?」


私「ユアンさんがそう言うなら…。


  そうだ!そういえば、レストランがあるとか言ってた!

  そこでウマイもんでも食って帰ろうぜ!」



私たちは最初に降り立った、教会の前に戻ります。


そして、レストランを意識したら、いつの間にか、室内にいました。


すると、ハロウィンらしい、魔女っ娘の格好をした女の子に挨拶をされます。


黒地にオレンジ色の配色のワンピースに黒いとんがり帽子をかぶっていて。


私の格好も、黒地に紫色の配色のワンピース姿で、まるで対になっているようです。


そこで、二言、三言会話をかわしたのですが、ちょっとよく覚えていません。


そして、ユアンさんと一緒にテーブルについて、料理を待ちます。


私の目の前にチョコレートパフェの様な物が出されます。


給仕をしてくれたのは、ミシェルさんの様です。


長いスプーンでパフェをすくって、口に運びます。


パク。


ミ「どうですか?お味は。」


私「…おいしいです。おいしいですよ?でも、これ、うどんですよね。」


ミ「よかった。」(^-^)


私「いや、よくないですよ。

  スイーツだと思ったら、ごはんものなんて、ひそかな悪意を感じますよ。」


ミ「見た目で物事を判断しちゃ、ダメです。」(^-^)


私「いや、今、煙に巻こうとしましたよね?


  そんな優しそうな笑顔で論点をあっさり変えましたよね?


 
  そう言えば、ミシェルさんに会うのも久しぶりですね。


  昨年はイレブン・スター☆の度に、出店をしていただいて。


  お世話になりました。ありがとうございます。」


ミ「いえ、どういたしまして。


  あなたはお礼を言うのが遅いんですよ。」(^-^)



私「あ、本当にそうだ。ごめんなさい。あせる


  どうぞ、ルリカさんや、はるんちゃんにも、よろしくお伝えください。」



そうして、パフェ風うどんを平らげた私は。


私「ゲフーッ!さ、食ったし、帰るか!」べーっだ!



ユ「え?もうちょっとふゆさんとお話とかしたら?」


私「ユアンさんは、優しいなぁ。


  今、彼女いないし。


  もう一度、探索に向かうか!


  後で体験報告でもすりゃ、オッケーよ!」


ユ「そ、そう?」汗



再び、教会の外に向かうのですが。


なんか複雑な作りになっていて、延々石造りの建物の中を歩き続けています。


私「なぁ。なんかハロウィンっぽくないな。

  もうちょっと、なんかお化けとか悪魔とか出てきてもいいんじゃね?オバケ


ユ「ハロウィンの意味分かって言ってる?」


私「わぁってるって!アレだろ?ホラー雑誌だろ?


  霊能者寺尾玲子さんの漫画も読んでたぞ!」


ユ「やっぱり意味分かってないよね…。」


私「アレだろ?地獄の釜が開く奴。


  ほら幽霊とか、使い魔とか。


  なんか、動物が出てきてもいいんじゃね?」カエルとかげ


すると、視界の端になにやら茶色いものが見えます。


私「あ!稲荷ちゃんだ!こんな所にも来れるんだ!ラブラブ


いつの間にか、小さな子狐が側にいました。


普段は見えなくて、スーパーで買い物するときなんかに自己主張してくる、可愛い奴です。


私「わぁ~○○ちゃん!みーっけ!」(注:稲荷ちゃんの本名と思われる。なんとなく伏字)


私はおもむろに子狐を捕まえて、撫でくりまわしました。


両手の中にいる子狐は手足をジタバタさせて叫びました。



稲荷「やめろ。好き勝手するな!」


私「うわぁ~、○○ちゃん、しゃべれるんだっ!さすが、フォーカスエリア。


  そういえば、稲荷ちゃんも神様だもんね~。」


私の手の平から飛び出した子狐は、ヒョイと床に着地をすると。


稲荷「俺をバカにするな。」


ポムッ!と、一瞬白い煙が上がったかと思ったら。


子狐の姿が、成長した狐の姿に変わりました。


私の知覚では、狐色の毛皮の大人の狐の姿に見えています。



私「うわぁ~。ごめんね。
  そうだよね。齢ウン百年の白狐の稲荷だもんね。
  私より、ずっと年上なのに、子供扱いしてゴメン…。」汗


と、一瞬しおらしくなった私を見て、稲荷ちゃんは油断した様でした。
  
すかさず、私は稲荷ちゃんに背中から両手を回して抱きつきます。


私「甘いわっ!!
  何の為に、いままでエサをやって来たと思っている!(←ヒド…。)


  隙あらば、撫でくりまわして、可愛がりたいからに決まっているだろうがっ!


  こんなわんこサイズになった所で、抱き心地が良くなっただけの事!」


稲荷「俺は犬じゃないっ!」しっぽフリフリ


私「そんなこと言った所で、離すものかっ!!


  あぁっ!!
  おひげピンピンでかーわーいーいー!!ドキドキ


稲荷「こらっ!懐くなっ!!むかっ


   俺にこんな扱いをした人間は初めてだっ!!
   離せっ!!」


私は稲荷ちゃんに抱きついて、思いっきりほおずりをしていたら。


ド・ドンッ!と家の側で大型トラックが通る時に大きな音がしたものですから、そちらへ意識が引っ張られ。


いつの間にか、ローカル1に戻ってしまいました。

おしまい。



…いろいろ羽目を外してしまいました。


ごめんなさい。ガーン


稲荷ちゃんには、嫌われたかな~と思いましたが。
とりあえず、まだ居てくれているようです。汗