日本の精神疾患の患者数 | kyupinの日記 気が向けば更新

日本の精神疾患の患者数

日本の精神疾患の患者数だが、医療機関にかかっている数は平成20年の資料で323万3000人である。これは入院患者と外来患者の和で、医療機関にかかっていない人は含まれない。医療機関にかからない人の正確な数は予測が難しい。

平成20年の精神疾患の患者数
入院=33万3000人
外来=290万人


精神疾患の外来患者(290万人)の疾患別内訳だが、多い順に、(平成20年)

①気分(感情)障害(躁うつ病も含む) 
   101万2000人
②統合失調症、統合失調症型障害及び妄想型障害
   60万8000人
③神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害
   58万4000人
④てんかん
   21万2000人
⑤アルツハイマー病
   20万7000人
⑥その他の精神及び行動の障害
   15万人
⑦血管性及び詳細不明の認知症
   9万9000人
⑧精神物質使用による精神及び行動の障害
   5万2000人


⑤アルツハイマー病と⑦血管性認知症及び詳細不明の認知症は分けず、認知症とすべきと思うが、そうすれば30万を超える数になる。

この中で特に増加率が高いものは、⑤アルツハイマー病と⑥その他の精神及び行動の障害の2つである。①気分障害の増加率はこの3年(17年から20年)で1割り増し程度で増加傾向といえる。②統合失調症の外来患者数もここ3年で5万人(1割)くらい増加している(17年55万8000人⇒60万8000人)。

実は同期間の統合失調症の入院患者数は大幅に減少しており、その減少数は11万2000人である。

これはいくつかの理由があるが、入院患者さんが共同住居やアパートに退院して外来患者さんに変化したのが1つ。あと、慢性期の統合失調症の入院患者さんは高齢化が著しく、亡くなっている人も少なからずいる。若い統合失調症の患者さんは増えていないように思われる上、薬が良くなったこともあり軽症化が進み、長期間の入院が減少したことも外来患者数が増えた一因であろう。

統合失調症の患者さんはある程度年齢がいけば、「入院したことなど一度もない」という人はほとんどいない。しかし気分障害の人々は入院したことがない人はざらにいる。ただし気分障害の場合、一般内科で入院歴がある人が結構いるのも事実である。これは精神病院への偏見によるものも大きい。

さて、現在の疾患別の精神科入院患者数であるが、平成20年の総入院患者数が約30万7000人。(上の資料と数が異なるのは謎。ひょっとして、気分障害の内科入院患者数を上は含めているのかもしれない。その理由は患者調査のため)多い順に、

①統合失調症、統合失調症型障害及び妄想型障害
   18万5300人
②血管性及び詳細不明の認知症
   2万8800人
③気分(感情)障害(躁うつ病も含む)
   2万4900人
④アルツハイマー病
   2万2700人
⑤精神物質使用による精神及び行動の障害
   1万3000人
⑥その他の精神及び行動の障害
   1万1700人
⑦精神遅滞(知的発達障害)
    6900人
⑧神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害
    3700人
⑨てんかん
    2400人
⑩その他
    7300人


統合失調症の入院患者数は減少傾向にあるとはいえ、3分の2近くを占めている。やはり一般には精神病院の入院ベッドは統合失調症の患者さんのためにあるといった感じである。

将来的には、認知症の患者さんが増加すると思われる。気分障害の短期入院も相対的にはある程度は増えると思われるが、10年単位でみると認知症系の増加率に及ばない。むしろ外来数の増加に比べ入院数は増えていない印象である。

過去ログで、精神病院は知的発達障害の人ばかりではないかと言う意見があったが、もちろん誤りである。知的発達障害の人は周囲の人とやっていけないような酷い精神症状を伴わない限り、施設か自宅で生活していることが多い。知的発達障害を受け入れられる施設はかなり多いこともある。

参考
死にゆく精神病院
統合失調症は減少しているのか?