試験外泊すらできない人
しかし退院は可能。
こういう人がいる。なぜ外泊ができないかと言うと、外泊させたが最後、もう病院に帰っては来ないから。入院形態はもちろん医療保護入院である。
このタイプは、躁うつ病、非定型精神病、分裂感情障害(統合失調症感情障害)の躁状態で、洞察が全くできず、家族も本人のコントロールができない人がそうなりやすい。
実は、このような人で1名、エントリを3つくらいに分けてアップしようかと思ったが、面倒なのでやめた。だから今回は簡略した内容である。ジャンルは内容的に「オカルト」に入れることにした。
全く診断ができない心療内科クリニック?からの紹介で、最初、入院を依頼され簡単な内容のファックスが来た。その文面では「統合失調症が疑われる」という話だったが、本人を診る前から、全く統合失調症ではなかった。
名前からして、全然、統合失調症じゃない!
こんな風に言うと、外来婦長さん、一瞬ポカンとし、急に笑いだした。
名前でわかるんですか?
と聞くので、
しかしこんな風に思うのも珍しい。名前で何かを思うなんて、最近はなかったのに・・
そしてまもなく本人が初診。診察室に入り診察したが、そのやり取りを婦長もずっと見ていた。その後、ケースワーカーが入院手続きをし医療保護入院。婦長は、
先生の言う通り、本当に統合失調症じゃないみたいですね。
と言うので「婦長さんにもわかるくらいなんだ・・」と思った。そうだとすると、あのクリニックの院長は悲惨なレベルである。(うちの他のドクターも別件で激怒)
彼女は躁うつ病の1型だったのである。しかもプレコックス感もなく、幻聴、被害妄想などの迷う所見もなく、ただ興奮して暴れているだけだった。だいたいプレコックス感以前に、診察時の会話の様子が、統合失調症とは到底いえないから、婦長にもわかったんだと思う。
統合失調症と躁うつ病は同じ内因性精神病だが、大変な相違である。
彼女は入院後10日くらいは興奮が酷い状態だった。しかし、セロクエルやセレネース、特にリーマスが非常に有効で、しばらくして「借りてきた猫」程度に大人しくなった。
リーマスが奏功し薬の忍容性の高い躁うつ病の人は、治療者は非常に助かる。
この人は「退院したい、退院したい」の連続だったので、試験外泊さえ無理だった。借りてきた猫になっても、家に帰ったら戻ってきそうにないので、外泊は封印。
外泊したまま退院になった場合、精神病院の敷居が高くなり、その後の通院も不十分になるのも凶である。つまり、治療が中途半端な状態で退院するのは長期予後を悪くする。特に初回入院ではなおさらである。
しばらく病院に滞在させ、外泊なしで退院させた。それでも入院期間は30~40日くらいと思う。治療のありさまは、中の人が入れ替わったような鮮やかさである。
穏やかになった後、全くうつ転する気配がなかった。これはリーマスとリリカ、セロクエルをメインで治療をしたことも関係があるかもしれないが、本人の病型もたぶん無関係ではない。躁状態後にうつ転が生じない人は、入院期間がずっと短くなる。
彼女が猫になって以降、診察は生活指導と服薬指導をメインに行った。躁うつ病は普通はかなりの長期に服薬が必要だが、彼女に限れば、将来、服薬も中止できそうな感じなのである。
統合失調症にも挿間性エピソードがあるように(ただしこのような人は真の統合失調症とは診断しない)、躁うつ病にもそういう人がいる。
退院を決める少し前に僕はこんな風に言った。
退院した後、きちんと僕が言うとおり外来通院し薬も飲むなら、退院させてやらないこともない・・
この話は受け入れられ示談が成立した。
彼女は入院直前、育児など到底無理であったが、今は大丈夫である。
参考
名前と精神疾患
こういう人がいる。なぜ外泊ができないかと言うと、外泊させたが最後、もう病院に帰っては来ないから。入院形態はもちろん医療保護入院である。
このタイプは、躁うつ病、非定型精神病、分裂感情障害(統合失調症感情障害)の躁状態で、洞察が全くできず、家族も本人のコントロールができない人がそうなりやすい。
実は、このような人で1名、エントリを3つくらいに分けてアップしようかと思ったが、面倒なのでやめた。だから今回は簡略した内容である。ジャンルは内容的に「オカルト」に入れることにした。
全く診断ができない心療内科クリニック?からの紹介で、最初、入院を依頼され簡単な内容のファックスが来た。その文面では「統合失調症が疑われる」という話だったが、本人を診る前から、全く統合失調症ではなかった。
名前からして、全然、統合失調症じゃない!
こんな風に言うと、外来婦長さん、一瞬ポカンとし、急に笑いだした。
名前でわかるんですか?
と聞くので、
しかしこんな風に思うのも珍しい。名前で何かを思うなんて、最近はなかったのに・・
そしてまもなく本人が初診。診察室に入り診察したが、そのやり取りを婦長もずっと見ていた。その後、ケースワーカーが入院手続きをし医療保護入院。婦長は、
先生の言う通り、本当に統合失調症じゃないみたいですね。
と言うので「婦長さんにもわかるくらいなんだ・・」と思った。そうだとすると、あのクリニックの院長は悲惨なレベルである。(うちの他のドクターも別件で激怒)
彼女は躁うつ病の1型だったのである。しかもプレコックス感もなく、幻聴、被害妄想などの迷う所見もなく、ただ興奮して暴れているだけだった。だいたいプレコックス感以前に、診察時の会話の様子が、統合失調症とは到底いえないから、婦長にもわかったんだと思う。
統合失調症と躁うつ病は同じ内因性精神病だが、大変な相違である。
彼女は入院後10日くらいは興奮が酷い状態だった。しかし、セロクエルやセレネース、特にリーマスが非常に有効で、しばらくして「借りてきた猫」程度に大人しくなった。
リーマスが奏功し薬の忍容性の高い躁うつ病の人は、治療者は非常に助かる。
この人は「退院したい、退院したい」の連続だったので、試験外泊さえ無理だった。借りてきた猫になっても、家に帰ったら戻ってきそうにないので、外泊は封印。
外泊したまま退院になった場合、精神病院の敷居が高くなり、その後の通院も不十分になるのも凶である。つまり、治療が中途半端な状態で退院するのは長期予後を悪くする。特に初回入院ではなおさらである。
しばらく病院に滞在させ、外泊なしで退院させた。それでも入院期間は30~40日くらいと思う。治療のありさまは、中の人が入れ替わったような鮮やかさである。
穏やかになった後、全くうつ転する気配がなかった。これはリーマスとリリカ、セロクエルをメインで治療をしたことも関係があるかもしれないが、本人の病型もたぶん無関係ではない。躁状態後にうつ転が生じない人は、入院期間がずっと短くなる。
彼女が猫になって以降、診察は生活指導と服薬指導をメインに行った。躁うつ病は普通はかなりの長期に服薬が必要だが、彼女に限れば、将来、服薬も中止できそうな感じなのである。
統合失調症にも挿間性エピソードがあるように(ただしこのような人は真の統合失調症とは診断しない)、躁うつ病にもそういう人がいる。
退院を決める少し前に僕はこんな風に言った。
退院した後、きちんと僕が言うとおり外来通院し薬も飲むなら、退院させてやらないこともない・・
この話は受け入れられ示談が成立した。
彼女は入院直前、育児など到底無理であったが、今は大丈夫である。
参考
名前と精神疾患