向精神薬には処方難易度の相違がある
精神科医から見ると、処方をする側の薬の「難易度の相違」があるといわざるを得ない。このようなことは過去ログで時々出てくるので、ずっとこのブログを読んでいる人はわかると思う。
比較的新しい薬物では、ルーラン、エビリファイ、トピナ、ラミクタールは難しいと思う。
一方、てんかんや双極性障害に使われるデパケンR、リボトリールなどは処方し易い薬物である。
非定型抗精神病薬6剤のなかでは、リスパダール、ジプレキサ、セロクエルは敷居が低いというか、処方する側から見ると、一見、難易度が低い薬物である。
とりあえず、処方することができる。
という安易さがあるが、この3剤は奥行きがあるので、単に処方し易いと言う表面的なものだけでは片付けられない。
処方される薬物には、効果、副作用があり、またそれが時間の推移によって変化していくからである。当初は易しかったのに、次第に迷宮、つまり難しい局面に入り込むこともある。
リスパダールは経験年数の少ない医師でも扱いやすい薬物である。リスパダールは幻覚妄想を直線的に抑え込めるが、治療の経過で種々の副作用や治療推移の問題点もあるので、真の意味で易しいとはいえない。またリスパダールを大量に使って、なお幻覚妄想が抑えこめないことも珍しくはない。その際に撤退に困ることもあるのである。
リスパダールを処方する際は、それなりの覚悟で望むべきである。
その点で、まずリスパダールを使わない治療を模索することは精神科医としてスキルを上げる側面があると思う(決して使うなと言う意味ではない。リスパダールコンスタは優れていると言う記事もある)。
リスパダールが責任回避の薬物であってはならない。
ジプレキサも一見わかりやすい薬だが、精神状態によれば初期でも重大な影響があるので、注意すべき薬物である(参考1、参考2)。
セロクエルは穏和な薬物で広く適応外処方で使われているが、これは難易度が低い薬物であることを示していると思う。セロクエルはパワーがないので、悪化するにしても概ね限界のようなものがあり、その点でまだ安全性が高い方だと思う。
一方、非定型でもルーラン、エビリファイの2剤は難しい薬物である。(気分安定化薬のトピナやラミクタールも同様)
これらは潜在的失敗率が高く、ゴルフで言う「スイートポイント」が狭い薬なのである。これらは当たった時にはもちろん飛距離が伸びるし着地点も正確である。エビリファイが嫌いとか、扱えない精神科医は精神疾患の治療域や寛解限界が狭いと思う。
現代社会では、精神科医の成熟の目安は、非定型6剤のうちエビリファイを柔軟に使いこなせるかどうかだと思う。
まず、エビリファイをトレーニングすべきである。
器質性の時代では、リスパダールとジプレキサはやや欠点が多い薬物だと思われる。絶対使ってはならないとまではいえないが。
また、非定型抗精神病薬のエビリファイ、ルーラン、ロナセンは今の精神医療にマッチした抗精神病薬と思われる。今の新しい疾患群にはピンポイント系でしかも、軽い薬が相応しいのである。
その点で、この3剤は親戚同士といった感じである。エビリファイとルーランは血縁が深く、ルーランが兄ちゃんで、エビリファイが弟である。エビリファイはやんちゃな性格なので、やや扱いづらいが、破天荒な一面も持っており大物である。ロナセンはこの2人の従兄弟といったところだ。
非定型6剤のうち、セロクエルはそれら2群の中間に位置する。
これはむしろ補助的に使っていた方が良い人をしばしば見る。
参考
短期決戦に構える
非定型抗精神病薬の病状悪化率
比較的新しい薬物では、ルーラン、エビリファイ、トピナ、ラミクタールは難しいと思う。
一方、てんかんや双極性障害に使われるデパケンR、リボトリールなどは処方し易い薬物である。
非定型抗精神病薬6剤のなかでは、リスパダール、ジプレキサ、セロクエルは敷居が低いというか、処方する側から見ると、一見、難易度が低い薬物である。
とりあえず、処方することができる。
という安易さがあるが、この3剤は奥行きがあるので、単に処方し易いと言う表面的なものだけでは片付けられない。
処方される薬物には、効果、副作用があり、またそれが時間の推移によって変化していくからである。当初は易しかったのに、次第に迷宮、つまり難しい局面に入り込むこともある。
リスパダールは経験年数の少ない医師でも扱いやすい薬物である。リスパダールは幻覚妄想を直線的に抑え込めるが、治療の経過で種々の副作用や治療推移の問題点もあるので、真の意味で易しいとはいえない。またリスパダールを大量に使って、なお幻覚妄想が抑えこめないことも珍しくはない。その際に撤退に困ることもあるのである。
リスパダールを処方する際は、それなりの覚悟で望むべきである。
その点で、まずリスパダールを使わない治療を模索することは精神科医としてスキルを上げる側面があると思う(決して使うなと言う意味ではない。リスパダールコンスタは優れていると言う記事もある)。
リスパダールが責任回避の薬物であってはならない。
ジプレキサも一見わかりやすい薬だが、精神状態によれば初期でも重大な影響があるので、注意すべき薬物である(参考1、参考2)。
セロクエルは穏和な薬物で広く適応外処方で使われているが、これは難易度が低い薬物であることを示していると思う。セロクエルはパワーがないので、悪化するにしても概ね限界のようなものがあり、その点でまだ安全性が高い方だと思う。
一方、非定型でもルーラン、エビリファイの2剤は難しい薬物である。(気分安定化薬のトピナやラミクタールも同様)
これらは潜在的失敗率が高く、ゴルフで言う「スイートポイント」が狭い薬なのである。これらは当たった時にはもちろん飛距離が伸びるし着地点も正確である。エビリファイが嫌いとか、扱えない精神科医は精神疾患の治療域や寛解限界が狭いと思う。
現代社会では、精神科医の成熟の目安は、非定型6剤のうちエビリファイを柔軟に使いこなせるかどうかだと思う。
まず、エビリファイをトレーニングすべきである。
器質性の時代では、リスパダールとジプレキサはやや欠点が多い薬物だと思われる。絶対使ってはならないとまではいえないが。
また、非定型抗精神病薬のエビリファイ、ルーラン、ロナセンは今の精神医療にマッチした抗精神病薬と思われる。今の新しい疾患群にはピンポイント系でしかも、軽い薬が相応しいのである。
その点で、この3剤は親戚同士といった感じである。エビリファイとルーランは血縁が深く、ルーランが兄ちゃんで、エビリファイが弟である。エビリファイはやんちゃな性格なので、やや扱いづらいが、破天荒な一面も持っており大物である。ロナセンはこの2人の従兄弟といったところだ。
非定型6剤のうち、セロクエルはそれら2群の中間に位置する。
これはむしろ補助的に使っていた方が良い人をしばしば見る。
参考
短期決戦に構える
非定型抗精神病薬の病状悪化率