30%の希死念慮とは
僕は初診時に希死念慮が強い人にはSSRIは処方しないことにしている。別に必ず悪いとは思わないが、自分なりに悪い結果にならないように考えてそうしているのである。まあこれは僕の心の問題。
いつか「希死念慮の謎」のエントリで、このような患者さんには、ルジオミール、アンプリット、ノリトレンのいずれかが良いのではないかと書いた事がある。SSRIでなければ、他の3環系、4環系でも良いかもしれないとは思う。
前回、「1回躁転してみる?」で紹介した女性患者さんはアンプリット150mgまで処方してずいぶん落ち着いた。ある日、彼女に今の希死念慮はどのくらい残っていますか?と聞いてみた。彼女は、
30%くらい残っています・・
と答えたので、「それはまだまだ大変ですね」、などと言ったら、彼女は急に笑い出して、「30%の希死念慮なんて、全然苦痛にならない」と言ったのである。
ふーん・・そういうものなのか・・
と思った。ごく最近の彼女は以前にも増してニコニコしているので、また同じ質問をしてみた。
なんと、今、希死念慮はほとんどないんだと言う。こういう風に見ていくと、薬が効くとは言え、やはり少し浸透する時間が必要なんだと思う。僕はアンプリットは最終的に75mgくらいで良いのではないかと思っている。
彼女に今のアンプリットの副作用を聞いてみたら、ちょっと口渇と便秘がある程度でほとんどないのだと言う。体重は全然増えていないらしい。
僕の脳内ランキングではアンプリットは極めて体重増加の少ない3環系に入っている。
この体重だけど、僕が診察する人はダイエットがうまいのか、あるいはあまり過食みたいな症状がないのか、ジプレキサでさえ外来レベルだと増える人がほとんどいない。ジプレキサの場合、全く増えないか、いきなり1~2kg増えてそれで止まってしまう人が圧倒的に多い。ジプレキサで10kg以上太った人なんて聞いた事がない。これは処方の量が比較的少ない(2.5~7.5mg程度)とは言え、ちょっと謎なことである。
アンプリットの話に戻るが、最近もう1名、男性患者さんで希死念慮が強い人にアンプリットを使った人がいる。彼はインテリの人であったが、もうずいぶん長く希死念慮と一緒に生活していたという。
アンプリットをいきなり選んだのは、ルジオミールだと眠くて仕事に支障を来たすように思ったからだ。アンプリットはルジオミールに比べると眠さの面で服用しやすい薬である。彼によれば、アンプリットは口が少し渇くが飲みやすい薬だと話していた。
50mgくらいからスタートして100mgくらいに増量した時、抑うつ気分がかなり改善してきて、見た目にもリラックスして来ていたので、今の希死念慮は治療前と比べどの程度か尋ねた。
だいたい20~30%くらいですね・・
彼も彼女と同じような返事だったのである。
また彼にその30%の苦痛の程度みたいなものも聞いてみたら、やはり30%になると相当に楽という。最初とは大違いと言うのである。今は150mgにしたばかりで、もう少し良くなっていると表情の範囲では思っている。
彼も口渇は訴えているが、体重は全然増えていない。アンプリットの体重増加の少なさは、あまり周知されていないことなのかもしれないと思った。
アンプリットはパキシルから変更した時、なぜか「パキシルより副作用が少ない」などと言われる薬で、実際、パキシル時代より便秘が改善した人すらいた。これはパキシルを変更しようと思った時点で、パキシルが合っていない人が多いからもあると思う。
あと、アンプリットは頻脈傾向にはなるようである。ノルアドレナリン系に作用するのでこれは仕方がない。上の2名の患者さんがアンプリットで何なく改善したのは、うちの病院が初診であり、今まで全く精神科治療を受けたことがなかったのも大きいと思う。
いつか「希死念慮の謎」のエントリで、このような患者さんには、ルジオミール、アンプリット、ノリトレンのいずれかが良いのではないかと書いた事がある。SSRIでなければ、他の3環系、4環系でも良いかもしれないとは思う。
前回、「1回躁転してみる?」で紹介した女性患者さんはアンプリット150mgまで処方してずいぶん落ち着いた。ある日、彼女に今の希死念慮はどのくらい残っていますか?と聞いてみた。彼女は、
30%くらい残っています・・
と答えたので、「それはまだまだ大変ですね」、などと言ったら、彼女は急に笑い出して、「30%の希死念慮なんて、全然苦痛にならない」と言ったのである。
ふーん・・そういうものなのか・・
と思った。ごく最近の彼女は以前にも増してニコニコしているので、また同じ質問をしてみた。
なんと、今、希死念慮はほとんどないんだと言う。こういう風に見ていくと、薬が効くとは言え、やはり少し浸透する時間が必要なんだと思う。僕はアンプリットは最終的に75mgくらいで良いのではないかと思っている。
彼女に今のアンプリットの副作用を聞いてみたら、ちょっと口渇と便秘がある程度でほとんどないのだと言う。体重は全然増えていないらしい。
僕の脳内ランキングではアンプリットは極めて体重増加の少ない3環系に入っている。
この体重だけど、僕が診察する人はダイエットがうまいのか、あるいはあまり過食みたいな症状がないのか、ジプレキサでさえ外来レベルだと増える人がほとんどいない。ジプレキサの場合、全く増えないか、いきなり1~2kg増えてそれで止まってしまう人が圧倒的に多い。ジプレキサで10kg以上太った人なんて聞いた事がない。これは処方の量が比較的少ない(2.5~7.5mg程度)とは言え、ちょっと謎なことである。
アンプリットの話に戻るが、最近もう1名、男性患者さんで希死念慮が強い人にアンプリットを使った人がいる。彼はインテリの人であったが、もうずいぶん長く希死念慮と一緒に生活していたという。
アンプリットをいきなり選んだのは、ルジオミールだと眠くて仕事に支障を来たすように思ったからだ。アンプリットはルジオミールに比べると眠さの面で服用しやすい薬である。彼によれば、アンプリットは口が少し渇くが飲みやすい薬だと話していた。
50mgくらいからスタートして100mgくらいに増量した時、抑うつ気分がかなり改善してきて、見た目にもリラックスして来ていたので、今の希死念慮は治療前と比べどの程度か尋ねた。
だいたい20~30%くらいですね・・
彼も彼女と同じような返事だったのである。
また彼にその30%の苦痛の程度みたいなものも聞いてみたら、やはり30%になると相当に楽という。最初とは大違いと言うのである。今は150mgにしたばかりで、もう少し良くなっていると表情の範囲では思っている。
彼も口渇は訴えているが、体重は全然増えていない。アンプリットの体重増加の少なさは、あまり周知されていないことなのかもしれないと思った。
アンプリットはパキシルから変更した時、なぜか「パキシルより副作用が少ない」などと言われる薬で、実際、パキシル時代より便秘が改善した人すらいた。これはパキシルを変更しようと思った時点で、パキシルが合っていない人が多いからもあると思う。
あと、アンプリットは頻脈傾向にはなるようである。ノルアドレナリン系に作用するのでこれは仕方がない。上の2名の患者さんがアンプリットで何なく改善したのは、うちの病院が初診であり、今まで全く精神科治療を受けたことがなかったのも大きいと思う。