新婚でうつ病の人 | kyupinの日記 気が向けば更新

新婚でうつ病の人

何年か前に「うつ状態」で初診した新婚の女性がいた。こちらに転居してきて友人もできず話相手もいない。毎日、泣いていたという。初診時、「内因性うつ病」と思った。環境の変化によるいわゆる「引越しうつ病」なのであるが、このように抑うつ、悲哀感が強く、自責的な患者さんは僕は広く内因性うつ病に含めている。

ちょっと思ったのだが、新婚みたいなおめでたい時でも「引越しうつ病」はあるんだね。この人の場合、引越しなどの環境の変化のストレスが喜ばしさを超えていたのである。

彼女はパキシルだけで治療した。順調に回復しそのうち普通に生活できるようになった。彼女の場合、一時は30mgまで処方したが、やがてパキシル10mgだけで安定した。睡眠薬は必要なかった。

やがて僕はパキシルを止めても良いかも?と思うようになった。なぜかというと、必要かどうかすらわからないパキシルを服用し続けるなら、いつまで経っても子供が作れない。まあ作っても良いけど、パキシルはそれなりにリスクがあるから。

結局、僕はパキシル中止を提案した。もちろん発病の経緯と妊娠、出産のリスクを総合してその方が良いと思ったこともある。ひとつは、引っ越してきてかなり経っており、しかも全く問題がないほどの寛解状態であったことが大きい。中止する前10mgがスタートなので、5mg、2.5mgといった感じで漸減。パキシルを終了しても、2~3ヶ月は1ヶ月ごとに再診してもらった。

個人的な希望としてはパキシル10mgの時点で、いつのまにか来院しなくなってしまった、というのが良かった。それなら自然消滅で、手間が省けるし。(これはO型的発想)

なんというか、彼女、わりあい真面目なんだな。真面目な人が内因性うつ病になりやすいというのもあるけど。

その女性患者さんは、治療終了してずっと良かったのであるが、ごく最近、久しぶりに再診していることを発見。僕がお休みの時に再診し副院長が診ていたようだ。

パキシル再開。

う~ん、こういうのが内因性うつ病なんだよな~やはり「うつ」になるような脳の脆弱性があるというか・・まあ良いじゃない。長い期間、薬なしで済んだわけだし。(これもO型的発想)

どうみても、「キング・オブ・雑」なのである。

しかし、現代社会ではどうせ服用するなら、パキシルよりジェイゾロフトの方が良いと思われる。理由は、パキシルよりジェイゾロフトの方が催奇形性のリスクが低いとされているから。

こういう風な経過で、ドラッグなしの時に、ドサクサにまぎれて子供ができてしまうのが最高なんだけど。(最後までO型)

参考
向精神薬と妊娠
ジェイゾロフト