リーマスとボーダーライン | kyupinの日記 気が向けば更新

リーマスとボーダーライン

大学の研修医時代に、僕の1年先輩があるボーダーラインの患者さんを受け持っていた。まだ若くて(19歳くらい)、きれいな人だったので病棟で目立っていたのである。僕は1度も話す機会はなかった。

思えば、研修医と言うのは受け持ち患者が少ない。僕は大学ではいつも3人くらいしか持っていなかったような気がする。1名が神経性食思不振症の若い女性、もう1名が統合失調症の若い男性患者。もう1人が周期性傾眠症のオバさんだった。これは少しずつ入れ替わって行くが、一度、食障害の患者を持つと、またまかされてしまう。まさに悲惨。研修医1~2年目には荷が重過ぎるのである。

今は、食障害がメインの患者さんをあまり診ていないが、かなり重い人が1名だけいる。この人は基本はボーダーラインなんだと思う。食障害の仮面をかぶっているだけ。こういう患者は、僕はいかにも苦手っぽいんだけど、なんだかここ2年くらいでかなり良くなったので、少しだけ喜んだ。

何が書きたかったというと、その先輩のボーダーラインの子の処方がリーマスだけだったこと。ボーダーラインは、薬がターゲットに当たらない感じなので、油断するととてつもない多剤併用になってしまうのである。それに対し、彼女はリーマスだけでいやに良くなっているので、当時はちょっと変に思った。ひょっとしたら、あれは双極性障害だったかもしれない。

症例検討会では、教授がひょっとしたら統合失調症と診断するかもしれないと言う事前の予想があった。神クラスの診断学なので、そういう診断ならそうなのである。

結果は、あっさり境界型人格障害。

ふーんそんなものか・・というより、ちょっとビックリ。なぜなら境界型人格障害の診断は当時あまり出なかったから。それでも、僕は、もし双極性障害なら間違えるわけがないと思う。

あの子は、真にボーダーラインだったのか?
今でも疑問なのである。