家族会
読者のsetsukonetさんから、うちの病院に家族会があるのか質問があった。
答え「ないです」
いまどき、家族会がないような病院は、どちらかというと悪い病院なんだろうと思う。僕がうちの病院に来た時、まだ家族会なるものがなかった。うちの病院は単科精神科病院にしてはベッド数が少なく、小さい規模の精神科病院のカテゴリーに入る。デイケアは1日平均20~25人ほどが参加している。また訪問看護も行っている。OTの1日の参加者はだいたい40~60名ほどだ。もう5年ほど前だが、院内でのクリスマス会を実施した際、入院患者の家族に招待状を出した。参加者には、うちの病院食(昼食)も一緒に食べてもらったのである。
その時思ったことだが、もう長く入院してい人たちは、家族の老齢化が進んでおり、あるいは世代も変わっていて、家族を集めてもたいした人数が集まらないであろうこと。以前勤めていた病院は規模が大きかったこともあり、年に1度くらい家族会を催すとかなりの人数が集まった。啓蒙のために僕も何度か講義をしていた。現在のうちの病院に関して言えば、いまさら家族会を始めても、規模的にやる意味がないように思われた。
それと、現代社会では小規模の病院では特に、家族会を開催しても若い患者さんの家族はあまり参加しないような気がしている。昔は例えば6人兄弟など子供の人数が多かったので、いざ精神病になると家族によって精神病院に放り込まれて長い期間入院になるような傾向があった。そういう理解が乏しい家族にいろいろと啓蒙して、受け入れを良くして行こうという目的があったのである。
ところが、現代では子供の人数が少なく精神病が発病しても親子の絆がわりあい強い。かなり悪い状態でとうてい家庭では療養できないようなレベルでも、しっかり見てくれることもあるのである。だから、もうその意味ではわざわざ家族会を開く意味がない。
これは僕の予想だが、10代~20代の精神病の子供を持つ家族は、精神病院の家族会などには参加したくないだろうと思う。少なくとも僕なら嫌だ。自分の子供がすごく重いみたいで。(子供はいないんだけど) このあたりは、僕があまり「統合失調症」と告知しないことと微妙に関係している。
僕は、やや危ない感じの症状が存在していて、統合失調症とは告知していない患者の家族が、家族会での他の患者さん(特に長期入院の荒廃した患者)を見る機会を持ったなら、卒倒するか相当なショックを受けるような気がしている。
不安の強い母親なら、パニックぐらい出てきてもおかしくない。こういう余計なことをして、その後の子供へのかかわり方が変化し、今までの家族関係のバランスを崩すのが嫌なのである。結局、いろいろと話し合いがあったが、家族会の創設は僕が反対したので実現しなかった。
グーグルで「ぜんかれん」と検索すると、「財団法人 全国精神障害者家族会連合会」が最初に出てくる。「ぜんかれん」というと、精神障害者家族の団体のことを指す。
「ぜんかれん」は、良いこともしている。ジプレキサなどの新しい抗精神病薬が早く発売されるように国に圧力をかけるので、実際、発売が早まっている。また精神分裂病の病名を変えるなんてことも、この「ぜんかれん」が圧力をかけたと聞いている。
この病名変更は、当初は精神科医に不評であった。少なくとも、僕の友人の間ではそうだった。なんで世界的に名前が変わってないものを変更しなければならないのか、という感じであったが、今はもう慣れてしまった。本来、精神分裂病は、シゾフレニーの直訳なのである。病名が変わってみると、この方が病気の実際をよく表現していると僕は思う。しかし、既にそうなりつつあるが、名前のイメージが徐々に固まってくると、同じ繰り返しになるのである。それは「知的発達障害」の名前の変遷を見るとわかる。
僕は、精神病院のオナニーみたいなことはしたくないのだ。家族会と言う発想が前時代的と思う。「私たちは精神病の家族ですよという会」には僕の患者さんや家族は入れたくない。いかにも治らないみたいで。僕は現実主義者なので、診断がどうであれ、家族がどうであれ、病気自体が良くならないと話にならないと思っているのだ。現況、家族会があったとしても、患者さんにとって良くなるであろうことが見つけられない。デメリットはあっても。
答え「ないです」
いまどき、家族会がないような病院は、どちらかというと悪い病院なんだろうと思う。僕がうちの病院に来た時、まだ家族会なるものがなかった。うちの病院は単科精神科病院にしてはベッド数が少なく、小さい規模の精神科病院のカテゴリーに入る。デイケアは1日平均20~25人ほどが参加している。また訪問看護も行っている。OTの1日の参加者はだいたい40~60名ほどだ。もう5年ほど前だが、院内でのクリスマス会を実施した際、入院患者の家族に招待状を出した。参加者には、うちの病院食(昼食)も一緒に食べてもらったのである。
その時思ったことだが、もう長く入院してい人たちは、家族の老齢化が進んでおり、あるいは世代も変わっていて、家族を集めてもたいした人数が集まらないであろうこと。以前勤めていた病院は規模が大きかったこともあり、年に1度くらい家族会を催すとかなりの人数が集まった。啓蒙のために僕も何度か講義をしていた。現在のうちの病院に関して言えば、いまさら家族会を始めても、規模的にやる意味がないように思われた。
それと、現代社会では小規模の病院では特に、家族会を開催しても若い患者さんの家族はあまり参加しないような気がしている。昔は例えば6人兄弟など子供の人数が多かったので、いざ精神病になると家族によって精神病院に放り込まれて長い期間入院になるような傾向があった。そういう理解が乏しい家族にいろいろと啓蒙して、受け入れを良くして行こうという目的があったのである。
ところが、現代では子供の人数が少なく精神病が発病しても親子の絆がわりあい強い。かなり悪い状態でとうてい家庭では療養できないようなレベルでも、しっかり見てくれることもあるのである。だから、もうその意味ではわざわざ家族会を開く意味がない。
これは僕の予想だが、10代~20代の精神病の子供を持つ家族は、精神病院の家族会などには参加したくないだろうと思う。少なくとも僕なら嫌だ。自分の子供がすごく重いみたいで。(子供はいないんだけど) このあたりは、僕があまり「統合失調症」と告知しないことと微妙に関係している。
僕は、やや危ない感じの症状が存在していて、統合失調症とは告知していない患者の家族が、家族会での他の患者さん(特に長期入院の荒廃した患者)を見る機会を持ったなら、卒倒するか相当なショックを受けるような気がしている。
不安の強い母親なら、パニックぐらい出てきてもおかしくない。こういう余計なことをして、その後の子供へのかかわり方が変化し、今までの家族関係のバランスを崩すのが嫌なのである。結局、いろいろと話し合いがあったが、家族会の創設は僕が反対したので実現しなかった。
グーグルで「ぜんかれん」と検索すると、「財団法人 全国精神障害者家族会連合会」が最初に出てくる。「ぜんかれん」というと、精神障害者家族の団体のことを指す。
「ぜんかれん」は、良いこともしている。ジプレキサなどの新しい抗精神病薬が早く発売されるように国に圧力をかけるので、実際、発売が早まっている。また精神分裂病の病名を変えるなんてことも、この「ぜんかれん」が圧力をかけたと聞いている。
この病名変更は、当初は精神科医に不評であった。少なくとも、僕の友人の間ではそうだった。なんで世界的に名前が変わってないものを変更しなければならないのか、という感じであったが、今はもう慣れてしまった。本来、精神分裂病は、シゾフレニーの直訳なのである。病名が変わってみると、この方が病気の実際をよく表現していると僕は思う。しかし、既にそうなりつつあるが、名前のイメージが徐々に固まってくると、同じ繰り返しになるのである。それは「知的発達障害」の名前の変遷を見るとわかる。
僕は、精神病院のオナニーみたいなことはしたくないのだ。家族会と言う発想が前時代的と思う。「私たちは精神病の家族ですよという会」には僕の患者さんや家族は入れたくない。いかにも治らないみたいで。僕は現実主義者なので、診断がどうであれ、家族がどうであれ、病気自体が良くならないと話にならないと思っているのだ。現況、家族会があったとしても、患者さんにとって良くなるであろうことが見つけられない。デメリットはあっても。