象徴的な夢
509投稿者:kyupin 投稿日:2001年07月12日(木) 19時55分45秒
ある日、象徴的な夢をみた。それは普通の人がなかなかみないような夢だ。
「昼下がりに家の中に立っていると、突然男が家に上がりこんできた。包丁で腹を刺された。その相手の顔は黒くて判別ができなかった」
普通、夢の中で最後までしっかり刺されることは珍しい。追いかけられるとか、谷に落ちる途中というならあるけどね。目覚めたあと、刺されたことをすっかり忘れていた。その日外来で仕事をしたが、どうもお腹が痛い。それも激痛だ。なんどかトイレにもいったが、下痢をするわけでもなく、そういう理由ではないようだ。突然、夢の中で男に刺されたことを思い出した。 その夢の意味を考えた。簡単に言えば、おそらくこういうことだろう。
「最近、とても辛い出来事があったので、できることなら生まれ変わって、人生をやり直したい・・」
刺した男はおそらく自分だろう。夢の中で他殺を装い自殺したのだと思う。辛いことがあったにせよ、仕事は続けねばならない。心理的にダメージを受けている時の精神科医の仕事はいかに辛いものか、普通の人にはあまりわからないだろう。
この話は、多分、5年目、28歳頃の夢だと記憶している。当時、精神科の仕事に嫌気がさしており、精神科をやめようと思っていた時期であった。精神科をやめようかと思った理由だが、これはやった人にしかわからないと思うが、精神科は、一見、医師の努力に結果が比例しないように見えることと関係がある。全力を尽くしているのにうまくいかない人は全然良くならないのに、さほど力を注がないのに良くなる人は勝手に良くなっていく。これははっきり言って、非常に精神衛生に悪い。もうちょっと結果がギブ&テイクになってないとやりがいがないと思った。(ところで、今はこんな風には思っていない。精神科治療も力の注ぎ方はけっこう結果に関連すると思っている)
この夢の意味を理解したあとは、なんだかすっきりと心のモヤモヤが取れてしまった。この日、僕は精神科をやっていくしかないと思った。この日以降、精神科をやめようと思ったことはない。精神科はけっこう面白いし、わりと自分は向いていると思ってるしね。
(過去にアップした日記より)