ロヒプノール
一般名;フルニトラゼパム(=サイレース)
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬だが、ずっと以前からあり定番のような薬物。精神科にかかっているなら、服用したことがある人が多いかもしれない。剤型は1mgと2mgがある。もともとロヒプノールはロシュの製品だったと思うが、今は中外製薬が扱っている。錠剤には今もROCHEの刻印があるので、中外製薬は販売をしているだけだと思われる。サイレースはエーザイが販売しているが、これにはROCHEの刻印がない。サイレースは歴史的にみてゾロとは言えない。まぁアキネトンとタスモリンみたいなものだと思う。半減期は15時間ほどで中間くらいの半減期である。処方する方から見ても、服用する患者さんから見ても、ロヒプノールは平凡な睡眠薬であり特別なものには見えない。というのは半減期が短期型ではなく切れ味が鋭いとか、効果が抜群で好評だとか、そんなものがないからである。
しかしそんなロヒプノールの臨床上の国内の評価と異なり、日本国内でも海外でも特別なベンゾジアゼピン系睡眠薬として挙げられている。ロヒプノールは麻薬及び向精神薬取締法上の第2種向精神薬に指定されているのである。普通、この法律の1種~3種のなかに多くの向精神薬(主に睡眠薬)が含まれるが、1種はリタリンのみが指定されている。2種には、ロヒプノール、ラボナ、イソミタールくらいが入っていると思うが、ベンゾジアゼピン系では唯一、ロヒプノールのみが入れられている。3種には多くの睡眠薬が入れられているが、アモバン、デパス、リスミーなどは含まれていない。実はこのカテゴリー(1種~3種)のため、睡眠薬は2週を超えて処方できないことになっているのだ。この縛りがないアモバン、デパス、リスミーは1ヶ月処方可能なのである。
ロヒプノールは依存性、乱用性で、危険であるとされているのである。耐性獲得が早く乱用されたときに奇異反応(不安焦燥感が高まり、攻撃的な反応を起こす)が増加すると言われている。実際、既にアメリカでは販売が禁止されているどころか、海外からの持ち込みも禁じられている。海外旅行の際に、たまたまロヒプノールを所持していて空港などで発覚した場合、逮捕されると思われる。十分な注意が必要。おそらく「それは知らなかった」では済まないと思われるからである。
アメリカ:依存性や離脱症状のため、持ち込み禁止薬剤。
フランス:薬物嗜好者による持続的乱用のため、麻薬と同等の処方制限の対象とすることを決定。
日本と海外でのロヒプノールの扱いに温度差が激しいのは、個人的にはたぶん文化の相違があるからと思う。もともと日本人は麻薬だと覚醒剤などのアップ系の薬物を嗜好する。これは文化的に働き者だというか、悪く言うと寝ないで遊べるようなものが好まれるからである。しかし西洋人はヘロインなどのダウン系の違法薬物を嗜好することが多い。睡眠薬は時々乱用の話を聞くが、日本人に好まれないタイプなのであろう。実際、臨床的にロヒプノールにはまったとか、乱用したという話を聞いたことがない。ボーダーラインの患者さんがたまたまたくさん服用したなんてことはあるが。
精神科医の中でもロヒプノールが海外でこのような扱いを受けていることを知らない人がけっこういると思われる。なぜなら、臨床的にそんなことを経験しないからである。ひょっとすると自分の患者さんが海外旅行をするのに、うっかりロヒプノールを処方して持っていかせてしまうことすらありうると思われる。そんなわけで、ロヒプノールは日常臨床で広く処方されているわりに、ちょっと注意を要する特別な薬物なのである。
(平成21年4月から、ほとんどの眠剤が1ヶ月処方可能となっている。)
参考
リフレックスの特例の長期処方について
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬だが、ずっと以前からあり定番のような薬物。精神科にかかっているなら、服用したことがある人が多いかもしれない。剤型は1mgと2mgがある。もともとロヒプノールはロシュの製品だったと思うが、今は中外製薬が扱っている。錠剤には今もROCHEの刻印があるので、中外製薬は販売をしているだけだと思われる。サイレースはエーザイが販売しているが、これにはROCHEの刻印がない。サイレースは歴史的にみてゾロとは言えない。まぁアキネトンとタスモリンみたいなものだと思う。半減期は15時間ほどで中間くらいの半減期である。処方する方から見ても、服用する患者さんから見ても、ロヒプノールは平凡な睡眠薬であり特別なものには見えない。というのは半減期が短期型ではなく切れ味が鋭いとか、効果が抜群で好評だとか、そんなものがないからである。
しかしそんなロヒプノールの臨床上の国内の評価と異なり、日本国内でも海外でも特別なベンゾジアゼピン系睡眠薬として挙げられている。ロヒプノールは麻薬及び向精神薬取締法上の第2種向精神薬に指定されているのである。普通、この法律の1種~3種のなかに多くの向精神薬(主に睡眠薬)が含まれるが、1種はリタリンのみが指定されている。2種には、ロヒプノール、ラボナ、イソミタールくらいが入っていると思うが、ベンゾジアゼピン系では唯一、ロヒプノールのみが入れられている。3種には多くの睡眠薬が入れられているが、アモバン、デパス、リスミーなどは含まれていない。実はこのカテゴリー(1種~3種)のため、睡眠薬は2週を超えて処方できないことになっているのだ。この縛りがないアモバン、デパス、リスミーは1ヶ月処方可能なのである。
ロヒプノールは依存性、乱用性で、危険であるとされているのである。耐性獲得が早く乱用されたときに奇異反応(不安焦燥感が高まり、攻撃的な反応を起こす)が増加すると言われている。実際、既にアメリカでは販売が禁止されているどころか、海外からの持ち込みも禁じられている。海外旅行の際に、たまたまロヒプノールを所持していて空港などで発覚した場合、逮捕されると思われる。十分な注意が必要。おそらく「それは知らなかった」では済まないと思われるからである。
アメリカ:依存性や離脱症状のため、持ち込み禁止薬剤。
フランス:薬物嗜好者による持続的乱用のため、麻薬と同等の処方制限の対象とすることを決定。
日本と海外でのロヒプノールの扱いに温度差が激しいのは、個人的にはたぶん文化の相違があるからと思う。もともと日本人は麻薬だと覚醒剤などのアップ系の薬物を嗜好する。これは文化的に働き者だというか、悪く言うと寝ないで遊べるようなものが好まれるからである。しかし西洋人はヘロインなどのダウン系の違法薬物を嗜好することが多い。睡眠薬は時々乱用の話を聞くが、日本人に好まれないタイプなのであろう。実際、臨床的にロヒプノールにはまったとか、乱用したという話を聞いたことがない。ボーダーラインの患者さんがたまたまたくさん服用したなんてことはあるが。
精神科医の中でもロヒプノールが海外でこのような扱いを受けていることを知らない人がけっこういると思われる。なぜなら、臨床的にそんなことを経験しないからである。ひょっとすると自分の患者さんが海外旅行をするのに、うっかりロヒプノールを処方して持っていかせてしまうことすらありうると思われる。そんなわけで、ロヒプノールは日常臨床で広く処方されているわりに、ちょっと注意を要する特別な薬物なのである。
(平成21年4月から、ほとんどの眠剤が1ヶ月処方可能となっている。)
参考
リフレックスの特例の長期処方について