選択理論マニアの会 代表のnatsukoです。
怒りについては、ここしばらくたくさん書いてきたので
そろそろ違うテーマに行こうかな…と思っていたのですが…
そうだった

もう一つ書いておきたいことがあったんだ

あれは2001年にシドニーで行われた
ウイリアム・グラッサー協会の国際カンファレンスに参加したときのこと。
もう10年前のことになるんですな…

ある分科会で日本から行ったメンバーの女性が
担当していたインストラクターに、質問をしました。
「私の抱えているクライエントさんで
娘さんが交通事故にあって、とても苦しんでいる父親がいます。
娘さんは、それが原因で半身不随に。
すでにその訴訟に関しては、一応終わっているものの
父親は、事故を起こした相手を恨み
相手への怒りによって狂いそうになっている。
誰かが憎くて、殺してしまいくらい怒り苦しんでいる
クライエントに対して、どのようなカウンセリングができるでしょうか?」
ちょっと、記憶がおぼろげですが、
たしかこのような内容だったと思います。
すると、質問を受けたインストラクターは
「それじゃぁ、あなたがその父親の役をしてみてください」
と言って、すぐにロールプレイの開始。
説明する代わりにデモンストレーションを見せてくださったのです。

(ファカルティとはかにあるべきと、今になって
これがどれくらいすごいことなのかが分かります
)そのインストラクターとは、
リアリティセラピーを虐待問題に適用している専門家
トム・スミス先生でした。
トムは、リアリティセラピーを用いて
被害者のケアや加害者の回復に長年携わっていらっしゃいます。
(日本には1997年にお招きしたことがあるんですよ…
)そのときのデモンストレーションは、
その後の私の臨床に大きな道標を作ってくれました
トムは、少し前屈みになって、
とても穏やかであたたかく、
それでいて力強い声でおっしゃいました。
「お父さん。とても苦しまれているのですね…。
<中略>
確かに、あなたには怒る権利があります。
しかし、あなたがこれからの人生を
その怒りの中で過ごすかどうかは選ぶことができます。
怒り続ける人生と、そうではない人生・・・
後者を選ばれるとするなら、私は心からお手伝いします。」
このデモを拝見して、胸が震えた記憶があります

あなたには怒る権利がある。
たしかにそうです。
でも、その怒りを中心にして生きるかどうかは
自分自身で選ぶことができる・・・
選択理論が何を大切にしているのかを
思い出させてくれるデモンストレーションです。
怒りや恨みや憎しみの中で苦しんでいる方に会うと
いつもトムのあたたかな対応が思い出されます。