SoLライター陣がおすすめするカルチャーアイテム。
今月のテーマは「秋の夜長に!眠れなくなる小説 」!!

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イニシエーション・ラブ (文春文庫)/乾 くるみ
¥600
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酸いも甘いもかみ分けたオトナのSoL読者なら、1つや2つはあるだろう。
イニシエーション・ラブ=通過儀礼の恋。
彼以外の男なんてもう一生出会えない!と思っていたあの夏、なんて。

1980年代、ドラマ『男女7人夏物語』が流行っていたころ。大学生の「僕」は合コンで知り合った「マユ」とつきあいはじめ、深い関係になるものの、就職で遠距離恋愛になってしまう。
SIDE-A、SIDE-Bと2章に分けられた目次(しかも各項タイトルは当時の流行曲名)、当時の風俗など、80年代を知っている30代以上の人にとっては懐かしく感じるキーワードが随所に。テレホンカードの度数を気にしながらかける長距離電話、高級ホテルでのクリスマスディナーなど、今の10~20代には想像つかないだろう。一途で、甘ったるくてほろ苦い青春ラブストーリー。あまりにコテコテの展開で、途中、かったるくなる人もいるかもしれない。

が、なんとか我慢して最後まで読んで欲しい。
「え?????」
ラストから2行目はまさに「大・どんでん返し!」(懐かしいな~元ネタわかりますか?)

SIDE-Bに入り、時々違和感を感じる部分は確かにあった。ネタバレスレスレの文庫本解説、80年代の用語解説集に助けられつつ再読すると「ああっ!」「うそっ!」「そうだったの!?」。一度仕掛けに気づけば、宝探しのように出るわ出るわトリックが。伏線の張り方がとにかく見事。眠気もふっとび、続きが気になって仕方がなくなるに違いない。

出版当時は「驚愕のミステリー」として話題を呼んだこの作品、評価は分かれているものの、謎解きサイトまでつくられているほど(ネットで検索すれば出てきます)。

そして2度目を読み終わった印象は、まったく異なるに違いない。
本当に怖いのは、男?女?


written by ズバーン