<その64>伝説ライヴ、開演! | まなブログ

まなブログ

脈の変化でカラダの声を聴く『脈ナビ』による施術、セミナーをご案内しています。
大阪府堺市で鍼灸院を開業しています。
日々の気づきをつづります。

ついに、禁断のヴェールが幕を開けます。



行ってまいりました。

Yさん伝説ライヴです。



「え~と、Yさん。これを運べばいいんですか?」

「そうそう、そのカゴとね。それから、その箱と。」


この場合のカゴ。

当然、近鉄百貨店からの借り物だ。

一応、スーパーRのカゴもありますよ。

でも、今日は着飾ってお出かけの日。

やはり洋服とのコーディネートも考慮して。

「よそ行き」には、ブランドのカゴが欠かせません。


お宅にお迎えにあがった時から。

すでに、Yさんは準備万端。

久しぶりに、メイクをばっちり決められ、頭もセット済み。


う~ん。

これは、気合いが入っておられるぞ。

私まで武者震い。


ちょっと興奮気味だったんでしょうね、私も。

つい見逃していました。

セロリの天ぷらだけなら、こんなに荷物があるはずがないことを・・・。


その時、すでに。

とあるマンションの一室。

7名の信者たちが、教祖さまのお越しを今や遅しと心待ちにしていたのです。


「さあ、Yさん。そろそろ出発しましょうか?」

「はいはい、みなさんをお待たせしないようにしないと。」


実は、この時、お料理はひと通り出来ていました。


hanaさんのブログ で、テーブルの様子がよく分かります。

ねっ、すごいでしょ~?

みなさん、マクロビオティックの料理の師範クラス。

朝からせっせとご準備頂きました。


主催者のいちごさんには、とりあえず、9名分のお料理を作っておいてもらいました。

いくらYさんと言ってもね。

本日の会場は、魔界ではありません。

つまり、「アウェイ」ですからね。


しかも、セロリの天ぷらですし。

少々揚げ過ぎたところで、大丈夫だろうと。

さらに沖縄から照喜名先生も連行・・・いえ、お招きしています。

それに、こんなに人数がいるんですからね。

まあ、いつもの木曜日の黒ミサみたいなことにはならないでしょう。


「みなさん、お料理のプロの方ばかりでしょ?」

「いえいえ、Yさんも『大阪を代表する創作料理家』として、全く引けをとりませんよ。」

「あら、先生。そんなこと、言っちゃって。」


行きの車中から、Yさんのテンションは上がりっぱなし。

まるで、寝る前にウィスキーボンボンを食べ過ぎたお子ちゃまのようだ。


そして、対面の瞬間。

室内に張り詰めた緊張の糸を肌で感じながら、Yさんをエスコート。


「はじめまして、Yです。」


やはりYさんも少し緊張気味かも。

早速、テーブルに着席。


もちろん、照喜名先生には、Yさんの左サイドをしっかりと固めてもらいました。

食の細い女性陣への防波堤、テトラポッド。

まさに「横もれサイドストッパー」の異名をとられる所以だ。

これで、天ぷらが「多い日も安心」ですね。


よしよし。

間違っても、私に流れ弾が飛んでくることもないだろう。


みなさん、席に着いたところで、自己紹介。

3度目にも関わらず。

やはり照喜名先生の名前は、覚えられていない。


「あら、沖縄の先生でしょ?」

「はい、照喜名です。」

「て、て・る・き・な・・・もう『沖縄の先生』でいいかしら?」

「はい、結構です(笑)」


残念ながら照喜名先生のお名前が、Yさんの口から出ることは永遠にないでしょう(笑)


その後も順次、みなさんのお名前をご紹介していくものの。


「ああ、やっぱり覚えられてないな。」


横目でYさんの反応を見て確信する私。

三歩歩けば忘れるニワトリのように。

参加者のひとりとして、Yさんに名前を覚えてもらった方はいないだろう。


で、とりあえず、Yさんとみなさんの緊張をほぐすため。

次から次へと話題をふっていきます。


「そう言えば、Yさんも沖縄に行かれたことがあったんでしょ?」

「そうですよ。」

「沖縄のどちらへ行かれたんでしたっけ?」

「ちゅら海水族館なんです。」

「あれって、何の関係で行かれたんでしたっけ?」

「あれはね。『ぜぇてぃー』の接待旅行なの。」

「ああ、『ぜぇてぃー』でしたか。」


と、わざとらしいネタふりで、強引に伝説のキーワードを発してもらいます。

他にも、『カルピス・ダイエット』や『近鉄のカゴ』の話など。


よしよし。

これで、Yさんのウォーミングアップも済んだところかな。


「・・・で、私はね。何を食べても体重が減らない体質だって分かってね。」

「はあ」

合いの手を打つしかない参加者一同。


し、しまった。

ブルペンで軽く肩慣らしのはずが。

いつの間にか、キャッチャーを座らせて、全力投球しているではないか。


「はい、Yさんっ!まずは、お料理を冷めないうちに頂きませんか?」

「あら、そうですね。」

「ええ、積もるお話はお食事を頂きながら。」


すでに、すっかり空間を支配してしまったようだ。


「あら、これ、おいしいわねえ。」

「え~と、これは、どなたが作られたんですか?」

「はい、私です。」

「これは、どうやって作られたんですか?」

「はい、これは・・・(後略)」

「あら、そうなの。いや~、さすがねえ。」


そんなかんじで、Yさんのお箸も軽快に進んで行きます。

うむうむ。

教祖様のご機嫌は、上々だ。


しかし、盛りだくさんのお料理だなあ。

いちごさんが作って頂いた料理に加え。

みなさんが持ち寄られた料理の数々。

これだけで、結構なボリュームだ。


「はい、照喜名先生。ご飯をどうぞ。」


そこで、いちごさんが絶妙なタイミングで艦砲射撃を加えます。

そう、以前から計画していた「照喜名先生専用どんぶり」の登場だ。

普通のお茶碗3杯分は、ゆうに入るだろう。


クククッ。

その大きさに絶句される照喜名先生。

すでに瞳孔が開いているではないか(笑)


と、その時。


「はい、谷田先生のどんぶりもありますよ。」


えっ!?

え~~~っ!

私?

私もですか?


やられた・・・。

いちごさんの見事な謀略だ。

裏できちんと私の分まで用意されていたのだ。

何と周到な計画。

思わず太宰文学に傾倒したくなるような暗澹たる気分だ。


「・・・では、頂きます。」


しかし、減らない。

ほんとに、減らない。

どれだけご飯が詰まっているんだという無間地獄。

早くもベルトを緩め、「社会の窓」も半開きだ。

まるで、牛のように反芻しながら、少しずつ小腸へ送り出していく私。

やっと残り3分の1まで押し進めた時。


「ぷはぁ~。ご飯、頂きました。」


照喜名先生が、早くもどんぶりを完食。

あ~、あ~、そんなに飛ばしてもいいんですか。

マラソンで言えば、まだ、30kmを超えたところですよ。

と、いちご審判長から無情な宣告が。


「じゃあ、そろそろYさんのお料理に・・・。」


その瞬間。

私は、しかと見届けました。

照喜名先生の口からエクトプラズムが放出されるのを。


そう、Yさんには、会場で調理してもらおうと。

天ぷらを揚げる用意は、万端です。

しかも、Yさんのリクエストにより、魚を焼く網まで用意しています。


だから、言わんこっちゃないのに。

せめて、苦しまないうちに介錯させて頂くのが、武士の情けというものでしょう。


「そしたら、お恥ずかしいですけど、お台所を借りますね。」


ブルペンで肩慣らしは、すっかり終わっています。

いよいよYさん、本格始動。


「確かセロリの天ぷらでしたよね?」


まあ、それぐらいなら、何とかなるでしょう。


「そう、セロリとね。それから、ニンジンと玉ねぎでしょ。それに、アスパラとにんにくの芽ね。それから、さくらえびと・・・。」

「・・・。」


セロリがメインじゃなかったのか・・・。

ほとんど「9番ライト」状態じゃないか。

なんだ、このボリューム満点のラインアップは。

おや、この箱のフタからはみ出ているのは、ギョーザの箱ではないのか?

しかも、2箱もあるぞ。


「あのー、Yさん。」

「はい?」

「このギョーザは・・・?」

「ああ、それもしっかり揚げますよ。」

「・・・。」


聞いてない。

聞いてませんよ、私は。

何ですか、このボリュームは。


「ひと通り、人数分のお料理は用意してもらってますから。」


あれだけ、私が釘を刺しておいたにも関わらず。

まさに「ヌカに釘」。


すでに、女性陣は「食べること」を放棄され、Yさんの周囲に集合。

調理の一挙手一投足を見逃すまいと熱い視線を投げかけられています。


テーブルには、「食べる」担当の二人がポツンと取り残されました。

照喜名先生、お先に逝ってください。

私も後から追いかけますので・・・。


と、その時。


「あら、日本酒がないわ。」


そう、Yさんの天ぷらのタネには、日本酒が欠かせないんです。


「へえ~、日本酒を入れるんですか?」

「そうよ、味の深みが違うんだから。」


ここは、外の空気を吸って、胃腸を休めるためにも。


「あっ、じゃあ、私がコンビニで買ってきます。」


照喜名先生に発言の隙を与えることなく、玄関に向かう私。


「じゃあ、その間にお魚でも焼いておきますね。」

「はい、すぐに買って来ますから。」


と言いながらも、走って行っては、「息抜き」になりません。

春の日差しを心地よく背に受けながら。

ボチボチ歩いて、コンビニへ。

2種類しかない日本酒を。

しっかり吟味して、レジへ向かいます。


「さあ、そろそろ戻るか。」


外の新鮮な空気をしっかり吸い込んで。

身体の細胞もリフレッシュ。


「ただいま、戻りました~。」


「チャイム」を押して、扉を開けたその瞬間。


「こ、これは!」


その時、信じられない光景が視界に飛び込んで来たのです。

すでに、黒ミサの饗宴と化したマンションの一室。

果たして、祭壇に捧げられていたものとは・・・?



-つづく-


(2010/3/24)