「先生、なんとかしてください!」


この帯の言葉にひかれて購入したのが、


「こちら脳神経救急病棟」(河出書房新社)
アラン・H・ロッパー
ブライアン・デイヴィッド・バレル

何といっても書店勤務なので、休憩時間にブラブラチェック。

アマゾンや楽天での買い物もしますが、希少本や実用書以外は手にとって買う派です。

やっぱり紙が好きなんですね。



著者はパーキンソン病になった俳優、マイケル・J・フォックスなどの治療にもあたった神経内科医。

神経内科ICUという分野の草分け的なお医者さんだそうです。




私も、1996年息子が4歳の時、突然眼球が動かなくなり、瞳孔がひらいて物が二重に見えるという状態になりました。

運動神経麻痺もおきたので、おはしやボールペンも握れない状態。

眼科の先生から脳神経内科に移ったけれど、

結局原因も結果もわからず対症療法で回復しました。



2年後、忘れもしない1998年元旦の朝、目覚めると同時に同じ症状になり救急車で入院しました。

幸運なことに、今回入院した地域の救急病院の院長先生が神経内科ということもあり、たらいまわしされることなく、治療開始。

まったく身体も目も力が入らないから、車椅子生活。

フィッシャー症候群か、ギランバレー症候群か、多発性硬化症かといろいろ病名はでてきたけれど、

「多発性神経炎」で決着。

ずっとステロイドの対症療法治療を続け、10ヶ月ほどで治まりました。

先生に言われて今でも心に残っているのが、



「大丈夫ですよ!!、この病気の人は、中国にもヨーロッパにもいるんです。
珍しいことじゃありません!!」

(それって珍しいってことじゃないの~??)




いったいどれくらい入院することになるのかわからなかったから、実家の父が息子を連れて行きました。


湘南には珍しい雪のあとで、社宅の庭に積もった雪を車の窓から見ていて寂しくなったと後から話してくれました。


命にかかわる病気にはならなかったけれど、運動神経麻痺で身体が動かなくなる恐怖や不安は忘れることはできません。



社宅の隣にあった保育園に息子を送っていくこともできない。

階段を下りることもできない。

何かの事故とか原因がわかっていれば、まだ気持ちの準備もできますが、

朝起きたらいきなりっていうのは、本当に恐怖です。


まさに、「先生、なんとかしてください!!」は私の気持ち。


原因がないはずはない・・・でも、まだまだわかっていないとか、偶然が引き起こす奇妙な病気って存在するんだなあと驚きがいっぱい。


当事者だった時は、「結局、なにもわからないんじゃないの!!」なんて非難する気持ちになったこともありました。


何もかも人間がコントロールできるはずもない、病気も一人一人似て非なるものって思うと、

この本を推理小説のように読むことができました。