中国「毛皮産業」のヤバい実態〜日本もいまだ132万頭を犠牲に… | めー子のブログ

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中国「毛皮産業」のヤバい実態〜日本もいまだ132万頭を犠牲に…

高級ブランドが続々と行う「ある宣言」

NPO法人アニマルライツセンター代表理事 岡田千尋

2017.12.9 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53684

 

2018年春夏コレクションから動物の毛皮(リアルファー)の使用を永久的にやめる――2017年10月11日、イタリア高級ブランドのグッチがそう宣言した。

このニュースは世界中で大きく報道され、日本でもテレビを含めたマスメディアからファッション業界紙までが取り上げた。

私はこの報道の様子を見て、この10年間でリアルファーに対する日本人の態度が大きく変化したことを強く実感した。

きっかけは一本の動画だった

2004年冬、街中にはリアルファーが溢れかえっていた。総毛皮のコートは見かけなくなったが、いつからか、ごく当たり前のようにみんながコートのフードの縁にリアルファーをつけるようになっていた。

そうした状況を目にしたことで、「ファッションのために動物がこれだけ多く、当たり前のように犠牲にされている社会はおかしい、このままではいけない」という危機感が年々高まった。

2005年冬、中国の毛皮生産現場の実態が動画とともに明らかにされたことで、大きな衝撃を受けた。

 

狭い檻に閉じ込められたおびただしい数のミンクやキツネ、タヌキがケージの中をぐるぐると回り続けていた。

そして大きくなったキツネやタヌキを檻から無理やり引きずり出し、地面に体を打ちつけ、首元を踏み、こん棒で殴り、まだ意識のあるタヌキの手足の先をナタで切り落とした。周囲には肉球の付いた手足がゴロゴロと転がっている。

意識のあるタヌキを逆さ吊りにして足を針に引っ掛け、切り込みを入れ、毛皮を引き剥がしていく。皮膚と肉が引き裂かれ、血が滴り落ち、タヌキはもがく。

毛皮を剥がされた後、トラックの荷台に放り投げられ、荷台の上でタヌキはまばたきをし、首をもたげ、毛皮を失い様変わりした自分の体を見て、バタリと倒れた。

動画と一緒にリリースされたレポートには、1990年代以降急激に中国での毛皮生産が増えてきていることや、母親が子供を殺す割合が高く繁殖後の生育率が50%しかないことなどが事細かに書かれていた。

 

 

私たちは使用許可を得て、動画と資料を日本語に訳し、マスメディアに向けてリリースすると同時にネットに公開、毛皮反対キャンペーンを開始した(http://www.no-fur.org/dying-for-fur/)。

当時メディアの反応はほぼなかった。ツテを辿ってお願いしても「市民の関心ごとではない」と言われ、世界中で新聞のトップ記事になっていたにもかかわらず、日本で報道されなかった。自分たちの力不足を実感しつつ、さらに危機感は高まった。

 

市民意識はこれほど変わった

一方、市民の反応は大きかった。当時ミクシィや掲示板において、今でいう"炎上"が起こった。

多くの人がこの動画を見てショックを受け、毛皮は買わないと宣言。たった2人で始めた毛皮反対キャンペーンには、現状を変えたいという人が集まってきた。

集まったメンバーとともに、企業やファッション雑誌に毛皮廃止のお願いをし続け、12年間続いている毛皮反対デモ行進(今年はファーフリーウォーク)を軸に、街頭活動やチラシ配りなどの草の根運動が日本全国に広まった。

そして、今ではなんの呼びかけもせずとも、著名人がリアルファーを着用していると市民の批判が集まるようにまでなっている。

私たちが目指したのは、リアルファーを身に付けているとなんとなく後ろめたいという気持ちになり、リアルファーを買うのを躊躇するという社会だ。

今、少しずつそうなってきている。

 

(PHOTO:Animal Equality)

ファーフリー宣言しない日本企業

ユニクロや無印良品などは早々に毛皮の利用をやめ、その後も多くはないが毛皮を使用しないという企業は増え続けている。

明言こそしてくれないが、多くのアパレルブランドが消費者の嗜好に追従し、リアルファーからエコファーに切り替えてきている。

 

リアルファー製品の輸入量は最も多くなった2006年と比較すると、2016年には81.2%*減少。昨年ファーフリー宣言をしたアルマーニ、そして冒頭紹介したグッチ宣言が国内のファーフリーの流れをさらに押し上げている。

しかし、日本のアパレルメーカーの多くがファーフリー宣言をしない。それは「儲かるならいつでも毛皮を売ります」という姿勢を示している。

ユニクロやグッチのように、社会的責任を重視し、動物を苦しめ、環境を破壊するファーという素材を永久的に取り扱わないことを消費者に約束すべきであろう。

 

毛皮からファーへ、呼び方と売り方の変化

素材の呼び方の変化についても触れておこう。

以前は動物の皮に毛がくっついた素材は「毛皮」だった。しかし、いつからか、おしゃれに「ファー」と呼ばれるようになった。

「毛皮」は動物の犠牲があることが生々しく伝わり、かわいく聞こえる「ファー」にすると犠牲になった動物を想像しにくくなり受け入れやすくなるという効果を持っていた。

毛皮を売りたい業者側は、総毛皮からトリムに、帽子に、ボリュームファーに、ヘアアクセに、チャームに、女性用から男性用に、若者向けから高齢者向けにと、売り方を次々に変えてきた。

さらに値段もどんどん安くなっており、今や100円ショップでも購入できるし、エコファーのほうが高いことだってある。

この次々に変わる売り方は業界の狙い通り機能し、多くの人が動物の毛皮だと思わずにリアルファーの付いた製品を購入した。

私たちが街頭でチラシを配っていると「わたしも毛皮反対です!」と力強く言ってくれるその女性の襟元やキーホルダーにはリアルファーがくっついていて、私たちが言いにくそうに「あなたのそれ、毛皮なんです……」と告げ、ショックを与えてしまうということが今でもよくある。

 

日本の最後の毛皮農場(閉鎖済み)(PHOTO:アニマルライツセンター)

エコファーへのシフト

動物の毛皮の代用品となるフェイクファーの呼び方も変わった。今はエコファーと呼ばれる。エコファーがエコである理由は、リアルファーがあまりにも環境負荷が重いことだ。

そもそも、リアルファーには2つの問題点がある。

 

1. 生態系を破壊してきた

世界中で、毛皮のために養殖されていた外来種の動物が逃げ出し、地域の生態系を破壊している。日本でもヌートリア、アメリカミンクの(税金を使った)殺処分が続いているが、もともとは毛皮農場から逃げ出したものだ。

日本はこの外来生物を規制する法律制定後、わずかに残っていた毛皮農場が次々閉鎖し、昨年最後の毛皮農場が閉鎖したところだ。閉鎖したからといって、破壊された生態系は元には戻らない。

なによりも今も殺処分され続ける野生動物たちの命に対し、どう責任を取るのか……。

 

(PHOTO:アニマルライツセンター)

 

2. なめし加工による公害

毛皮は死体の一部だから、脂肪をこそげ落として洗ったとしても、ほうっておけばパリパリに固くなり、下手をすれば腐る。柔らかくし、腐らないように加工するのが皮革・毛皮の"なめし"。

大量の皮と毛皮をなめすために、発癌性の高い六価クロムやホルムアルデヒドなどが使われる。排出規制などが強い欧州では、なめしは中国に輸送してから行っているという。

そのなめし加工の中心となっている中国では深刻な環境汚染、健康被害が広がっている。危険な物質により河川や地下水、土壌が汚染され、子供までもが癌で死んでしまう悲惨な公害が発生しており、その地域は「癌の村」と呼ばれる。

皮革・毛皮加工産業が集中する地域は、浙江省、広東省、河北省、山東省などやや交通の便の良い地域に多く、私も河北省の皮革産業の街、辛集市を訪れたことがある。

立派なビルが並ぶエリアから少し離れたところに、たくさんの中小の工場がある。それらを囲んでいるのは一般の村と畑。川は真っ黒で強烈な異臭を放ち、魚や鳥が住める環境ではまったくなかった。この地域では毎年のように現地の人が健康被害を訴えデモを行っている。

現地の人々の意識は低く、労働者も毛皮を洗浄する水で体を洗ったり、毛皮の上を子供たちが遊びまわったりしているショッキングな映像がドイツの2015年のドキュメンタリー映画や中国のジャーナリストの写真で伝えられた。

汚染されているであろう毛皮や革のカスもいたるところに捨てられていた。行政も下水処理場を設置するなどの努力をしているようだが、今更……と言いたくなるほど汚染は進んでいる。

この公害に加担することは企業にとっては最大のリスクであろう。

 

幸いエコファーはどんどん進化を遂げ、もはや見た目ではわからないことも多い。この精巧なエコファーは日本の技術と丁寧な仕事ぶりが光る分野であり、和歌山県の伝統工芸であったパイル織物が活躍している。

プラダやルイ・ヴィトンなどの世界のラグジュアリーブランドのエコファーを日本の技術が支えているというのだから、同じ日本人として誇らしい気持ちにもなる。

動物の犠牲を無くしたいという消費者の選択が、新たなエシカルな産業を支えているのだ。

 

132万頭を犠牲にしている日本人

多くの国が毛皮農場を持つこと自体禁止しており、禁止していないヨーロッパの国々でも将来的には法的禁止をすることが検討されている。

しかし、それは朗報とはいえない。ヨーロッパの毛皮産業はそのノウハウを中国に持ち出し、拠点を移しているにすぎないからだ。

中国では毛皮生産量がいまだに増え続けているという。日本や欧米での需要が減り、価格が大幅に下がっている今、中国の毛皮産業界は毛皮を冷凍保存し、また需要が増えて値上がりする時期を虎視眈々と狙っている。

もちろん日本の市場も、である。日本人の倫理観が再び下がり、リアルファーが売れるようになればまた、大量に市場に投入されるだろう。

アパレル業界に限らず、多くの企業が「消費者が求めるから売る」と言い、消費者に責任を押し付けている。そのずるさが簡単に変わるとは思えない。だから、消費者が賢くなり、リアルファーなどの動物性素材を避けて買い物をしなくてはならないのだ。

輸入量の減少を見る限り、日本人の意識は着実に変わってきている。それでもまだ、日本人の消費のために年間約132万頭*の動物たちが犠牲になっているのだ。

 

ファッションに動物の犠牲はいらない

冒頭では中国の毛皮産業を紹介したが、動物福祉の意識が強いと考えられている北米やデンマークなどのヨーロッパ諸国の毛皮農場でも悲惨な状態で飼育されている。

動物たちが入れられるのは足元も金網の粗悪な檻、共食いで脳みそがむき出しになり、尻尾や足がもげ、激しい常同行動をし続け、感染症に苦しみ、その年の冬に殺される。

近年はノルウェーやフィンランドではモンスターフォックスと呼ばれる通常の体重の5倍以上に太らされたキツネまで作られ問題になっている。

 

モンスターフォックス(PHOTO:Oikeutta eläimille)

 

基本的には肉用と毛皮用のウサギは異なるため、副産物と言われがちのうさぎのファーも正確には副産物ではない。

毛皮農場のスタッフを対象に行われる"福祉的な殺し方"の講習会は、受講者によると、たったの30分で終わるパフォーマンス的なものだったという。

その他にも「福祉的なファーもある」など、業界のいいわけはいくらでも出てくるが、そのいいわけは実態を執拗に調査してきた動物権利団体によってすでに覆されている。

動物を大量に飼育し殺す工場的畜産において、人道的であることはありえない。動物たちは苦しみ、恐怖しているのである。

たとえどんな飼育方法や殺し方であっても、いまこの時代において、ファッションのために動物を犠牲にすべきではないのではないか。ただただ、そう思うのだ。

 

*財務省貿易統計から換算

 

~転載終了~

 

 

 

あす、東京でこちらお知らせ

毛皮反対デモ行進!

リアルファーをゼロに!

 2億5000万頭の動物が毛皮の犠牲に。

今年は毛皮の輸入量が増えてます。

 

 一緒に歩いて下さい!

毛皮反対デモ行進!

2017年12月10日(日)

13時集合、14時出発、16時解散

集合場所:代々木公園けやき並木付近

*時間や場所は変更になる可能性があります。確定し次第、フェイスブックや本サイトなどで告知いたします。

*参加連絡不要です

no-fur.com

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