【5】不確定な世界 | 沈黙こそロゴスなり

沈黙こそロゴスなり

The Message from the stars that illuminate your life.

実のところ物質とは非常に不思議な存在です。
物質の基本である原子が存在するのは、不確定性原理というものがあるからこそなのですが、原理そのものは摩訶不思議としか言いようがありません。

不確定性原理を簡単に説明すると、量子の運動を正確に計ろうとすると、位置がわからなくなり、逆に位置を正確に知ろうとすると運動がわからなくなるということです。

例えば、電子は陽子の周りを高速で回っているわけですが、普通に考えれば、電子は陽子と電気的に相反するため徐々にエネルギーを失い、最終的には陽子に衝突してくっついて中性子になってしまうはずです。

しかし、もしそんなことになったらたちまち世界は消滅してしまいます。
ところがそうはならないわけです。
それは電子と陽子の間に不確定性原理が働いているからなんです。
電子は陽子と引き合って、常に陽子に向かって墜落していきます。
ところが不確定性原理が働いているために、陽子は電子が落ちて行くのとは別の方向へ移動してしまいます。
こうして電子はいつまでたっても陽子に衝突することができません。
陽子から見ても同じことで、このふたつの量子は互いに追いかけっこしながら逃げ回っている…
近づいて一つにくっつこうとするのに、決してそうはならない…
互いに相手の動きを捉えようとすれば、姿が見えなくなり、姿を見ようとすれば動きがわからなくなる。

なんだかこの世界の人間関係を象徴しているようで切ない感じもしますが、まさに基本はここにあるわけで、二元性の原理は、量子の不確定性原理としても表れているわけですね。
この不確定性原理があるからこそ、物質は物質として安定していると言えるのです。

これは非常に重要なポイントです。なぜならこの世界は不確定さによって存在すると言うことができ、もし仮に確定した世界であれば、世界そのものが存在し得ないからです。