「〇〇沼にハマる」という言葉がありまして、〇〇には「ホスト」とか「韓ドラ」とか単語が入るのですが、大いに依存している状況を表す表現と言ってよいかと思われます。


ヒトはいろんなものに依存して生きているのですが、大雑把に言って依存の度合いが強くて生活に支障をきたしている状態を「依存症」というのだと思います。


我々は水と酸素に完璧に依存しており、酸素などはなくなったらものの数分で命がなくなるのになぜ「酸素依存症」がないのかというとおそらくふんだんに供給があることと、酸素が切れても「禁断症状」が出る前に死んでしまうからでしょう。


依存症になってしまうほど依存してしまう対象は酸素や水より供給が不安定だがなんらかの仕方でたくさん手に入るものということになります。


例えば、お砂糖などは瞬く間に血糖値が上がりエネルギーもテンションもアゲアゲになるものですが、昔は極めて入手困難だったのが文明開花に伴いいくらでも手に入るようになったがゆえの、糖質依存であり、糖尿病が現代病といわれる所以なのでしょう。


ちなみに砂糖の普及についてはこの本がとても面白くて、産業革命には石炭だけではなく人間の燃料の砂糖とひと役買っていたことがわかったりします。

 


依存と言えばアルコール依存をはじめとした薬物依存が典型的なものとして知られていますが、それもそのはず、依存という現象は脳内麻薬という自分で作った薬物によって生み出されているわけです。むしろ順番は逆で脳内麻薬に構造が似ていてものを麻薬と呼んでいると言ったほうがよいかもしれません。


脳内麻薬については以前にもご紹介してこの本が面白くて、



この本では5つの脳内物質を恋愛ホルモンとしていて、そのうちの1つがエンドルフィンという脳内麻薬で、苦痛を感じた時にそれを麻痺させるために分泌されるものだと説明されております。


苦痛を麻痺させられたとき気持ちよくなってしまいまた欲しくなってしまい、エンドルフィンを出すためにまた苦痛が生じる行為を繰り返してしまうという仕組みになっているがゆえに、DV男と別れられなかったり、自傷行為をやめられなかったりするわけです。


このエンドルフィンをうまく使えば時々喧嘩をするとか敢えて相手を怒らせるようなことを言ったりやったりすることで相手を自分に依存させることできるとも書いてありました。


筋トレとかランニングとかにも苦痛な部分があるのエンドルフィンが出るまでやると依存しちゃうので続けられるし、ゴールドシャワーやアイスバスなんかも苦痛でしかないのですが、エンドルフィンが出るせいで毎日やるようになるということになります。


私は韓ドラ沼民なので、韓国ドラマに依存しているわけですが、韓国ドラマの中に繰り広げられる世界はもう苦痛に満ち満ちており、エンドルフィンが出まくってしまうので依存してしまうのもむべなるかなということになります。


韓国ドラマの中に「復讐もの」というジャンルがありまして、

https://ameblo.mom/technemakra/entry-12862796324.html


記事内では悪意をたぎらせる快楽について書いてありますが、復讐というのは苦痛を受けた者が与えた者に苦痛を与え返すという状況でして、エンドルフィンの無限ループにも陥り脳内麻薬の観点からも、復讐という概念にハマったり復讐ものというパターンのストーリーにハマったりするのも納得がいきます。


バイオレンスものとか悲劇とかホラーなどネガティヴな情動を増幅させるストーリーが廃れないのも結果的に分泌される脳内麻薬の影響なのかもしれません。


ここでご紹介したいのが、またまたIU主演のドラマである「麗」でして、このドラマは以前ご紹介したマイディアミスターをはるかに超える苦痛レベル。



予告編で時代劇ラブコメディーと思わせておいてからの3話くらいから不穏な空気が漂いただひたすら鬱展開。


心変わり、陰謀、王位剥奪、裏切り、虐待、暴力、闇堕ち…


マイディアミスターを見た後に、こんなに辛い話見たことないと辛さ記録をやすやすと更新した作品です。


そして各々の辛く悲しいエピソードが見事な必然に導かれており、良かれと思ったことが裏目に出たり、これで安心と思った次のシーンで思いっきり覆されたり、人の心の移ろいやすさと断ち切れぬ執着、苦痛に満ちたストーリーに点在する心温まるエピソードの尊さ、などなどそのドラマ性はギリシャ悲劇やシェークスピア並みだと個人的には思いました。


次々と人が死んでいくし誰も幸せにならないのですが、3周くらい見てるしBlu-rayもOSTのCDも読めもしないのに脚本まで持っているのはもうエンドルフィンのせいだとしかいいようがない。


国も時代も違うしなんならフィクションだしタイムスリップまでしてるんだけど、ひょっとしたら自分もこんな人生だったかもという可能性の認識が自分の抽象度を上げてくれる気もします。


「麗」については別ブログでもたびたびふれております。


https://ameblo.mom/technemakra/entry-12828470759.html

https://ameblo.mom/technemakra/entry-12863324317.html


先日「最近辛いことがあっても、人生人生、ってつぶやいてがんばることにしてるんです」と言っていた苦労続きの若者がおりまして、「人生人生」もいうマントラに抽象度が上がったところが窺えて感動したりもしました。


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