文章プロデューサー大竹ひろこです。
代々木上原といえば?
ダツィ!
ダツィとは、ブータンで広く食されるチーズ料理のこと。ブータンでは唐辛子を香辛料としてではなく野菜として食すようです。ダツィは非常に辛い。写真は代々木上原駅近くのダツィ専門店で食べた、トマトダツィ。トッピングに鶏レバーを入れてもらいました。辛いよ!
この店の店主は、向かいにあるブータン料理屋で食べたダツィのあまりのおいしさに魅了され、「俺はダツィ専門店を作る!」と意気込み、なぜか物件的な都合でその店の向かいにお店を出したという変わり者。ダツィを愛し、ブータンを愛し、ブータンのものと思しき衣装や小物をたくさん飾っているにもかかわらず、ブータンには行ったことがないそうです。
メニューはもちろんダツィのみ。飲み物はいくつかありますが、ビールとワインの欄には「Ask」とだけ書かれており、今日のビールはと尋ねると、「今日はアサヒだけっすね」という回答がきました。以前来た時はどこか海外のビールしかなかったっけ。
ダツィにはいくつか種類があります。エマダツィ、ケワダツィ、トマトダツィ、シャモダツィなど。エマは唐辛子、ケワはじゃがいも、シャモはきのこです。冒頭の写真はちょっと赤みがありますでしょ。トマトの赤です。
この店のダツィはとにかくおいしいです。そのおいしさはどの程度かというと、蒲田から代々木上原まで50分かけて食べにいっちゃおうかな!と迷うくらいですよ。店内はせまいけど妙に落ち着く空間で、あのお店自体も結構好きです。
で、今日は何をいいたいのかというと、この店主のように、「世界中の料理の中でも俺はブータン料理が好きだぜ!しかもブータン料理の中でもダツィが好きなんだぜ!」という、「誰かのたった一つの小さなこだわりが、誰かの心を動かす」ということ。
幅広くいこうとすると誰の目にも留まらない。だけど「バッタが好きだ」などとバッタのことばかり言っている人のまわりには、バッタ好きが徐々に群がる。バッタ好きのまわりにはバッタ好きしか来ないかと思いきや、「俺はクルマバッタしか許さない」などの他、「俺はキリギリス派だ」「コオロギが最高」などと昆虫にまで幅が広がり、その人だかりを見て人々は「何事?」と昆虫なんて全然好きじゃない人まで群がってくる。
そんな風に、始めは小さな小さな点のような興味からスタートしていい、と私は思うのです。「そんな針の先みたいなものしか売らなくて売れるのか?」その質問に、私は鬼のように首を縦に振りまくりたい。「ああ、売れるさ!」そう断言する。
なぜ断言できるかといえば、ダツィ専門店を私が好きになったから。実は私だけでなく、他にもファンがいるのですよ。今日食べに行ったら、中学生くらいの男の子2人がいましたからね。私も人と行きましたし。うん、いい感じだな。
ということで、「こんな誰にも知られていないようなことで商売が成り立つのかしら……」そう悩んでいる人に私は胸を張ってお伝えしたい。
ああ、売れるさ、売れるとも!
私はこう考える人間です。
