【第2話】第24回セミナーコンテスト東京出場への道のつづき
会社に到着。タクシーの運転手に、その場で20分待ってもらえるか頼む。快い承諾の返事。私は急いで階段を駆け上がり、会社の自席でパソコンを開く。充電器につなぐ。やっと資料が作れる。
20分後、階段を駆け下り、待っているタクシーに乗り込む。流通センター駅を通り過ぎた時、「今日は一台もいないね」と運転手が言った。駅横のタクシー乗り場にタクシーがいないのだ。もし待ってもらっていなかったら、私はタクシーに乗れなかったかもしれない。
午前11時半。コンテスト出場者の集合時間はとっくに過ぎている。
はやる気持ちをおさえ、大森駅でタクシーを降りる。京浜東北線に乗るためホームへ向かうと、電光掲示板には「運転を見合わせております」の文字。少し待つと「人身事故」のアナウンス。嘘でしょ?電車が止まってしまった。京浜東北線に乗れないなら、品川駅まで行って山手線に乗るしかない。
仕方がないので駅近くのタクシー乗り場に行く。20人ほどの行列ができている。雨の中タクシーを待つ。最初の12人ほどは、待っているタクシーに次々と乗り込んでいく。しかし13人目あたりで待機タクシーがいなくなる。タクシーを待つ列が減らない。焦る。コンテスト開場は13時だ。間に合うのか?落ち着かない気持ちになるが、「何とかなる」と腹を据える。
私の前には若い女性が立っていた。失礼だと思いつつ、こちらに向いている彼女のスマホをチラ見する。乗換案内の画面だ。行先は…桜新町。品川を通るようだ。
「あの、すいません」「はい」「どちらまで行かれますか?」「品川まで行こうと思っているのですが、あなたは…?」「はい、私も品川です。よろしければいっしょに品川まで行ってもよろしいでしょうか?」「はい、いっしょに行きましょう」
笑顔がやさしい女性です。見ず知らずの私の提案を快く受け入れてくれる。
少し待つとタクシーが来た。私たちはいっしょにタクシーに乗り込む。「品川駅まで何分くらいかかりますか?」「そうだねえ、20分くらいはかかるなあ」運転手はそう言ったが、実際には10分で着いた。今日はついてないと思っていたが、このあたりから「ついてるかも?」と思い始める。
こんなにバタバタしていても、「優勝する」という気持ちを強く持ち続けることを意識した。そうじゃないと不安に押しつぶされてしまうから。
でも、不安はいけない。焦っても事態は好転しないのだ。
つづく
会社に到着。タクシーの運転手に、その場で20分待ってもらえるか頼む。快い承諾の返事。私は急いで階段を駆け上がり、会社の自席でパソコンを開く。充電器につなぐ。やっと資料が作れる。
20分後、階段を駆け下り、待っているタクシーに乗り込む。流通センター駅を通り過ぎた時、「今日は一台もいないね」と運転手が言った。駅横のタクシー乗り場にタクシーがいないのだ。もし待ってもらっていなかったら、私はタクシーに乗れなかったかもしれない。
午前11時半。コンテスト出場者の集合時間はとっくに過ぎている。
はやる気持ちをおさえ、大森駅でタクシーを降りる。京浜東北線に乗るためホームへ向かうと、電光掲示板には「運転を見合わせております」の文字。少し待つと「人身事故」のアナウンス。嘘でしょ?電車が止まってしまった。京浜東北線に乗れないなら、品川駅まで行って山手線に乗るしかない。
仕方がないので駅近くのタクシー乗り場に行く。20人ほどの行列ができている。雨の中タクシーを待つ。最初の12人ほどは、待っているタクシーに次々と乗り込んでいく。しかし13人目あたりで待機タクシーがいなくなる。タクシーを待つ列が減らない。焦る。コンテスト開場は13時だ。間に合うのか?落ち着かない気持ちになるが、「何とかなる」と腹を据える。
私の前には若い女性が立っていた。失礼だと思いつつ、こちらに向いている彼女のスマホをチラ見する。乗換案内の画面だ。行先は…桜新町。品川を通るようだ。
「あの、すいません」「はい」「どちらまで行かれますか?」「品川まで行こうと思っているのですが、あなたは…?」「はい、私も品川です。よろしければいっしょに品川まで行ってもよろしいでしょうか?」「はい、いっしょに行きましょう」
笑顔がやさしい女性です。見ず知らずの私の提案を快く受け入れてくれる。
少し待つとタクシーが来た。私たちはいっしょにタクシーに乗り込む。「品川駅まで何分くらいかかりますか?」「そうだねえ、20分くらいはかかるなあ」運転手はそう言ったが、実際には10分で着いた。今日はついてないと思っていたが、このあたりから「ついてるかも?」と思い始める。
こんなにバタバタしていても、「優勝する」という気持ちを強く持ち続けることを意識した。そうじゃないと不安に押しつぶされてしまうから。
でも、不安はいけない。焦っても事態は好転しないのだ。
つづく