こんにちは。大竹です。

今日は「舌触り」に関する言葉と、私の回顧録に少しだけおつきあいください。

「まるいハイボール、はじめました。」

朝の通勤途中、あるポスターに目がいきました。そこに書かれていたのがこの言葉です。このポスターを見て「あっ」と思い、歩きながら遠い昔の記憶に想いを馳せました。

大学生の頃、田舎のスナックでバイトをしたことがあります。田舎なりに小さな会社の社長さんとか、偉い方が遊びに来られます。いつもはひたすらビールを飲む私も、たまにお客さんにすすめられてビール以外のお酒を飲んだりしました。

私が初めて「お酒ってまあるいんだ」と感じたのは、流線形のセクシーなボトルの『ヘネシー』を飲んだ時です。あるお客さんに「おいしいから飲んでごらん」とすすめられ、ストレートで味わいました。

二十歳そこそこの小娘でしたが、「舌の上で転がる」という言葉だけは知っていました。それを初めて体感したのです。

なんでしょう、あの感じ。ウィスキーは好きじゃないのですが、この時「ブランデーはすごくおいしい」と感じました。舌の上で転がる液体。まあるい舌触り。今でもあの時の感覚は忘れられません。

と同時に、キャッチコピーのすごさも実感しました。言葉ひとつで懐かしい記憶まで呼び起こされてしまう。ハイボールは苦手ですが、本当に「まるい」ならちょっと試してみようかな、なんて思わされてしまうのです。

人間の五感に直結する言葉は、その人の遠い記憶まで呼び覚ます。奥深い言葉はやはり『体験』から生まれるのですね。

伝わる文章を書くため、今日も新しい体験をしに行こうと思った朝の話です。