そして真冬の寒い日、病院で状態は良くない、ここ数日もつかどうかと言われた。いよいよ覚悟しなければと車に乗り数分走ったところで路肩に寄せ、こみ上げてくる感情のまま泣いた。こんなに連呼したことはないくらいお母さんと呼び続けながら泣いた。

姉と違い小さい時から元気すぎて言うことを聞かない私としつけに厳しい母は良く喧嘩をした。反抗期も半端なく相当な心配もかけた。
絶対この人とは合わないと思っていたのに老後に同居するなんて自分は大丈夫かと自問したこともある。でも歳をとり、孫たちに愛情注ぐ母をみて、愛情深すぎて心配していたんだとわかり、ありがたかった。
感謝と後悔のぐちゃぐちゃな涙を流し、深呼吸しながら落ち着きを取り戻してから帰宅した。


家につき家族に話している時に病院から電話が。危篤です、すぐに来てくださいと。とにかく夫と二人で向かう。そしてあと数分で着くという車の中で夫がポツリ 「ああ、逝っちゃった。間に合わなかったな」と。

ええ?うそ!
動揺しながらも急ぎ、病院に着いた。
病棟までかけあがると看護師さんから「残念でした。〇〇時〇〇分にお亡くなりになりました」と。さっき夫が言った時間だ!

部屋へ入ると全て機械が止まって看護師さんが片付けていた。この後ケアが始まるまで付いててあげて下さいと言われそっと近づいた。

まだ温かい。寝てる。そうとしか見えないが呼吸も無くああ、死んだんだなと。なんだか空っぽな気分だった。

私の横で、夫は母の顔を見ていたがすぐに周りを見回して「すごくざわついているから外で落ち着けてくる」と言い出ていった。

どうやら亡くなった母の周りに霊?魂?が沢山集まって来ていたらしい。お迎え?と聞いたらそれだけではなく霊的野次馬?みたいなのも居たらしい。シンと静まり返った部屋が彼には雑踏の中のように視えていたらしい。

その後遠方の姉が到着し、帰宅の手配をして母は無言の帰宅となった。