『戦争は女の顔をしていない』1~3 小梅けいと

原作:スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ

監修:速水螺施人


第二次世界大戦中、ソ連で百万人以上の女性が従軍した。しかし戦後は白い目で見られ、自らの戦争体験を隠さなければならなかった。

そんな500人以上の従軍女性からの聞き取りをまとめた本のコミカライズ版。


以前、アレクシエーヴィチの本をちょっとだけ読んだことはあったのですが

なんというか、すごく読みにくくて、半分もいかないくらいで挫折しておりました。

あれを原作にした漫画があることは知っていましたし、いつか読みたいと思っていました。

機会があり、先日1~3巻を読みました。現在6巻まで出てるようです。


挫折した理由はまぁいくつか考えられるんですが

名前が長いし読みにくいとか

舞台となったドイツとソ連の戦いについて、私に予備知識がなかったとか

インタビュー集のため、急に話す内容が飛んだり、次の人の話はまた全然違う時期の違う地域の話だったりするのでわかりにくかったりとか。

聞き書きやルポルタージュというより、どことなく劇の台本に近い感じで淡々としていて、いろいろとイメージしずらかったからかもしれません。


漫画ってすごいですね。

漫画の第一話「従軍洗濯部隊政治部長代理ワレンチーナ・クジミニチナ・ボルシチェフスカヤ中尉の話」(p3~26)は、

原作でいえば「特別な石けん「K」と営倉について」(岩波現代文庫p260~272)の一部分(p260~266)にあたります。

読み比べてみると、わかりやすさが全然違います。

文字にして7ページ。それを、ほぼ内容を変えずに20ページ以上の漫画にする。絵の補完力たるや。

服装とか髪型とか、背景とか、まわりの人の表情とか、そういうものの重要性よ。

「営倉」という単語が出てくるのですが、それがなんなのかは本も漫画も説明はしてなくて。

でも漫画は絵があるから、多分「懲罰房」とか、そういう、閉じ込めておく場所のことかな、と見当がつけられる。

文字だけだとわからない、いろんな情報を補完してくれるし、絵があって登場人物が喋ることで、話の輪郭とか濃淡がはっきりしてくるというか。


 それから、監修の速水さんのおまけページも大変ありがたかったです。

独ソ戦の解説とか、1話のミシンに関する話など。

“この戦争でソ連は軍人、民間人あわせて2700万人を失っている。(中略)ドイツの死者は約800万人。ちなみに日本は約300万人を失った”

ケタが違いすぎるんですが。


洗濯部隊、軍医、狙撃兵、飛行士、機関士など、本当にいろんな事をしていたんですね。


まだ10代だった女の子、 夫婦で従軍して夫が亡くなった人、戦地で知り合った人と結婚したが夫の母や姉からは歓迎されなかった人、子どもを置いて戦地へ行った人、いろんな背景の人がいたことがうかがえます。


階級証などが覚えられなくて、伝言の際に上官のことを「おじさん」と呼んだ話は笑ってしまいました。


今なら、本の続きを読めそうな気がします。