「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」

そう語ったのは、オーストリアの心理学者アドラーでした。

誰と関わり、誰と距離を取るか。

それは、私たちの幸福と自由に深く関わる選択です。

けれども、その判断基準が世間や損得に染まってしまえば、心はいつか自分を見失ってしまうでしょう。

では、何を拠り所に「付き合う人」を選ぶべきなのでしょうか?

この問いに、遥か千年の昔から静かに答えている人物がいます。

それが、真言密教の祖・空海です。

空海は、人が仏へと至るためには、ただ坐して瞑想するのではなく、

身(行い)・口(言葉)・意(想い)を

一致させて生きることが大切だと説きました。

この「三密」は、人との関係を選ぶうえでも、深い示唆を与えてくれます。

行いが澄んでいるか。

言葉が誠実か。

そして、その奥にある思いが、慈しみと敬意に満ちているか。

この三つが自然と響き合う人との縁こそが、私たちの魂を照らし、導いてくれるのです。

さらに空海は、すべての出会いが「縁起」によって結ばれていると説きました。

目に見える条件ではなく、ふと心が震える感覚。それこそが、前世から続くご縁のあらわれかもしれません。

だからこそ、人とのつながりは「選ぶもの」であると同時に、

「思い出すもの」でもあるのです。

魂は、他者との共鳴によって開かれてゆきます。

だから、あなたの光を奪う人ではなく、静かに火をともす人を選んでください。

それは「嫌われる勇気」ではなく、

「愛されるべき自分を生きる覚悟」なのです。

今日もまた、あなたの内なる光が、誰かと響き合いますように・・・。




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