今月のお題は『プレゼントにまつわる思い出』です。
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ハーバードの大学院卒でスポーツ万能。ブルーの瞳を持つ彼女は、油田を持つ富豪の妻。そして2児の母でもあった。幼稚園児の息子と、おむつも取れない幼い娘を連れて単身日本に渡り、大学で教鞭をとっていた。
周囲の不安や反対をよそに、まだ情勢が落ち着かなかったカンボジアにも、衛生状態があまり良くなかった時代の中国にも、幼い子どもたちを連れて平気で渡航する。そしてとんでもない人脈を築き上げてくる。まさに天才であった。
世界的なピアニスト、プロスポーツ選手、俳優、政治家、ロイヤルファミリー、研究者、指揮者、芸術家。
彼女の口からは、流し込む赤ワインの量に比例するかのように世界中の有名人の名前が、あふれ出てくる。まるで近所のおばちゃんおじちゃんの話でもしているかのように。圧巻だった。
そんな彼女から、人生最大のクリスマスプレゼントをもらった。
大学を卒業してすぐのクリスマス休暇、アメリカにある彼女の家へのご招待を受けたのだ。
往復の渡航運賃はもちろん、1ヶ月に渡るすべての滞在費、遊興費、おまけにアメリカ横断及び観光という特典つきだ。
ドキドキしながら足を踏み入れた彼女の家は「豪邸」そのものだった。
総大理石の床のエントランスには、クリスマス用にデコレートされた巨大なもみの木。
広いリビングには美術館のようにマイセンの食器があちこちに飾られ、大きな2つのダイニングのシャンデリアの下にはピカピカと銀器が輝く。ランニング可能な巨大廊下の両端はすべてクローゼット。夜ごとのパーティー、ダンス、あめ玉よりも大きなエメラルドやルビー、ダイヤモンド、毛皮、ドレス、観劇、ゴディバのチョコレート、セラーにぎっしりと並ぶワイン、クイーンサイズのベッド、別荘へのバカンス。
広大な敷地の中に設えられた露天のジャグジーで、毎夜赤ワイン片手に浸かりながら星空を見上げ、まったくもって現実感のない世界に陶然となった。ご馳走も、著名人との出会いも、旅先での素敵な経験も、上流階級の社会も、何もかもが新鮮で夢の様な経験だった。
そんな中で私が一番嬉しかったプレゼント。
それは「彼女と過ごす時間」そのものだった。
ベンツの助手席に座りながら、別荘の暖炉の前で、ジャグジーでワインを飲みながら、リビングのソファーに沈み込みながら、あるいはエステの台に寝転びながら。彼女は私に彼女が編み出した人生哲学を語った。
「望み、行動すること」「チャレンジすること」「好奇心を忘れないこと」、そして「常に上を見ること」。
あの日から10年近くがたった今でも、大恩師がプレゼントしてくれたあの冬を思い出すたびに夢見心地になる。そして、今歩く現実の道の不甲斐なさに気がついて、ため息を一つ。
思わす履き古した靴のつま先を見、その瞬間「いやいや、まだまだ!」と小さく呟きながら慌てて空を見上げる、そんな日々。
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You think what? は読者投稿のコーナーです。
こちらから投稿出来ますので、あなたの意見もぜひ聞かせてください。
お待ちしています!!
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ハーバードの大学院卒でスポーツ万能。ブルーの瞳を持つ彼女は、油田を持つ富豪の妻。そして2児の母でもあった。幼稚園児の息子と、おむつも取れない幼い娘を連れて単身日本に渡り、大学で教鞭をとっていた。
周囲の不安や反対をよそに、まだ情勢が落ち着かなかったカンボジアにも、衛生状態があまり良くなかった時代の中国にも、幼い子どもたちを連れて平気で渡航する。そしてとんでもない人脈を築き上げてくる。まさに天才であった。
世界的なピアニスト、プロスポーツ選手、俳優、政治家、ロイヤルファミリー、研究者、指揮者、芸術家。
彼女の口からは、流し込む赤ワインの量に比例するかのように世界中の有名人の名前が、あふれ出てくる。まるで近所のおばちゃんおじちゃんの話でもしているかのように。圧巻だった。
そんな彼女から、人生最大のクリスマスプレゼントをもらった。
大学を卒業してすぐのクリスマス休暇、アメリカにある彼女の家へのご招待を受けたのだ。
往復の渡航運賃はもちろん、1ヶ月に渡るすべての滞在費、遊興費、おまけにアメリカ横断及び観光という特典つきだ。
ドキドキしながら足を踏み入れた彼女の家は「豪邸」そのものだった。
総大理石の床のエントランスには、クリスマス用にデコレートされた巨大なもみの木。
広いリビングには美術館のようにマイセンの食器があちこちに飾られ、大きな2つのダイニングのシャンデリアの下にはピカピカと銀器が輝く。ランニング可能な巨大廊下の両端はすべてクローゼット。夜ごとのパーティー、ダンス、あめ玉よりも大きなエメラルドやルビー、ダイヤモンド、毛皮、ドレス、観劇、ゴディバのチョコレート、セラーにぎっしりと並ぶワイン、クイーンサイズのベッド、別荘へのバカンス。
広大な敷地の中に設えられた露天のジャグジーで、毎夜赤ワイン片手に浸かりながら星空を見上げ、まったくもって現実感のない世界に陶然となった。ご馳走も、著名人との出会いも、旅先での素敵な経験も、上流階級の社会も、何もかもが新鮮で夢の様な経験だった。
そんな中で私が一番嬉しかったプレゼント。
それは「彼女と過ごす時間」そのものだった。
ベンツの助手席に座りながら、別荘の暖炉の前で、ジャグジーでワインを飲みながら、リビングのソファーに沈み込みながら、あるいはエステの台に寝転びながら。彼女は私に彼女が編み出した人生哲学を語った。
「望み、行動すること」「チャレンジすること」「好奇心を忘れないこと」、そして「常に上を見ること」。
あの日から10年近くがたった今でも、大恩師がプレゼントしてくれたあの冬を思い出すたびに夢見心地になる。そして、今歩く現実の道の不甲斐なさに気がついて、ため息を一つ。
思わす履き古した靴のつま先を見、その瞬間「いやいや、まだまだ!」と小さく呟きながら慌てて空を見上げる、そんな日々。
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