闇金ウシジマくん 1 (1) (ビッグコミックス)/真鍋 昌平

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日常生活では(たぶん)関わりのない闇金。
しかし、闇金にお世話にならざるを得ない状態になる人もいるのが現実。

タイトルは闇金業者「カウカウファイナンス」の社長ウシジマくんの名前ですが、物語の主人公は、闇金にお世話になることになった、どうしようもないダメ人間たち。
生活苦や会社の倒産など、やむを得ない事情で借金をするのではなく、つまらない見栄やギャンブル、薬物など、自業自得としかいいようがない原因で借金地獄に落ちた債務者たちが、ウシジマくんの手によって、さらに堕ちていく様が描かれています。

ウシジマくんの台詞で
「人並み以下のクセに人並みに暮らしてる、身の程知らずのクズどもに終止符を打つのが俺たち闇金の仕事だ」
ウシジマくんの終止符によって、そこから更生することができるのか、それとも、奈落の底に落ちるのか。それは本人次第です。

独特のタッチの絵柄は、読む人を選ぶかもしれません。
下手ウマ感溢れる絵が、物語にリアルな恐怖を与えています。
繁華街のはずれの薄暗い路地、古びた小さな雑居ビル。顔や身体にあるおでき、フケ、たるんだ肉体や皮膚、それらに虫がたかる様子。普段は目を背けたくなるような、でも確かにそこに存在するであろう場所や人。「こんなことありえない!」と否定できない現実が、生理的嫌悪感を覚えるほどに鋭く汚く描かれています。

借りる消費者が悪いのか、貸す闇金業者が悪いのか、彼らと同じように私たちも存在する社会そのものが悪いのか。
言うまでもなく闇金の存在は違法です。しかし、はっきりと善悪をわけることのできない世界がここにはあります。

追い詰められる債務者を「バカだなあ」と思いながらも、彼らが引き返せないドロ沼にはまっていく様を楽しんでいる自分もいて「他人の不幸は密の味」という言葉を噛み締める。

下手なホラーマンガより、よっぽど怖いこのマンガ。
他人事として読むなら本当におもしろいです。


Written by cheeco