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Before the Rain
映画「Before the Rain」はマケドニアの民族闘争を舞台にした、とても重く悲惨なストーリー。これは私のとっておきの映画で、自信を持ってオススメできます。ヴェネチア映画祭で10部門を独占し、この他にも数々の賞を受賞したそう。
この映画は3部作で構成されています。
<言葉/WORDS>
マケドニアの教会で「声を出さない」沈黙の修行をしている修行僧の所に、一人の少女が何者かに追われて逃げ込んできます。その少女をかくまったその修行僧は教会を追放され、その少女と共に旅立ちます。
<顔/FACES>
ロンドンで活躍するマケドニア人の写真家である男は、既婚者である恋人と共に、故郷であるマケドニアに帰る決心をします。それにはまず、その恋人は夫と別れなければならない。その恋人は夫にレストランで別れを切り出します。
<写真/PICTURES>
マケドニアに帰ったその写真家は、生まれ育った村が民族、宗教によって分裂し、幼い頃一緒に遊んだ仲間たちが今は敵対している様を目の当たりにします。ある日、彼のいとこが殺され、殺した犯人はマケドニア人と敵対するアルバニア系の少女でした。その少女を殺そうとする彼の仲間達から、写真家は少女を逃がしてあげます。
この3つのあらすじを書いただけでは、何の事やらさっぱりわからないかもしれません。しかし、映画を見ていただければ、今月のテーマである「Period」の月にこの映画を紹介させていただいた理由をわかっていただけるでしょう。「Period」には「終止符、終わり」という意味の他にも「時代」や「周期」という意味も含まれています。
この映画では戦火の映像は一つもありません。
でも、民族紛争の悲惨さ、悲しさがひしひしと伝わってきます。
悲劇の始まりは、雨の前なのか、後なのか……
悲劇は繰り返されるということなのか……
非常に重く、心にズッシリとくる映画です。
因みに、第1話<WORDS>に出てくる若い修行僧。
逃げる時に袈裟のような衣装から普段着に着替えるのですが、そのお着替えをした私服はジーンズにアディダスのTシャツでなかなかお洒落。「輪廻」を見事なまでに表現したこの映画ではあるのですが「修行僧」と「お洒落なアディダスのTシャツ」は私の勝手な偏見と全く持ってリンクされないので、どうせなら全裸で逃げて欲しかった。
そんな事を思いながら、実際彼が全裸で逃げているあのシーンを想像し思わず一人笑いをしてしまう、非常に不謹慎な私です。
Written by yukyux