『あまり、えり好みをしないこと。いい出会いは、意外なところにある』
—米村でんじろう「プロ論2」より—


昔々、雀達のもてなしに満足したおじいさんは帰る段になり、お土産を選ぶことになりました。目の前には大きなつづらと小さなつづらがひとつずつ。あなたなら、どちらを選びますか?

ユニークな化学実験でお馴染みの、サイエンスプロデューサー米村でんじろう氏は、今でこそテレビなどで「よく見る人」ですが、過去にはなかなか認められない苦悩の時期があったそうです。

「若いときのブランクで、けっこう屈折していましたからね。コンプレックスがすごくあったんです。(中略)僕は、科学を研究するような仕事がしたいと思っていました。大学のときも『教員なんて』という気持ちの方が強かった気がする。でも、思い通りにならなかったから、今があるんです。こんな仕事がしたい、こうなりたいと望まなかったのに、今なっている。だから思うのは、えり好みをしすぎないということなんです。えり好みをしすぎると、いい流れ、いい出会いがあっても、自分で遮ってしまう。あまりえり好みせずに流れに乗るというのも悪くはないと僕は思うわけです。いい出会いって、意外なところにありますから。」

昔話の教訓が沁みてる(はずの)30代では、当然小さなつづらを選ぶでしょう。そして「やっぱりダメやんけ!」と嘆く人生を歩んだ人もいたりして。これって『慎ましくあることでかえって大きなとくを得る』ということを伝えているのですが、欧米から入ってきたビジネス論理に基づくと完全なる負け思考とも言えます。

そうなるとどちらの『つづら』を選ぶかは自分に委ねられています。しかし、選択というのは指針がはっきりしていないとなかなか決断出来なかったりしますね。『つづら』を選ぶことが出来なくて結局どっちも手に出来なかった——こんな結果にもなりかねません。

女性はもともとグループ化したがる傾向にあるものです。結婚して専業主婦になってしまうと尚更、外部との隔たりを感じて一層グループに依存することもあるのではないでしょうか。そうなると視野が狭くなり、自分の核たるものがはっきりしなくなることも考えられます。勿論、グループでいることがいけないということではありません。良いこともあるでしょう。ただ、安全な檻にいるといつの間にか牙を抜かれたようになってしまうものです。そうなるとせっかくの機会が素通りしても気づかないことになってしまうでしょう。

いつも考え、視野をオープンにしておくこと。これを忘れないようにしたいものです。

プロ論。2

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