『これはやってはいけないことだ、と思われるようなことこそ、たいていの場合、むしろやらなきゃいけないことである。そう思ってみてほしい』
—岡本太郎「人間は瞬間瞬間に、いのちを捨てるために生きている。」より—


もともと真面目だと言われる日本人のこと、道徳的に「してはいけない」「~ねばならない」という観念に縛られるという場面は多々あるものです。それはまるで社会が道徳を作り上げているかのように感ぜられますが、実際はひとりひとりが作っているものです。
そしてその、社会的・道徳的観念に縛られて自分の思うように動けないと悩む人がいるのも現実。

日本を代表し、多くの有名著名人に影響を与えた天才芸術家・岡本太郎氏は続けます。

「自分は、できるだけ意識して新しくなり、若いものに理解をもっているつもりでも、気がつかないうちに、いつの間にか古くなって時代からずれている。新しすぎるということはないものだ。あなた方からすれば、道徳がないように見える若い世代こそ、新しい今日の状態に即応した道徳があるのだということを知らなければならない。」

性格が丸くなる、といいますが反対に頭は固くなるといいますね。
歳をとるということは経験が積み重なる分、理解がすすむので相手の行動にも理解を示すようになりますが、半面、自分が積み上げてきた『常識』外の行動を目にしようものなら途端に、「それはしてはいけないこと」や「~ねばならない」と思いこんで苛々したり相手を『出来ない人』とみなしたりしてしまいがちです。

とはいえ、世の中が移ろうように変わっていくべき概念が存在するのも当たり前のこと。古い概念に縛られることで、結局は自分自身を窮屈にさせていることもあるのではないでしょうか。

受け入れることは凝り固まった中身をほぐすきっかけにも繋がると思います。「嫌だな!」と思うことも目を開いてみる事で新しい何かが発見出来るかもしれません。

ただし、許容することと日本古来の文化を捨てることとは別の話です。本当に大切にしなくてはいけないことを継承する義務があるのも大人ですから、その辺のさじ加減も『大人の課題』といったところでしょうか。



岡本 太郎
人間は瞬間瞬間に、いのちを捨てるために生きている。