いぬ 1 (1) (小学館文庫 かE 1)/柏木 ハルコ

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誰でも一度は耳にしたことがあるであろう単語。
バター犬。
都市伝説のような、でも、その特殊な任務ゆえ決して表には出てこない存在。

このマンガの主人公、見た目は清純そのものの女子大生・清美。愛犬をバター犬として酷使した結果、糖尿病で死なせてしまいます。愛犬の代わりに目をつけたのが、清美に思いを寄せるチビメガネのオタク、中島君。

清美は、イケメンと恋愛はできるけど「こんな格好悪いとこ見せるなんて、とても集中できない!」とセックスは拒絶します。
その点『いぬ』の中島君には、何をしても、何を見られても平気。突然中島君の元を訪れては、行為を要求し、終わったあとはツヤツヤした顔で「セックスしてくれてありがとう!」とにこやかに去っていくのです。

中島君も、当初は好きな人とセックスできると喜びますが、そのうち、この扱いはまさに『いぬ』、恋愛対象には絶対なれないことと、自分の恋心のギャップに気づき、次第に、清美への怒りが沸いてきます……


「セックスは互いの愛を確かめ合う行為」なんて一般論とは対極の「愛と性欲は別物である」という物語。

本能のまま行動すること、ありのままの自分をさらけ出し受け入れられることは、人間の本来の姿であり、喜びに繋がるのかもしれませんが、それは、時に誰かを傷つける結果になりうることもあります。


Written by checco