子羊授乳手伝いの話。

 

私は基本のところは

ぐうたらなんですが、

『仕事』と名のつくことに

関わるならばその部分だけは

きっちりやりたいところがあって、

こういうのはやはり

親の影響というか

薫陶なんですかね・・・?

 

「仕事の邪魔を

してはいけない」を

厳しく言われてきたから、

みたいな・・・?

 

(逆に言えば私は

仕事の邪魔を

しがちな子供であった)

 

(『邪魔になるくらいなら

仕事に関わろうとするな』的

家風だったんですよね)

 

授乳作業に参加して3日目、

「哺乳瓶の洗浄・除菌作業を

一人でやらせてもらえませんか。

それで私の手順に間違いがないか

横で確認して欲しいんですけど」

と自ら志願し

(初日にやり方を習い、

2日目に指示を受けながら

自分でやるところまでは

出来ていた)

教育係である毒舌夫人から

「できてるわ、合格よ」

 

「おっじゃあ免許皆伝ですか」

 

「たった3日で

いい気になるんじゃないわよ」

 

「すみません」

 

ちなみにこちらの洗浄手順、

自分の記憶力の限界を知る私は

こっそりノートに

メモを取っていたんですが、

それをぽろっと毒舌夫人と

牧場主奥様に話したら

(ぽろっと話すところが

私の仕事における狡猾さ

4日目からは監督なしで

哺乳瓶洗浄・除菌を

任せてもらえるようになりました。

 

 

でもまだ『助っ人』を

名乗れるレベルではまったくない。

 

なお子羊たちは順調に育っていて

最近は飼料(ペレット)や水も

与えるようになっており、

私はそのやり方も習っているんですが

毒舌夫人について

水用バケツの洗い方など

教わっているじゃないですか、

「洗浄用の水はこっち、で、

飲み水として与える水はこっちね、

分量としてはバケツにこのくらい

・・・待って、あなたがここで

私にこんなことを教わっている間に

牧場主奥様が哺乳瓶を

洗おうとしているわ、

我々は彼女を休ませるために

ここに来ているのよ、あっちで

彼女から仕事を奪って頂戴!」

 

私は颯爽と勝手口から

牧場主一家の家に飛び込み

「さあ見習いに哺乳瓶を

洗わせてください、早いとこ

手順を暗記したいんですから!」

 

頑張っています。

 

 

子羊の顔の見分けは

まだつかないし

『お腹いっぱい』の子羊と

『おかわりあげてヨシ』の子羊の

お腹のふくらみの見分けもつかない

 

素人考えとして

身体が小さくて細い子に

ミルクのおかわりを

あげたいじゃないですか、

でもそこは身体の大きい子に

あげるべき場合もあるんですって

 

難しいですなあ

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そんなわけでこのところ

子羊に授乳するため

早朝に家を出ている私です。

 

ちなみに授乳助っ人

初日前日、私は

興奮のあまり

寝付けませんでした・・・

 

「自分で言うのも何ですが

まるで10歳くらいの

子供ですね」と

牧場に向かう道すがら

わがお散歩仲間の毒舌夫人

(子羊授乳に関しては

私の指導役)に告白したところ

牧場に着くなり毒舌夫人は

牧場主の奥様に

「この人楽しみのあまり

昨日寝れなかったんですって、

まるで6歳児じゃない?」

 

牧場主奥様は私を見て

「あなたは若く見える

性質(たち)と思っていたけど

勘違いだったのね、

本当は4歳だったのね」

 

さてそんなわけで!

 

私が早朝に外出する件、

わが夫(英国人)は

「早起きはいいことです」と

素直に喜んでいる風なのですが、

事の初日に怒り狂ったのが

わが愛犬アーシー(黄色大犬)。

 

普段よりも1時間ほど早く

私が起き出したことはともかく、

そんな私が

のそのそと野良着(犬の

散歩の時と同じ上着)を着て

どうしたのかと思っているところに

大好きな毒舌奥様の車が

近づいてくるのがわかって、

それはアーシーとしては

「えっ!今日は何か

特別なお散歩の日?

こんな早くから?

車でお出かけ?

毒舌夫人のおばさまも一緒?」

みたいなことになるじゃないですか。

 

それが気が付くと私の姿は

毒舌奥様の気配とともに消え・・・

 

期待が大きかった分

がっかり感も

半端なかったろうというか・・・

 

子羊たちへの授乳の後、

毒舌夫人の車で家まで

送ってもらい

ふと視線を感じたので

玄関のほうを見ましたら、

玄関わきに我が家は

窓があるんですけど、

そこでアーシーが・・・

 

かつて見たことのない

形相と姿勢をしていて・・・

 

お客が来た時に喜んで

窓枠に脚を載せることは

時々あるんです、でも

そういう時は

前脚が肩幅っていうか

適度に閉じているのが

この時はアーシー、

窓枠一杯に前脚を開いていて

・・・敗軍の司令官とか

独裁者が机の後ろで

するポーズっていうか・・・

 

こう完全に体重を

前脚に載せた状態で

顎をあげて

それで身体全体に

力が入っているから

口元は横一文字

肩から胸、前脚にかけ

筋肉が浮き上がっていて・・・

 

切れてるキレてる!

 

まさに怒髪天を突く。

 

ここまで怒りを露わにしている

アーシーを見たのは

これが初めてかもしれません。

 

なおアーシーはこの後

毒舌夫人に犬用の声で

「あらあら私たちのことを

そうやって待っていたのね!

なんていい子かしら!

さあ今からお散歩に行くわよ!」

と言われたら

ころっと機嫌を直しました。

 

 

そういう犬なのでございます。

 

 

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そんなわけでご近所の

羊飼いさんの農場で

子羊たちへの授乳を

手伝ってまいりました。

 

・・・正直私が

どれほど戦力になったか

自分自身では

わからないのですが、

とりあえず無駄口は叩かず!

 

言われたことはすべてやり!

 

わからない点は質問しました!

 

・・・子羊の頭を撫でる

余裕はなかったです、

撫でるっていうか

哺乳瓶からミルクを飲む子羊の

横から頭をねじ込んできて

ミルクを盗み飲みしようとする

子羊の頭を全力で抑える場面は

何度かあったんですけど・・・

 

右手で哺乳瓶を抑えているところに

自分の右側から盗み飲み目的の

子羊が来るとするじゃないですか、

私が必死に左手でその

盗人子羊の額を押し返していたら

横にいた毒舌夫人(指導役)が

見るに見かねて、みたいな口調で

「Norizo・・・そういう時は

哺乳瓶を持ち換えて、左手で

哺乳瓶を持って、それで右手で

盗人子羊を抑えればいいのよ」

 

これがどういう話かというと

つまり現場での私は

このレベルでポンコツ

あったということです。

 

(後から思い返したら

あの時私の両腕は

知恵の輪のように

ねじくれ絡み合っていた)

 

だってさあ!

 

万一のことがって

子羊の健康に問題が生じたら

私はもう後悔のずんどこに

陥ることは確実だからさあ!

 

 

ちなみにこの時点で、というか

ここにきて私が呼ばれた理由は

明言こそされませんでしたが

なんとなくわかりました、

人工授乳を必要とする子羊の

多くはすでにある程度育っていて、

『生まれたばかりで体も弱く

一刻を争う判断が必要!』みたいな

状態の子羊はこの日は

あんまりいなかったんです。

 

 

なお残念なことに

私には子羊飼育の

天賦の才はなかった模様・・・

 

ある子羊は私の哺乳瓶を

支える手の角度が悪かったのか

ごぼごぼ口のわきから

ミルクをこぼし、これは

子羊の消化に良くないんですって!

 

ミルクと一緒に空気を

飲ませすぎちゃうと

お腹が張って

問題が生じるんですって!

 

「この子には抱っこした状態で

ミルクをあげて」と子羊を渡されるも

・・・皆さん、子羊の『抱っこ』の

正しいやり方、わかります?

 

犬とか猫はわかる、

でも子羊ですよ?

 

すみません、子羊は

仰向けにすべきですか

それともうつ伏せ?

 

どれくらいの強さで

身体を抑えていいんですか?

 

で、抱っこ状態でミルク・・・

 

・・・子羊の首は

伸びていたほうがいいのか

(哺乳瓶を離れた位置で持つ)

縮んでいたほうがいいのか

(もっと身体の近くに寄せる)・・・

 

・・・やはり私は

足手まといであったか。

 

でも哺乳瓶と乳首の

消毒方法はさっきメモしたので

これは明日から自信をもって

「任せてください」って言える!

 

・・・かも!

 

・・・と言い切るのは

ちょっと自信過剰か・・・?

 

明日はやっぱり隣で毒舌夫人に

仕事手順を監督してもらいたい、

それでお墨付きを得てから

「これは私に任せてください」って

堂々と宣言をしたい。

 

そう、私は先方から

「もう来ないで頂戴」って

言われるまで押しかけ弟子を

続ける所存です、

こういうところで

生来の嫌なしつこさ

発揮したいと思います。

 

頑張ります!

 

 

明後日くらいに先方から

「悪いけどもう来ないで」って

言われたら慰めてください

 

いや本当自分が言われた通りに

できているのかいないのか

イマイチわからないんですよね

 

なお作業中の子羊の

写真は撮れませんので

かわりに近所の聖母子像の

画像を載せておきました

 

メエメエ

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私の電話は滅多に

鳴らないことで有名ですが

(あれ?悲しいことを

告白しています?)、

それが昼過ぎに鳴りまして。

 

表示を見ると

わがお散歩仲間の

毒説夫人のお名前が。

 

次回のお散歩を

キャンセルしたいのかな?と

「はいもしもし」

 

「もしもし、前置きなしで

早速本題ですけどね、

アナタ子羊への授乳

本気でやりたいと思っている?」

 

 

説明しよう!

 

先日近郊の羊飼いさんの

ご家族が病気になり、

子羊の面倒を

見る手が足りない、と

毒舌夫人が加勢に呼ばれ、

当然のごとく私も

助太刀を申し出たものの

「素人は足手まとい」と切り捨てられ

・・・しかし私はその後も

折に触れやる気を

アピールしていたのであった!

 

私は変なところの

しつこさには定評がある!

 

なお羊飼いご家族はその後

順調に回復中で一安心だ!

 

「思っています、今からですか?

40秒で支度できます、

なんなら支度なしで

即時このまま参加できます」

 

 

 

 

「流石に今これからじゃないわよ、

明日の朝、でも朝早いわよ、

本気なら朝に迎えに行くんだけど」

 

「本気も本気、お声を

おかけくださって

まことにありがとうございます」

 

「じゃあ明日ね、

汚れてもいい服でね、

足元は長靴、それで手袋、

台所用の肘まであるやつね、

あれを準備しておいて」

 

「園芸手袋でいいですか?」

 

「いえ、防水効果が

あるやつのほうがいいわ、

持ってなかったら私のを

貸してあげられるけど」

 

大丈夫です、あります!

 

というわけで皆様!

 

求めよさらば与えられん、

念ずれば花開く、

私は羊飼いへの弟子入りを

認められたのであります!

 

ただ素直な心境を告白しますと

私は子羊を

撫でまわしたい気持ちが半分、

ご近所の方の純粋な助力に

なりたい気持ちが半分です。

 

いや偽善的に

聞こえるかもですけど、

でもこちらの羊飼い家庭には

我々はこれまで色々

お世話になっていてですね。

 

まあじゃあちょっくら

(『ちょっくら』って死語ですか?)

私は自分が『やれば出来るやつ』な

ところを誇示してきたいと思います。

 

あっこれは失敗フラグ?

 

でも頑張ってきます!

 

 

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ところでわが夫(英国人)は

時々本当に私とは

物の見方も考え方も違うなあ、と

思わせてくれるんですけど。

 

映画『グレイテスト・

ショーマン』

私が一番好きな場面というか

歌と振りつけは、主人公が

事業で失敗した後に

酒場で事故憐憫に

浸っているところに

芸人たちがやって来てのあれ。

 

これ:

 

この踊りの振り付け、

非常にいい

私は強く主張したい。

 

「音楽の旋律と歌詞と

振り付けがまさに

混然一体となりつつ

登場人物たちの個性も

よく考えられていて、

あれは本当に最初に

現場で通しリハをした時とか

関係者は楽しかったろうな」

 

私の言葉に夫は頷きつつ

「僕もあの場面については

色々思うところがあったんですよ」

 

「お、何だ、聞こうじゃないか」

 

「まず最初に確認ですけど

あの酒場は劇場付属の酒場、

とかじゃないですよね?」

 

「違うんじゃないか?

あそこは主人公がフィルに

共同興行を持ち掛けたのと

同じ酒場だと思ったけど・・・」

 

「そうですよね、劇場に

付属しているならあの時は

燃え落ちているはずですものね。

ということはあれは

街中の一般の飲み屋ですよね」

 

「うん、まあそうだな」

 

「あの時主人公は

一文無しのはずですよね?

どうしてお酒を

飲めたんだと思います?」

 

「・・・えーと・・・」

 

「芸人たちも飲み始めますよね?

誰が飲み代を払ったんでしょうか?」

 

・・・主人公のお財布には

酒代と電車賃が払えるくらいの

お金が残っていた、というのが

私の考えなのですが・・・

 

でもああいう状況で

限りあるお金を

お酒の席のバカ騒ぎに

浪費する男、というのは

冷静に考えるとダメすぎるな・・・

 

・・・私は単にあの

音楽と踊りを

楽しみたかっただけなのに!

 

同じ星を見ていても

考えていることは違う、

というのはこういう状態の

ことを言うのでしょうか。

 

 

 

 

フィクションを楽しむ時は

ある程度の嘘は呑み込むべし、を

映画『ザ・コンサルタント』の時には

問題なく無意識にできていた夫が

まさかこの作品で引っ掛かるとは。

 

 

 

不思議なものでございます!

 

 

 

 

 

あの場面、歌の旋律と歌詞、

どちらが先に出来ていたのか

 

監督からどのような

『希望』、全体構想が

作曲・作詞家・振付師に

伝えられていたのか

 

舞台作品が先に

あるわけじゃないから

監督はある程度

カメラワークみたいなものが

最初に頭にあって、

それに沿う形で動きが

作られていったのかなあとか

私はそういうことが気になるんだ

 

支払いの有無、

所有可能金額の上限じゃないんだ

 

・・・みんな違ってみんないい

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