ある日突然

溺れてしまい

溺れてしまったことに戸惑って

もうこのまま助からないんじゃないか
怖くて怖くて

手足をバタバタさせながら
沈んでしまわないように
必死でもがいて



そんな高校時代の私の話を
これから書きます。








高校2年生の夏。

私は県内で最優秀の進学校に進み

休みの日は14時間
平日は6時間
勉強して勉強して…

とにかくずーっと勉強していました。



もともと天才型ではないので
時間でカバーするタイプ。

「このままの成績だと確実に
東大に行ける」
と先生には言われ、

まわりが遊んでいても関係なく
毎日毎日勉強していました。



睡眠時間を削って
もう限界!ってなるまで
机に向かって…



学校ではいつも眠かったし
イライラしていました。



あまり考えず発言をしてしまい
ちょっとまわりから浮いていたり
煙たがられているのも
なんとなく感じていました。



でもそういうのも全部
めんどくさくて
あまり気にしないように
感じないようにしていました。








そんなある日



ある友達が
急に私を無視するようになりました。



賢くてリーダーシップがあって
人気のあるYちゃん。



私が話しかけると
ぷいとどこかに行ってしまう。



あれ?
気のせいかな?



またぷいといなくなる。



やっぱり気のせいじゃない!



私、何かしたかな。



思い出したのは何日か前
私がYちゃんの容姿について
「○○みたい」と言ったこと。



それかな?
それかな?



何度もその場面を思い出す。



その時はYちゃんも
一緒に笑ってたのに。



あー、でもきっとそれだ。

きっとそれで私のことが
嫌になったんだ。



全然気付かず
ヘラヘラ笑って話しかけてた私
バカみたいだ。








それから
Yちゃんを見ると胸がドキドキして
隠れるようになりました。



Yちゃんの視界に入らないように。
気まずい思いをしなくていいように。



そのうち、



同じ教室にいるYちゃんの
一挙手一投足が気になって
授業中の先生の声が
耳に入らなくなりました。

聞こえているんだけど
話の内容が入ってこない。





私が話に入ると
Yちゃんが無表情でどこかに
行ってしまうこと

私がYちゃんの容姿について
笑ったこと

今日の授業中のYちゃん

友達と話しているYちゃん

チラッと私を見たようなYちゃん





家で机に向かっていても
Yちゃんの姿が何度も何度も
浮かんでくる。

胸がドキドキして
すごく心細くて苦しい。








気付いたら何時間も経っていて
慌てて勉強しようとするんだけど

教科書を開いても
文字が頭の中に入ってこない。



読んでいるんだけど、
意味が理解できない。

理解できないからもう一度読む。
何度も何度も読む。



だめだ。
やっぱり頭に入ってこない。



もう3時間も経っているのに
1ページも進んでいない。
もうこんな時間なのに。



焦る

焦ると胸のドキドキが大きくなる

怖い

息が苦しくなる

涙が止まらなくなる



何やってるの私
やることたくさんあるのに
全然できてないじゃん!
どうするの!ほら早く読んで。



やっぱり文字が理解できない。



太ももをつねる。
つねる。つねる。
力いっぱいつねる。



ほら!急げ!
ちゃんとやらないと!










そんな日が何日も続き

そのうち

時計の音が気になる
自分のまばたきの音が気になる
唾を飲むタイミングが気になる
息を吸うタイミングが気になる



いろんなことが気になって

何時間も何時間も
机に向かっているのに

1ページも読めない
何も頭に入らない残らない

そんな状態になりました。



当然成績は急降下。
トップ3に入っていたのに
下から数えて何番…というところまで
落ちました。





私はこんなに苦しんでるのに
なんでYちゃんは笑ってるんだ

なんで私のこと気にしないんだ

こんなに苦しいのに



Yちゃんがこれまで通り
話しかけてくれれば
全て元通りになるのに



なんで?
なんで?
なんで?



また胸のドキドキが大きくなる

そうなると、
大波にさらわれたように
頭も体も動かなくなる



息をするのも苦しくて
机に向かいながら
ただずっと泣き続けていました。








今も、その時のことを
思い出すとドキドキします。

20年以上経っていても。





その時
自分でも訳が分からない状態になって
どうすればいいか分からなくて
もがいていたんですが

私は誰にも相談できなかったんです。



なぜなら
私が悪いと
思っていたから。



Yちゃんにひどいことを言った
私が悪い。

こんなことくらいで
勉強できなくなってる私が悪い。



誰かに相談したら
お前が悪いって言われる
と思ってました。



親はきっと
「なんでうちの子はこうなの!?」
「いつになったら治るの!?」
「早く戻ってよ!」
って思ってると思ってました。



だから言えなくて

自分でなんとかしないといけないと
思ってました。



本当にそう言われたわけではなくて
私の思い込みなんですが
絶対そう、って決め付けてたんですね。



誰にも言えなくて
怖くて心細くて
ずっと自分を責めて



それが本当に苦しかったです。








私、自分の娘たちには
こんな気持ちに
なってほしくないんです。



あなたは一人じゃないよ
そのままのあなたが素晴らしいんだよ
何があっても味方だよ
一緒にいるからね

って伝えたいです。



ううん、子どもたちだけじゃない
あなたにも。

自分はだめ、自分が悪いと
思っているあなた

一人でがんばってるあなた

そんなあなたに伝えたい。



大丈夫だよ
よくがんばったね
苦しかったね



私はあなたに寄り添って
あなたの話を聞くことで
それができると思っているんです。

だからコーチングをやっています。



高校生の頃の私
苦しかったけど

あの経験があったから
私はコーチングを学ぼうと思いました。



私の原点。

大切な経験だったなぁと
今では思っています。



私は今そんなふうに思ってるよ
がんばってくれてありがとうと
高校生の私に語りかけると

高校生の私がにっこり
笑っているのを感じます。






あの頃の心の痛みは
今も確実に自分の中にあるのだけど

まるごとぎゅーっと抱きしめながら
歩いていこうって思っています。