先生は

生徒ひとりひとりの人生に

大きく関わる存在だなぁと思います。


これまで印象的な先生には

随分と出会ってきましたが

わたしが中学生の頃に出会った

先生の話を記録します。




ブーーーーーーン🚘💨と

ひときわ 大きな音を立てて

真っ赤なスポーツカーを運転し

颯爽と出勤してくるのは国語の先生。


真っ赤な口紅をし

いつもセットアップの

柄物のスーツを着て

アニマル柄の小物を付けてやってくる。


メイクにも抜かりがない。

肩まである髪の毛のウェーブは

今日も決まっている。



わたしは密かに

先生が大好きだった。

生徒から見ても

ヒヤヒヤするほどの派手な出立ちに

いつか校長や教頭から

指導が入るんじゃないかと思ったほどだった。


真っ赤に着飾るチーター🐆のような

鎧の中にあるものは

とても冷静な青の光を放ち

それがだんだんと紫帯びているのを

知っていた。

先生のオーラが黒板に薄らと浮かび

オーラを透した先にある

チョークで書かれた美しい字。

国語の授業は美しい時間とすら感じた。


光に惹かれたわたしは先生と仲良くなりたくて

授業が始まる前と後のどちらかは

出来るだけ話しかけるようにした。


先生は何で先生になったんですか?

昔から先生になりたかったからよ。

どうして?

先生が、先生になってくれて

わたし授業がすごく楽しいんです。

そう、、ありがとう。

でもね 先生は

他にも色々やりたい事あるんじゃないかなって。

どうして?

うーん…なんとなく!ウインク

そうね 

りもっちさんには誤魔化せないみたいね!

ふふ


時々 そんな会話をしながら

先生がやってくる車の音を聞くと

せんせーーおはよーーございまーす!!爆笑

っといって

車の近くまで挨拶に行ったり、

教室の窓から駐車場に向かって

せんせーー!爆笑と手を振ったりした。


🏫


ある日

自己紹介を作文に書く授業があった。


これといった取り柄もなく

特技といえるものもなく

自慢できる事もない

誇れることもない

自分には何もかける事がないと当時は思った。


何を書いたら良いか迷っていると

ピンと直感が働いた。

この作文 先生への手紙にしようと。

先生に伝えたい事を自己紹介形式で作文を

書いてみたいと思った。


作文には

自分が生まれてから今日まで

どう世の中を見てきたのかをツラツラと書いた。

クラスを心目で見た時

どういう風にみえているのか

どう生きて これからどうしていくのか

今後求められる人はどんな人で

自分はどうありたいか。

そんな事を書いているうちに

配られた原稿用紙数枚は

すぐにいっぱいになった。


正直 この作文は勝負にでた。

これを読んで 先生はどう思うか…

変なやつだと思うか

それとも

わたしが知ってる光の先生として

向き合ってくれるのか…。

少し緊張した。



作文用紙が返却される日

授業が始まる前の休み時間

りもっちさんと呼ばれ

手招きをされた。


自己紹介の作文読みました。

これを読んで

あなたと話してきた会話の意味が

後から分かってきました。

あなたと話すと自分が先生である事を

忘れてしまうんです。

あなたの前だとわたしはただの人になる。

この作文は文法も漢字も訂正がいくつもあるけど

とても伝わる文章でした。

わたしはこの作文が好きです。

ありがとうございます。

わたし先生が大好きやけん書けたんです。

大好きなのに

バカやけん国語の点数悪くてごめんなさい。


その後も

先生とはいい関係でした。

言葉を交わさなくても

通じ合っているような

目が合うとお互いにっこり笑い合うような

見えない絆がありました。


それから

1年ほど経った頃

先生が授業前にわたしを呼び

こんな事を言いました。

りもっちさんには直接話したいと

思っている事があるんです。

まだ学校にもこれから話すんですが

わたし 今年で学校を辞めるんです。

え?ここの学校を辞めるんですか?

それとも先生を辞めるんですか?

どっちも辞める事にしました。

どうしてですか?

前 りもっちさんが

わたしに言った事を覚えていますか?

「他にやりたい事あるんじゃないか」って。

学校の先生も好きでしたし今も好きです。

りもっちさんとこうして話す事が出来るのも

先生になったからです。

だけど、このままずっと先生でいる事よりも

まだ他の事をやりたいと思いました。

先生!頑張ってください!

わたしに話してくれてありがとうございます。

すごく嬉しい報告だった。

そして大好きな先生が離れるのは

素直に寂しいと感じたけれど

先生の内側にある光が

これからどんどん喜びに向かう事を思うと

自分も幸せになっていく気持ちになった。


🏫


先生の授業が最後の日がきた。

授業前の騒がしい休み時間

教卓にまたわたしを呼んだ。

今日でりもっちさんとのおしゃべりも

最後になります。

あなたともっと色々な話しをしたかったです。

あなたが中学校を卒業するまで

見守る事が出来ないのは

残念ですがどうか元気でいてください。

大人になってもし再会したら

一緒にお酒を飲みましょう。


わたしは授業開始してから終わるまで

ずっと涙を拭き続けました。

 


担任の先生でもなく

学年の先生でもなく

国語の専科の先生でした。


わたしの心の中には

時々 先生の運転する

真っ赤なスポーツカーのエンジン音が

ブーーンと鳴り

とても綺麗な日本語を淡々と話していく声が

今のわたしを時々ふと立ち止まらせます。


今 先生は60代半ば〜後半くらいかなぁと

思います。

時々 先生はどうしているだろうと

考えています。



先生 お元気でしょうか?

好きな事をして

生きていますか?



UMAくんりもっちママのあるがママなすがママ。

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