大手結婚相談所から申し込まれた59歳の会計事務所経営者と仮交際になってから初デートの日は朝から大雨で
恵比寿で2人酒を浴びる程飲んでいる。
そう言えばその吹き出物はどうしたのか何か病気なのか治るのかと、恵比寿のこんぶやで会計士が私の顔を見ながら怖い目をして言うから、
実は仕事で
2日間夜勤をしたお陰で肌が荒れてしまってと答えるが
恐ろしい性病を持っていると思われていまいかと自分の中での強迫観念が凄い。
すると会計士は仕事で夜勤というものがちょっと理解出来ないらしく私は日本酒を片手に丁寧な説明をするが、
説明する側もされる側も酒が入った状態で理解出来ているのか甚だ怪しい、
まるで円高について正しく説明しようとしている内に自分も混乱してくるあの感覚に似ているからもう話題を変えようと、
YouTubeでシルエットロマンスを聴いたのだと私が言うと会計士は嬉しそうに、
良く仲間達とカラオケに行くのだが同年代の女友達が必ずその歌を唄ってそれがとても上手いのだと屈託無く笑う。
お主は年下の話の合わぬ私世代と会うよりも同年代の酒と唄が好きな女を探した方が残りの人生豊かになるのでは無いかと傍目に思うが
しかし本人は気付いて居ないのか気付きたく無いのか。
そして会計士は仕事の話しになると、
今は得意先がいて商売繁盛しているが今後どうなるのかは分からないと言う。
私の方と言えばそんな話しは婚活で既に聞き慣れている、いつも不思議に思うのだがどんなに成功している様に見える経営者でも医者でも銀行マンでも、
皆一律に仕事が上手く行かなくなる不安を抱いている。
恵まれている様に見える人生でも
人はそれぞれその人なりの地獄を抱えて生きているのか。
コーヒーを飲み恵比寿駅まで会計士を見送った後で、
会計士から楽しかったねとCメールが入るがその後も変な昔のオヤジギャグが何発もしつこく届くから酔って面倒になった私は思わず、
それとても古いなと返してからベッドに横たわる
が日も落ちた頃に目覚めると結婚相談所から携帯に通知が来ている、
嫌な予感と共に膝から下ガクガクしながら通知を開くと、会計士からの交際終了の連絡であり言い知れぬ衝撃と共にため息をつくと
泣かないように小さな声でサライを歌う。