Sというトモダチの話をしよう |      生きる稽古 死ぬ稽古

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ー毎日が おけいこ日和ー
        

「コイツとだけは、絶対におんなじクラスになりたくない!」

高校2年の夏、

Sは私をみて、そう思ったそうな爆  笑

 

うちの高校はそれなりの進学校であったために

落ちこぼれちゃったヒト向けに

夏休みに補習授業というのがあった。

 

Sの名誉のために言っておくと

彼女は優れた文化系女子だったから

英語も国語も抜群だったのだけれど

数学だけは苦手だったのだ。

そしてその数学の補習授業を

当時はまだ別々のクラスだったワタシと

いっしょに受けることになったのだ。

 

その補習授業の時、

先生に指されたワタシは

「そんなん、わっかーへんわ

(そんなこと、わかるわけないじゃないの、という意味の三河弁ですあせる)」

と元気にはっきり、言いはなったチーン

らしいチーンおぼえてないけどチーンチーン

 

Sにはお兄さんとお姉さんがいるのだが

二人とも、とても学術優秀で

いい大学を出ているヒトたちで

家庭の中は知的な雰囲気が溢れているようだった。

だから<ワカラナイ>というのはとてもとてもハズカシイことで

そのハズカシイことを臆面なく言ってのける輩なんぞは

とてもとてもハズカシイ奴なのだということだった爆  笑

 

 

「なのにね〜、なんでそんなヤツと

仲良くなっちゃったんだろ〜?

高校3年のある時、

Sはそう言いながら独特の低い声で笑っていた。

 

そう、ワタシタチは

3年になって同じクラスになり、

いつの間にか

けっこうツルむようになってしまってた爆  笑

 

Sは英語も国語も得意だったけど

ただ勉強がデキるコだっただけじゃない。

文化的な素養がものすごくて

ワタシタチ女子のカルチャーリーダーみたいな存在だった。

 

Sの部屋に遊びに行った時、

<自分の部屋に画集がある>

というそのことに、

ワタシは目ん玉が飛び出そうになったポーン

 

体育会系バリバリの家庭に育ったワタシは

<絵をみるのが好き>なんてことを

人に知られるのがとてもとてもハズカシかった。

だから絵をみたい時は

誰にも知られないように、図書館に行って

隅の方でコッソリとページを繰っていたのだった。

 

きっと、そんな話をSにしたんだろう。

「だったらうちにおいでよ。

ワタシの画集をみせてあげるよ」

そんなふうに、Sは部屋に招いてくれたのだ。

 

人生の中で、

ヒトは何人もの恩人と呼べるヒトに出会いながら生きている。

自分の世界にはそれまでに存在しなかったものを

「ほら、ここに扉があるじゃない?」

とドアを開け、新しい風を招き入れてくれるヒトたちだ。

 

ワタシにとってSは

同級生であり、トモダチでもあるけれど、

心の扉を開けてくれた大事な恩人でもあった。

 

そうそう、ワタシが会社員になり

一番初めにもらったお給料で買いたかったのは

西洋絵画の画集だった。

そのことをSに相談したら

「それなら、この全集がいいよ」

と勧めてくれた。

たしか、その画集の注文をしてくれたのもSだったのではなかったか。

そしてそれから何十年も経った今も、

画集は、ちゃんとワタシの手元に残っているウインク

 

 

高校3年の時のクラスは、

なんだかもう、びっくりするくらい

みんなが仲がよくて

(何度も書くよ。

高校を卒業して40年以上もたってるんだよ滝汗

グループラインで10数名がやりとりしてる。

男子も女子も関係なく、参加してる。

 

そこでね、先日、トモダチのTから

Sの訃報をきかされました。

第一報は血栓が脳に詰まり、厳しい状態だとのことで

グループラインでは

<がんばってほしいです>

というメッセージがあふれてた。

そして、Sが亡くなった今、

Sがどれだけセンスが良くて

どれだけかっこよくて

どれだけ才能あふれるヒトだったのかっていう

子ども時代からのSの思い出、

Sとの思い出が次々と投稿されています。

 

40年以上前、というのは

地域格差も激しく、

ワタシタチが住んでいた三河地方は

まだまだ田舎だった。

どこんちも、オシャレとは程遠い暮らしぶりだった。

 

そんな時代に

最先端(だと感じさせられる)ファッション

オシャレなテーブルセッティング

音楽や絵画などのカルチャー

都会だった名古屋の情報

先生顔負けの英語の発音

 

そういった知識やセンスなどで溢れたSは

ワタシタチ一人一人の心のドアを

たっくさん開け放って

そうして自分自身が

風のように

ワタシタチの前からいなくなってしまった。

 

Sが生きている間に、

ありがとうって言ったかなぁ。

ちゃんと、面と向かって

お礼なんか言ってないんじゃないのかなぁ。

そんなことをふと、考える。

トモダチって、

あらたまってお礼を言うなんて

照れ臭くって、なかなかできないよね。

 

まぁ、そのうちに

ワタシタチもそっちに行くから

その時には

ちゃんと言うよ。

 

S、心の扉を開けてくれてありがとうってねラブラブハート