鯉のぼり |      生きる稽古 死ぬ稽古

     生きる稽古 死ぬ稽古

ー毎日が おけいこ日和ー
        

端午の節句

という言い方自体が死後となりつつありますが、

そんな季節にふさわしく、

好きな童謡のひとつであるこの歌を。

もうね~、本当に素晴らしい歌詞なので、3番までいっきょにご紹介。

鯉のぼり

1.
甍の波と 雲の波
重なる波の 中空を
橘かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり

2.
開ける 広き 其の口に
舟をも呑まん 様見えて
ゆたかに振う 尾鰭には
物に動ぜぬ 姿あり

3.
百瀬の滝を 登りなば
忽ち竜に なりぬべき
我が身に似よや 男子(おのこご)と
空に踊るや 鯉のぼり



子どもの頃から口ずさんでいましたけれども、

歌詞の意味がわかるようになるまでは、

なんてこともない歌でした。

甍(いらか)というのが、

瓦屋根のことだと知ってから、

この歌の情景を想像するようになったのです。

さすがにもう、今では瓦屋根の家が少なくなってしまったので、

瓦屋根がどこまでも続く風景を波に見立てる

といってもイメージしにくいでしょうが、

そんな瓦屋根の波と、雲の波が重なる

その間のところを泳いでいる鯉のぼり

という意味だと最初に気がついた時、

その深く詩的な表現に、私はゾクゾクしてしまいました。

しかも!

この歌詞の4行は、1番から3番まで

すべて起承転結となっていて、

3行目に視点を変えさせているのです。

1番でいうと、

瓦屋根の波と、雲の波が重なる情景を描いたその後、

三行目では

橘かおる朝風 と視覚から嗅覚、触覚へと転じておいて、

最後の四行目で

高く泳ぐや 鯉のぼり

と結ぶわけです。

見事な起承転結っぷりです。

かつて、日本にたしかにあったはずの、

勢いのある一つの情景を、

五感と想像力を駆使して味わってみます。

五月晴れの早朝、

どこまでも続く瓦屋根の波と、

雲が織りなす波とが重なり合っています。

橘の花、カンキツ系の心地よい香りが

朝風にのって漂ってくるなか、

波が重なり合うその中空を、鯉のぼりが力強く泳いでいます。

たったの四行で、

これだけ美しい情景をくっきり描かせるなんて

どれだけ表現力のある歌詞なんだろう叫び

一体どんな人が作ったのか~~~?

と興味津々なわけですが、

この歌詞は、なんと作者不明なのですってドクロ

私は3番の、

滝をのぼっていくと、たちまち竜になってしまうところも、

男の子たちに、「自分のようにあれ!」と言ってのける

自信満々の鯉のぼりのありようも、

その力強さ、堂々とした男前っぷりに惚れ惚れします。

そもそも鯉のぼりというのは、そういう力強さを願って、

子どもたちに託してきたものなのでしょうね。

男の子じゃなくたって、

気持ちが凹んだ時に、ガッツをくれる

鯉のぼりの存在、ありがたいっすニコニコ