【加藤さんの記録より】

思い出し 平工の避難所生活

 

さていよいよ最後の平工避難所に向かうのだが、ちょっとその前に昼食の話をしよう。

早朝の市内はゴーストタウンだった。

早いからしょうがないが9時を過ぎても開店を準備する人の気配はない。

人も歩いていない。

あるのは一部やっているガソリンスタンドにならぶ車だけである。

人の熱気を感じたのは鮮場(スーパー)の開店前にならぶ人々と消防署にある災害対策本部だけだった。

そんな中、ぽつんと「マンママリー」の看板の下、大鍋スープスパゲティ?(あまりその表示を正確に覚えていない)と出ている。大鍋のスパゲティ?と思いながら買い求めた。食べるところはお店の駐車場。車の中。おいしかった!お腹がすいていたからではない。本当においしい。まさかここでおいしいものに出会えると思っていなかった。

私はまだそのお店の中に入ったことはない。だけれどファンの一人である。

お店が使えない状況で、人もまともに通っていない状況で料理を出そうというのは相当強い意志がなければできない。

一度ゆっくり行ってみたいものだ。

 

平工である。「へいこう」と読む。「平校」ではない。

最初は周りのひとがへーこー、へーこーと言っても何を言っているのかわからなかった。

自分でもへーこーと言い始めた時は地元の人間になったようでちょっと誇らしげだったが、「平校」と書いてボロを出した。

最近は「へーこーのかとうです」と名乗って互いに違和感が無いようにまでなった。

 

 平工については何人かの人から情報を得ていた。

○被災の状況が最も悪くすさんでいる

○海岸の人間で人柄が荒い

○学校の協力が無い。

○地域が協力的でない。

先入観を防ぐために早々に結論を言う。

全て間違いだった。

そう言われる原因はあるのだが実際は全く違う。

それについては後述する。

ともかくその事前情報を持って平工を訪れた。

 

13;25福島県立平工業高校 (写真2011326132758132920

     裏の門から入るとすぐに体育館。右手に野球用の運動場をみて右奥に校舎

     さらに行くとまた体育館となって正面入り口になる。

     ??、避難所が無い!人の気配が無い!

     やっといた方に避難所は?と聞くと行き過ぎた体育館だという。

     行ってみても入り口に人は居ない。

     重い扉を開いた瞬間を忘れない。

     ほとんどの人が横たわり動きが無い。

     拒否、又は無視の感じ。ただこちらは見られており殺気を感じた。

     市の職員にあいさつをしているがその内容は覚えていない。

     話という話をしていなかったのではないか。

                    そこそこに体育館を出ると既に体育館に泊まり込みで入っている和歌山県の橘さ             さんと川西さんが外に出てきてくれ避難所の様子を話してくれた。

     それによると

     ・職員はまわっておらず心のケアができていない。

     ・風評がある。

     ・体育館の電気の容量が少なくブレーカーがすぐ落ちる。またトイレの電気が

ついていなかったので付けた(橘さんは電気関係の仕事)。また夜は持参のサーチライトをつけている。

     ・教室や調理室を使わせてもらえない(以前に畳のある部屋で誰かたばこを吸 

      い酒を飲んだ跡があったという事件があったそうだ)

     ・ボランティアは体育館で泊まれるが2組暗いしか今まで来ていない。

     ・海岸では盗難があるようで身分証明が必要。

     ・食事が悪く朝はパン、夜は冷たいご飯。

     ・市は動いていなく、またマスコミもこない

     とのことだった。

15:15 薄磯または豊間あたり

           現場を見ようと海岸の方へ車を走らせたが全く道に不案内だったのとがれきで 

              道路の形状をなしておらず今から思いだしてもどこを走ったのかわからない。

                     被害の大きさに言葉がなかったが、まだこの時薄磯、豊間の海岸線の惨状を見ていな             い。

16;00鹿島公民館

     約80名ほどの人の列。飲み物、缶詰、パンなど食糧配布の様子。

16:15小名浜港

;                    岸壁に大きな船が倒れるというわけでもなく打ち上げられている。

                     非現実的な光景に感情が動かない。

                16:50鮫川         

                     常磐共同火力の施設一部損傷。

                大洗O.S.宅に宿泊。一部食器がおちるなどしているが今までの光景が残っているので動揺なし。

 

 

 

 

        は少ない。