「あなた誰だっけ?」
先日から施設にショートステイしている、認知症の父から言われました。
カオナシのような表情。
おお、とうとうここまで進んだか!
と思ったけど、普通に
「Etsukoだよ」
と返事をする。
「え?全然顔が一致しないんだけど、どこに住んでいるの?」
「Z市だよ」
「あ!あ!そうだ、まだZ市に住んでいるんだね。そうだ!Etsukoの顔になった!」
そしてカオナシの父も、父の顔になった瞬間でした。
神経細胞のシナプスが繋がった瞬間。
Etsukoの顔になった
記憶がない。
ということは、アイデンティがない、ということ。
人はいつも過去の記憶を反芻していて、外側の出来事と思考、感情でアイデンティティが成り立っている、という現象を間近にみせてもらった、とても興味深い瞬間でした。
認知症の父の言葉は、そのまま私の潜在意識の表れとして出てきます。
「お前は何もしない、全部お母さんがやっている。お母さんが一番すごいんだ。お前は何もやっていない」
これは、数年前まで言われていた言葉ですが、最近は全く言われなくなりました。
私の罪悪感がなくなり、私もすごいんだぞ!(というか唯一無二なんだぞ)という潜在意識に変わったからでしょう。
認知症が進んだとしても、潜在意識が変われば過去が変わります。
「うまいもん食いに外に行こう、あれ?金がないな」
私と会う時はいつも美味しいものをご馳走してくれた父。
本当に憎んで嫌いだった時期もあるけれど、今は心から大好きだなあ、尊敬している人に変わりました。
今度会うときは私が外に連れ出して、お茶をご馳走しよう。
そうなると、きっと私の潜在意識も変わると思っています。
庇護されるべき立場、弱い立場から
自立した女性、という変化。
人生はいつでも変わります。
私が変われば、認知症の父も変わるのです。
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