🌙恋は月夜に香る

月を見ると
思い出す恋がある。

もう二度と戻らないのに
匂いみたいに
記憶だけがふっと蘇る。

そんな
記憶を綴っています。


毎夜21時台に更新中!


※ほぼノンフィクションですが
少し手を加えています

※noteで先読みできます

 

 

蒼井美月(あおいみつき)

 

▪️過去3000本以上のコラムを執筆

▪️現在もフリーライターが本職です。

▪️ライター業では書けない、血の通った文章を書きたくてこのシリーズを書き始めました。

 

 

 

 

  【猫の匂いがした彼】

 

登場人物

亜希:18歳

ケイ:22歳

 

 

 

 

 

 

 

「また今度ね」

 

!!!

 

 

耳がそれを聞き取ったときには、もう手を握られていた。

 

 

わたしの右手を掴むにーちゃんの左手には
ハミルトンの腕時計が見えた。

 

 

コンビニの入口の明かりに照らされて
眼の前に、華奢な肩とそこにかかるグレーのストライプのシャツが飛び込んでくる。

 

 

車内でも距離が近いって・・体が強張っていたのに
今は私の鼻の15cm先にはストライプのシャツがあって・・


なんなら、冷たくてゴツゴツした手が・・わたしの手につながっている

 

image

 

 

にーちゃんは菓子パンを2つ取ったと思うと・・
即、飲み物の冷蔵庫の前に向かった。

「なんか飲む?」
「・・じゃあ午後の紅茶にしようかな・・ミルクティ」
「オッケー」

ミルクティとダイエットコーラを握るとすぐさまレジに行って・・
コンビニの所要時間は5分もなかったように感じた・・。

 

 

随分せっかちなんだな・・

 

2車線の道路を車線変更して、信号を曲がる
見慣れた交番の横の路地を曲がって・・
私の実家の前を横切る。

 


・・・無意識に隠れるように頭をすくめてしまった。

 

車をとめて、圭介にーちゃんちの玄関の門をくぐると

そこから私の実家の部屋が見えた。

 

よく、夕日を見ていた窓が

よく知ってるのに別物に見えてなんとも不思議だった。

 

なんか・・悪いことをしているような気分になった。

 

 

「こっちから入るから・・。」

 

玄関を素通りして二人で庭に周る

 


「俺の部屋直通だからうちにきたら縁側からあがってね」
「え?鍵は?」

 

「ここはいつも開けてあるんだよ」
「不用心じゃないの?」

 

 

カラカラ・・
サッシを開けて、カーテンをめくり上げる。

 

 

「だから・・彼女しか呼ばないんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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